「美少女戦士セーラームーン」41〜最終話レポート
ついに…アニメ「美少女戦士セーラームーン」の第1シーズンが終了してしまった。
面白かった…本当に面白かったなあ。
私が物心つく頃には放送終了していたセーラームーン。
しかし時を経て、昨年の台風の時にも、現在のコロナの状況下でも、セーラームーンは私の前に現れ、地球の平和を守ってくれた。
ひとりじゃないと言ってくれた。
これはもうミラクル・ロマンスとしか言いようがない。
ということで、第41話から第46話(最終回)までのレポートを、余すところなく綴っていく。
「美少女戦士セーラームーン」41〜最終話あらすじ
先週までの段階で、5人の戦士が揃い、銀水晶を手にし、タキシード仮面の正体や前世の記憶が明らかになったセーラー戦士たち。
しかしまだまだこの世を支配しようとするダークキングダムを倒すため、セーラー戦士たちは戦い、同時にセーラームーンは一人前のプリンセスを目指さなければならなかった。
ダークキングダムにすっかり洗脳されてしまったエンディミオン(衛、タキシード仮面)は、一時記憶を取り戻すが再びダークキングダムにさらわれて、今度こそ完全にクイン・メタリアのエナジーを注がれてしまう。
広がり続ける黒点が太陽を多い、大いなる支配者クイン・メタリアの暗黒のエナジーが解き放たれるのを防ぐため、ダークキングダムのアジトに続く入口を探すセーラー戦士たち。
それはなんと街のクレープ屋の中にあった。
そんなところに…。
ダークキングダムのアジトは北極圏Dポイントにあり、この入口はそこへとつながっているらしい。
早速中へと入っていくと、待ち構えていたダークキングダム四天王のひとり、クンツァイトの力によって、セーラー戦士たちは多次元混乱世界に飛ばされてしまう。
戦士たちが飛ばされたのは、廃墟と化したかつての月の王国シルバーミレニアムだった。
そこでセーラームーンの目の前に、美しい精霊が降り立つ。
「遠き昔、遥かな過去からメッセージを送る、月の女神セレー二の化身、シルバーミレニアムの女王、クイーン・セレニティ。あなたの母です。」
その正体は、うさぎの前世プリンセス・セレニティの母、クイーン・セレニティだった。
クイーン・セレニティはずっとルナやアルテミスとコンタクトを取り、セーラー戦士たちを見守っていたという。
「私たちは月に生まれた長寿の生命体。月に伝わる聖なる石、幻の銀水晶を守り、地球がより良く進化していくのを、見守り助けることが私たちの使命。思い出すのです、セレニティ。あなたが月のプリンセスとして暮らしていた、あの時のことを。」
クイーン・セレニティの力で前世の記憶を思い出すセーラームーン(プリンセス・セレニティ)。
「セレニティ、あなたは青く美しい地球の緑の木々や風に憧れ、よく眺めていましたね。そして、恋を見つけました。」
その恋の相手は、地球のプリンス・エンディミオン(衛の前世)。
人目を忍んで想い合う2人は、さながらロミオとジュリエット。
タキシード仮面とは、禁断の恋に落ちてしまったエンディミオンがセレニティと手をとり踊るための、仮装の姿であった。
しかし悪意のエナジーによって月の王女と地球の王子の運命は引き裂かれ、セーラー戦士たちの戦いも虚しく、2人は命を落としてしまう。
「プリンセス・セレニティ、そして全てのセーラー戦士たちよ、あなたたちの愛が未来の地球で成就できますように。未来の地球で、幸せに、暮らしてください。」
嘆き悲しんだ母クイーン・セレニティは、自らを犠牲にし、銀水晶の力で悪を封印し、プリンセス・セレニティやエンディミオン、セーラー戦士たちを未来の地球に転生させた。
こうして過去の記憶を完全に取り戻し、パワーアップしたセーラー戦士たちはダークキングダムの入口に舞い戻ってクンツァイトを倒す。
いよいよダークキングダムのアジトに向かい、最終決戦に挑むセーラー戦士たち。
そこで現れたのは、セーラー戦士と同じく5人組の妖魔DDガールズ。
セーラー戦士たちの弱みにつけこみ攻撃をしかけるDDガールズたちは、次々と戦士を倒し、なんとセーラージュピター、セーラーマーキュリー、セーラーヴィーナス、セーラーマーズの順にみんな殺されてしまう。
最終回の前話としてあまりにもショッキングなこの展開は、いったい当時の乙女たちにどれほどの衝撃を与えたものか…。
こうしてひとりぼっちになってしまったセーラームーンは、悲しみに暮れる。
そんなセーラームーンに、死んだ戦士たちの魂が語りかける。
ジュピター「ほら、元気出して。」
マーキュリー「うさぎちゃん、しっかりして。」
ヴィーナス「希望を捨てないでね。」
マーズ「うさぎ、立って。いつも、私たちは一緒よ。」
再び勇気を取り戻し、走りだすうさぎ。
「そうだ、あたしはひとりじゃない。ひとりじゃない!」
たった一人アジトに乗り込んだセーラームーンの前に現れた最後の敵は、クイン・ベリルと、完全に心を悪に乗っ取られたエンディミオン。
仲間を想うセーラームーンがパワーを発揮して戦うも、魂を支配されたエンディミオンはセーラームーンに襲い掛かろうとする。
その時!
