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今回はちょっと小さな自営業の窮状を発信します

政府が発表している物価上昇率だの、賃金の平均値だの。
まったくあてにならないとニュースを見ながら思います。
平均というのは、零細の最下層(または低所得者)から、ごく一部の何百億もの売り上げをする大企業(または大富豪)を平均するわけです。
その数字だけをみて、大金をもらっている議員さんたちには、中流以下と言われる大多数の生活の苦しさの何がわかるんでしょうね。
大多数の人には関係ない、大企業を除いた平均出してみれば日本の現状がよくわかると思いますが。
という低層の誰しも思っている不満を、まずは申し上げます。

本当の物価の感覚は、普段の生活で目にするものがすべて

皆様もスーパーなどでの買い物で目の当たりにされていると思いますが、
売値の感覚としてはおよそ少し昔、98円や108円とかだったものがいつの間にか120円~130円ほどに。
コロナあたりでそのくらいまで上がっていたものが、今年は140~150円が当たり前になっていると思います。それもこの1年、2年で急上昇し、まだ上がり続けています。

原材料の仕入れに関しては実はもっとひどいです。
小麦が高い、小豆が高いと一部の材料が高騰しているのはまだ何とかなりますが、全品目が30~50%、物によっては倍(100%)アップ
しかも光熱費人件費も爆上がりとなると、それはもう売物をその倍率で値上げしたとしても利益は苦しいときと変わらない(むしろ赤字方向)ということになります。

物価の上がり幅が大きすぎて、この先もまだ上がるという見通しの中、
当店の今回の値上げでも、正直なところ商売として成り立つかどうかわからないという状態です。

価格転嫁なんて簡単に出来るものではないという苦しさ

それでもなんとか、昔からの地元の銘菓として、皆様が気軽に買えるものでなければと思い、限界値にほんの少しだけの上乗せで抑えております。

本当に上がった分を販売価格にそのまま転嫁するのは、そんな簡単なことではありません。食べ物は特にです。
まず昔からの「このぐらいの値段のものだろう」という固定概念は、物価が上がり続けてもなかなか変わりません。

「高くても、どうしても必要なものなら仕方なく買うだろう」
という日常消耗品などとは違い、食べ物は頭の中にある一定予算より高いと敬遠されます。
「どうしても欲しい特別なもの」にはお金はかけれても、日常に近いものほど買う頻度が減るなど影響が大きくでます。

元値なんかじゃ買えない。割引シールがついた物しか買わない。

そんな声よく聞きますし。自分もそう思うことが増えました。

懐事情が、長年のお客様との信頼関係だけでどうにかなる域をとっくに越えている

私たちも売り手作り手であると同時に一般消費者ですので、
家計が苦しいのも重々承知です。
ですが、売り物の原価も相当上がっており、その分だけ値上げをしたところで利益が全くありません。

生活費の中で嗜好品は一番に削られるといいます。
消費増税のたびに言われながらも、今回ほどそれを痛感したことは今までありませんでした。
それほど生活が厳しいということだと思います。
(実際スーパーやコンビニで値段をみたら私も買い控えせざるを得ないです)

家計が苦しいからと、長年のお客様ですら買い控えになって商品が売れないとなれば、
店が成り立たず、商売人はそれだけではもう生活ができません。

最近店を頑張って立ち上げたインパクトのある店も、
長く続いた歴史ある老舗すらも閉店に追い込まれています。
時代だとか、今時売れないとかいう理由だけではないと思います。

お客様との信頼関係がある店ほど、簡単に値上げなどできません。
値上げにお客様の理解があって、それでも買いに来てくださる方がいて、
店がなんとか成り立っている。わが店もそうです。
それがいつまで保てるか。

家計が苦しいから賃金を上げないといけない→賃金を上げるためにはそのぶんの売上(利益)を上げる必要がある→販売価格を上げる必要がある→物が高くなる→家計が苦しくなる
この連鎖、いつまでたっても家計が苦しいままのような気がしますが。

少しの値上げで億単位の黒字が出る、大きな売り上げになる大規模企業はいいかもしれませんが、小さな一個一個のものを売っている小売店は、売値をそうした大企業の販売価格と並べて売ることになってしまいます。
利益のないものを少ししか売れなくなるんですから、そのうち全滅してしまうかもしれませんね。

1対1でお客様との関係を大切にしながら、ほそぼそとやっている店がたくさんあって、
売れない、生活できない、継手がいない、デジタル化
色々な理由で窮地に追い込まれているという現状を多くの人に知っていただきたいと思います。

(こんなこと気にもしない金持ちさんや国会議員さんもね)

老舗や田舎の小さな店が持っていた伝統も、礼儀作法も、技術も含め
(あとついでに、米がないとかいいながら田んぼも農産物も)
日本の良かったところ、承継せずにどんどん消えていってますよ。
一度消えたものは、その技術を持った人がいなくなると復活させるのはかなり難しい。
今、残っているうちに対策をして保護しないといけない絶滅危惧種になっていること、もっと広い知見で考えたほうがいいです。

今回は言いたいことをただ書きつらねてお見苦しいところを失礼いたしましたが、どこかに書いておきたい内容だったので書きなぐりました。

誰かの目に触れて、何か届けば幸いです。

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