愛媛県と共同でNFTを活用した地域活性化の実証実験を行いました(+現地でNFT集めてきました!)
はじめに
昨年末から、およそ1ヶ月の間、愛媛県で「みきゃんNFT」の実証実験を行いました。愛媛県のクリエイターさんに参加いただき、NFTを発行、愛媛県と東京都で配布を行いました。企画全体の詳細については、愛媛県庁から出されている下記概要をご覧ください。
実証実験概要
分析レポート
cnetjapanにも記事をあげておりますので、こちらもあわせてご覧ください。
さて、今回の実証について、まちを訪れる、まちと関わる、経済活動に関わる、可能性を広げるという観点からみていきたいと思います。
今回の企画は、愛媛県の様々なクリエイターの方に、NFTを作っていただきました。
背景としてあるのはプロセスエコノミーという世界。ブロックチェーンのトレーサビリティの要素を使って、制作過程から楽しんでいただき、応援いだだこうという趣旨で実施しました。
結果として、様々な方にご協力いただき、このように色々なNFTが作成されました。
01.まちを訪れること
愛媛県のみきゃんNFTは、せとうち旬彩館(東京)、えひめ愛顔の観光物産館(愛媛)、愛媛県庁(愛媛)、シークレット会場(愛媛)の4ヶ所でNFTの配布を行うことで、その土地を訪れてもらう施策を行いました。東京と愛媛のすべての箇所をコンプリートして集めてくださった方もいて、その土地に出かけるためのきっかけづくりになったのではないかと思います。Web3やメタバースなどは、デジタル空間の中で完結するわけではなく、リアルな土地との紐付けをより強固にすることができます。
愛媛県内3箇所、東京1箇所のコンプリートを目指す!
さて、そのような中で、場所によって得られるNFTが異なる為、現地で集めたい!ということで、現地入りして、コンプリートを目指すべく、NFTを収集してきました。特にこのクイズとなっているシークレット会場は、松山から遠く、取得はとても大変でした。空港から車で2時間以上かけてNFTを取得に行きました。
せっかくなので、360度カメラで電車を撮影。スマホでお楽しみください。
温泉のある駅となっていたので、道後温泉だと思った人もいたのだそうですが、そうではなく、ぽっぽ温泉というなんと駅構内に温泉が設置されている場所があるんです!そこでNFTの配布を行っていました。
温泉を堪能した後は、松山に戻り、のこり2箇所のNFTを集めます。
02.まちと関わること
愛媛県のみきゃんNFTでは、地元のクリエイターさんを巻き込み、クリエイターエコノミーの世界観に挑戦しました。また、DAOというコミュニティにおける投票にも挑戦を行い、NFTについての勉強会などにもつながりました。リアルな土地だけではなく、メタバースに住む人が増えていくことすら予想される現代で、既に個々のアイデンティティは、ひとつの組織や土地に帰属するものではなくなっている現状があります。NFTやDAOは地方創生と大きく結びつくテーマであり、さまざまな人が入り混じり、関わり合い、何かを生み出していく過程がいま、Web3に期待されています。
クリエイターエコノミー
職場で使われていたみきゃんが公認に? NFT化で世界に広がる (愛媛県庁職員の福井さん)
https://yell-lab.ehime.jp/interview/1486.php
たてヨコDAO会議で、NFTの売買に挑戦!
NFTを取得したあと、どのように活用するのかというのは一つのテーマとなっています。たてヨコ愛媛さんの勉強会ではOpenSeaなどで二次流通を行う勉強会を行いました。私も愛媛のサイボウズ オフィスにて開催されたDAO会議にも出席してきました。
Web3時代に求められるクリエイターエコノミーや新しい組織形態の「DAO」を考える(CnetJapanへ寄稿した記事)
DAppsといわれる仕組みは、分散型組織のなかで運営されることがひとつのテーマとなっています。自立分散型組織とNFTの関係とはなにか、cnetjapanの特集に記載しております。
03.経済活動に関わること
NFTとこれまでのデジタルコンテンツの大きな違いは、個人がコンテンツを所有することができるという世界観です。その特徴を大きく表すのは個人の二次流通であり、OpenSeaなどで自由に売買することができます。将来的には、この二次流通によって生じたロイヤリティをクリエイターさんや、自治体に還元することができるようになれば、ふるさと納税などと同様に、地域によって重要な収益源となるかもしれません。それによってまた新しい施策が生まれ、次々とイノベーションがうまれることに繋がることが期待されます。
https://opensea.io/collection/ai-yuan-xian-gong-shi-mikiyannft
04. 可能性を広げること
NFTは集めて終わりではなく、様々なアプリケーションと接続が可能です。
たとえば、メタバース空間で展示をしたり、コップやステッカーといったリアルとの紐付けを行うことによってコンテンツに対して多くの人とのタッチポイントが生まれます。新しいテクノロジーを活かすことによって最新のデジタルコンテンツをつくることや、逆に伝統工芸のような古き良きリアルなオブジェクトとの連携によって、地元のIPは可能性を広げることができるかもしれません。
みきゃん展示室公開中
多くの記事に取り上げられたみきゃんNFT
さて、今回の取り組みは、自治体が直接NFTという新しい技術に触れていることもあり、多くの注目を集めました。一部をこちらにまとめてみます。
掲載メディアと記事一覧
コピーできないNFTで「みきゃん」デジタルアート配信 (動画)[NHK]
みきゃんのNFTデジタルアート配信 県が実証実験開始 観光振興や愛媛の魅力発信へ[47news]
みきゃんNFTアート限定無料配布 愛媛県庁などで実証実験[asahi.com]
愛媛県、ご当地キャラクター「みきゃん」でNFT配信実験[nikkei.com]
NFT_Tokyoカンファレンス
年末におこなわれたNFT_Tokyoでもブース展示を行い、みきゃんNFTの紹介をしてきました。
Conclusion (無事17種類、コンプリートしました)
今回の実証実験は、かなり短い期間で準備から実装まで行いましたが多くの人に喜んでもらえたと思います。今後もさまざまな施策を行なっていきたいと思います。