セーラームーンが差し出したのは、いつかタキシード仮面がくれた、小さなペンダントだった。
そこから流れるオルゴールのムーンライト伝説…。
(ここめっちゃ感動的)
「お願い、思い出して、あたしセレニティです。遠い昔あなたと愛を誓い合った、月の王国のセレニティです。あなたは悪いエナジーに侵されているだけなの。もとの優しい心に…嫌なの…あなたと戦うなんて嫌。ね…。」
そうしてエンディミオンがペンダントに触れると、一気に記憶が蘇る。
正気を取り戻したエンディミオンとセーラームーンを見て、クイン・ベリルが怒り襲いかかると、エンディミオンはセーラームーンをかばって傷を負う。
「はやく、ここから逃げろ、そして、普通の女の子に戻って、かっこいい彼氏でもみつけろ…。」
そう微笑んで、息を引き取るエンディミオン。
ついにエンディミオン、衛まで失ってしまったセーラームーン。
「ごめんね、衛さん。あたし逃げない。まだやらなくちゃいけないことがあるの。見てて、頑張るから。」
そう言って、暗黒のエナジーを手に入れたクイン・ベリルに立ち向かうセーラームーン。
その姿はプリンセス・セレニティへと変わる。
「終わりだ、世界が終わる時が来た。」
暗黒のエナジーが広がり世界中が闇に覆われる。
もう世界を救う方法は、うさぎが銀水晶の力を解放することしかない。
しかしそうすれば、うさぎは死んでしまうという。
それでもセーラームーンはまっすぐ前を見つめ、ベリルに向かって呪文を唱える。
もう、彼女は泣き虫でおっちょこちょいな月野うさぎではない。
立派な月のプリンセス、セレニティである。
突如流れ出すムーンライト伝説。
良すぎる…。
ベリル「なぜだ、なぜそうまでして私に歯向かう。美しき未来を夢見るお前もやがては気付くであろう。この世界はすでに醜く汚れきっていることを。」
ムーン「いいえ、あたし、信じてる。」
ベリル「愛か?友情か?人同士の信頼か!ははははは!」
ムーン「信じてる。みんなが守ろうとした、この世界を信じてる!」
ベリル「バカめ!この腐り果てた世界に信じられるものなど、ないわー!」
ムーン「お願い、お願い銀水晶、みんなの信じてた世界を、もっと強く信じさせて!」
そうしてセレニティは死んだ仲間たちの魂に支えられ、銀水晶の力を解放し、ついにクイン・ベリルを倒す。
そして、プリンセス・セレニティ、セーラームーン、月野うさぎも、とうとう息を引き取る…。
戦いは終わった。
全ては消えてなくなった。
「普通の女の子に戻りたい」、そんなうさぎのささやかな願いを残して…。
「うわぁ〜!ちこくだぁ〜!!」
と、思いきや、なんと奇跡が起きて、セーラームーンも他の戦士たちも、皆もとの地球に再び転生したのだった。
仲間として戦った記憶は失ったものの、晴れて普通の女の子として普通の生活を送ることに。
しかし、全てなかったことになるなんて、結局今までの戦いは何だったのだろう。
彼女たちの恋は、絆は、一体何だったのだろう。
アルテミス「大丈夫、みんなこれから、また巡り会えばいいんだ。」
ルナ「そうね。」
そう、彼女たちは月の光に導かれ、きっとまた何度でも巡り会う。
いつの時代も、どんな時も、ミラクル・ロマンスを信じている。
戦士たち、それぞれの恋
月野うさぎ、水野亜美、火野レイ、木野まこと、愛野美奈子。
変身すれば地球を守る戦士な彼女たちも、普段は普通の女の子。
それぞれ違った恋をして、違ったときめきや痛みを持っている。
まずは月野うさぎ。
彼女はいつも2つの理想を胸に抱え、元基お兄さんとタキシード仮面との間で揺れている。
いつでも優しい元基お兄さんもいいけれど、手の届かないミステリアスなタキシード仮面にも憧れる。
2つの幸せを交互に夢見るのは、罪な浮気心か、かわいい乙女心か。
一方亜美ちゃんは、第27話「亜美ちゃんの恋!?未来予知の少年」で登場した浦和良に一途に想いを寄せている。
共に困難を乗り越え、両思いになった2人だが、離れ離れで想い合うばかりでなかなか恋は進展しない。
「正義の味方だって、恋ぐらいしてもいいじゃない!好きな男の子とデートしたっていいじゃないか!亜美ちゃんは逃げてるんだよ。恋をするのが怖いんだ。だからいろんな理由をつけて、浦和くんから逃げようとしているんだ。何で自分にもっと素直になれないのさ!」
とまこちゃんから諭されるレベル。
どんなに頭が良くても、恋の難問はそう簡単に解けやしない。
そんな亜美ちゃんを諭したまこちゃんはというと、ずっと昔好きだった先輩のことを引きずっている。
「あの人、あたしが失恋しちゃった先輩と、そっくりなんだ…」
と過去の恋愛と重ねては色々な人を好きになってしまう。
強くて度胸のあるかっこいいまこちゃんだが、乙女心は繊細で、少々もつれたその糸が解ける日はきっとまだまだ遠そうだ。
レイちゃんはというと、はじめこそうさぎと同じくタキシード仮面に恋をし、何となく似ているという理由で衛に興味を持つのだが(するどい)、うさぎと衛の前世の運命を目の当たりにし、潔く身を引く。
そりゃ、前世からつながってるとか言われたら、太刀打ちできないよな…。
ここでスッと身を引いたレイちゃん、本当にいいやつだと思う。
代わりに、と言っては何だが実家の神社でアルバイトをする熊田雄一郎に少しずつ惹かれていくレイちゃん。
第38話「雪よ山よ友情よ!やっぱり妖魔もよ」では、命がけで守ろうとしてくれた雄一郎にキスをする。
一目惚れやベタ惚れではないけれど、気づけばいつもそばにいて、自分のために一生懸命になってくれる人の存在に温もりを感じたのであった。
そして美奈子ちゃんはというと、なんと過去にロンドンで壮絶な悲恋を経験していた。
一人だけ海を越えた大恋愛…レベルが違う。
かつて姉のように慕っていた人に、好きな人を横取りされ、ショックを受けるも2人の幸せを願って姿を消した美奈子。
中2にして溢れる恋心を押し込めて、人の幸せを願えるなんて…。
「これで、いいの。この人が選んだのはお姉様なんだもん。2人が幸せになってくれれば、それでいいの。それでいいの…。」
そう言って、過ぎた恋にしっとり想いを巡らせる美奈子。
大人すぎる。
いつか絶対に報われて欲しい。
このように、それぞれ全く違う恋を経験してきた戦士たち。
第45話「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」でダークキングダムとの最終決戦に挑む直前、こんな会話を交わしている。
うさぎ「ねえねえレイちゃん、雄一郎さんとキスくらいしてきたの?」
レイ「な、何よ急に!」
うさぎ「だってさ、もしものことがあったら後悔するよ。」
レイ「もしものことなんてないわよ!」
うさぎ「ひどーい!あたしはレイちゃんのことを心配して!」
レイ「ふんっ、大きなお世話よ!」
美奈子「うさぎちゃん、もしものことなんて考えるのよそう。」
まこと「そうだよ、あたしだって、これが済んだら思いっきり恋をしようって思ってるんだからね!」
うさぎ「まこちゃん…そうだよね、ごめん。」
亜美「恋かぁ、あたしも…」
レイ「おぉ?!」
美奈子「お?」
まこと「お!」
うさぎ「お〜?!」
亜美「…(顔を赤くして)」
どんなに強い戦士たちでも、やはり中学2年生の女の子。
それぞれ戦い終わった後の素敵な恋を思い浮かべて、気合いを入れる。
しかし…戦士たちは5人とも、戦いの果てに命を落としてしまう。
結局転生して蘇ったものの、仲間たちとの記憶は全て消えてしまう。
やはり、好きな人には好きと言えるうちに、言わなければ遅いのだ。
また巡り会う時を待っていては、手遅れなのだ。
コロナで人との隔たりが広がる世の中で、セーラー戦士たちがそう教えてくれている。
タキシード仮面と、母なるプリンセス
今まで本当に色々なことがあったタキシード仮面。
初めはさっぱり正体がわからず、いつもバラを投げるだけで大して助けてはくれない変なやつだった。
しかし次第に共に戦ってくれることも増え、時に自分の身を傷つけてでも守ろうとしてくれた。
ある時、タキシード仮面の正体は衛であることがわかり、同時に彼は銀水晶を巡ってはセーラー戦士とライバルであることも知った。
守ったり、奪い合ったり、敵か味方かもわからない中、ついにセーラー戦士とタキシード仮面は互いの正体を知り、愛し合った記憶を取り戻した。
そんな運命を引き裂いてダークキングダムはタキシード仮面を洗脳し、セーラー戦士と戦わせた。
セーラームーンとタキシード仮面は、戦わなければならない運命なのか。
愛しあえない宿命なのか…。
それでも、やはり前世から受け継がれたセーラームーンの愛は強かった。
懐かしいオルゴールのメロディで、あたたかい真心で、タキシード仮面は全ての記憶を取り戻す。
記憶の中で、幼い頃の、両親を失ったばかりの衛がひとり泣いていた。
衛「僕は…誰?何も思い出せないよ…僕は、ひとりぼっちなの?」
うさぎ「違うわ。あたしがいる。」
衛「え…?」
うさぎ「大丈夫よ、ひとりじゃないわ。」
そう語りかけ、時を越えて幼い衛の手を握り、その悲しみを解きほぐすうさぎ。
あの頃は、まだ出会ってもいなかったはずなのに、愛は軽々と時を超える。
過去も、現在も、未来までもひっくるめて、圧倒的母性で包み込む。
アニメや映画で描かれる王子様といえば、かっこよくて優しくて、どんな時も助けてくれる完璧なイメージが強い。
しかし、タキシード仮面は全くもって逆である。
普段は嫌味なやつだし、登場の仕方がいつもシュールだし、ピンチなのにきてくれない時もあるし、きてもやられちゃったりするし、挙げ句の果てに敵に洗脳されて足を引っ張る。
本当にどうしようもないプリンスだ。
それでも、
「人間はもっと自然を大切にすることを考えたほうがいい。」
「女の子の美しさってのは外見だけじゃない。中身だ。優しい心と、正しいと思ったことをやり抜く正義のガッツだ。」
「紳士たるボクサーはうるわしき乙女を殴るものではない。優しく抱きとめてあげるものだ。」
「自分を幸せにできない人間が、他人の幸せもないだろう。」
と、時々すごくちゃんとしたことを言うし、
「無性に熱き血が騒ぎ、助けたくなる。」
「私の記憶が蘇りそうだ。」
「美しきセーラームーンに敗北は似合わない。」
「その調子でいつまでも、元気でいろよ。」
「今日の君は勇敢だった。後は私に任せるんだ。」
などと前世から続く強い愛と優しさを度々見せてくる。
そして極め付けの、第34話「光り輝く銀水晶!月のプリンセス登場」でのこの一言。
「セーラームーン、君は私が守る。」
本当にかっこよかった…。
アラーム音に設定してこれで朝目覚めたいと思った。
完璧ではないけれど、だからこそ愛おしい。
不安になることもあるけれど、根底にはゆるがない愛を持っている。
そんな愛らしいプリンス像がタキシード仮面にはある。
いつまでも幼くて寂しがりな衛に対して、うさぎは母なるプリンセスであった。
その母性で、あの頃の衛に手を差し伸べ、救い上げてくれた。
もう、タキシード仮面に仮面いらない。
その涙を、うさぎが拭ってくれたのだから。
かけがえのない、大したことのない私たち
「朝目覚めると真っ白なレースのカーテンが風にそよいでる。部屋の鳩時計が7時を告げて、いつまでも寝てると遅刻するわよってママの声。あたしはまどろみながら、もう3分だけ寝かせて!なんて思うの。毎日同じように遅刻して、先生に廊下に立たされて、テストで赤点なんか取っちゃう。学校帰りにみんなで食べるクレープ。ショーウィンドウに飾られたパーティードレスにうっとりして、ちょっとしたことが楽しくて嬉しい。そんな、そんな普通の生活に戻りたい。戻りたい…。」
戦いで命を落としたセーラームーンの、最後の、ささやかな願いだ。
このコロナの状況下で聞くと余計に切ない。
本当に、ちょっとしたことが楽しくて嬉しい普通の生活に戻りたい!!!
セーラームーンとは前世からの運命で選ばれた、特別なプリンセスだ。
一方で普段の月野うさぎは、おっちょこちょいで泣き虫な、至って普通の女の子だ。
彼女は常に、「特別なプリンセス」と「普通の女の子」という矛盾した2面性を内に秘めながら、戦っている。
1970年代の日本におけるウーマンリブで先頭に立って活動した田中美津の著書に、『かけがえのない、大したことのない私』(2005年、インパクト出版会)というものがある。
私は朝ドラ「まんぷく」に出演したときに、ウーマンリブに目覚めるという描写があったので、ウーマンリブの本を漁っていて彼女にたどり着いたのだが、この「かけがえのない、大したことのない私」という言葉に出会った時、感銘を受けたのを覚えている。
本の中で、彼女はこう述べている。
私にとって平等とは、「誰でも世界で一番自分が大事」ということです。誰でも世界で一番自分が大事。私が大事なように、あの人も自分が一番大事なのだから、私を大切にするように、あの人も大切にしなきゃいけない、されなきゃいけない。
また自由とは、私的に「自分以外の何者にもなりたくない」という思いです。
ですからリブの最初に、年を一歳ごまかす「私」もマル。それから年なんて気にしないでやりたいことをやって生きようとする「私」もマル。両方マル。その両方の自分を生きることが、ここにいる女として生きることなんだ、と。
つまりかけがえのない私も大したことのない私も両方私であり、その内なる矛盾を受け入れて、ここにいる私として生きること。
それを邪魔するものがあるならば、平等と自由を守るため、力を合わせて変えていこうと戦ったのが、彼女の行った活動だった。
まるでセーラームーンのようである。
セーラームーンも、かけがえのない特別なプリンセスという一面と、大したことのない普通の女の子という一面を矛盾して抱えながら、その状況を受け入れて、平穏を奪おうとする悪に立ち向かっている。
戦いの先に、女の子の幸せと平穏な暮らしを望んでいる。
セーラームーンとはもしかすると、かけがえのない、大したことのない私たちの化身なのかもしれない。
人は誰だって一人一人かけがえがなく、一方で広い目で見れば大したことのない星屑だ。
それでいい、そのままのあなたで共に平和を守ろう、ひとりじゃないと、セーラームーンの存在そのものが伝えてくれている気がする。
初めは「かわいい」「面白そう」くらいの気持ちで見始めたセーラームーンだったが、最終回まで見てまさかこんなところに帰結するとは思わなかった。
外出自粛の状況下も相まって、想像以上に日々勇気づけられ、明日を生きる希望をもらった。
セーラームーンがなかったらもうちょっとつまらない日々を送っていたと思う。
本当にありがとう、セーラームーン。
来月からぼちぼち気をつけながら仕事も再開していきそうなので、「美少女戦士セーラームーンR」以降は毎週のレポートはできないかもしれないが、なにか特筆すべきことがあった時はまた書こうと思う。
来週以降もセーラームーンは月にかわって、私を励まし前向きにしてくれるだろう。
今夜も月は高く昇り、変わらず街を照らしている。
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