【書籍・資料・文献】『コンビニだけが、なぜ強い?』(朝日新書)吉岡秀子
生活の中に溶け込んだコンビニ
いまや国内だけで、6万店にもおよぶ店舗網を構築しているコンビニエンスストア。略して、コンビニ。暮らしのありとあらゆるものが揃い、もはやコンンビニなしで生活は成り立たない。
一昔前までは、コンビニ業界は百花繚乱。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの3強にくわえ、ミニストップ、スリーエフ、ホットスパー、ポプラ、サークルK、サンクス、ampmといったコンビニが覇権を争っていた。
コンビニ戦国時代は合併・淘汰が進んだことで早々に幕を閉じ、業界はセブン・ファミマ・ローソンの三国時代に突入した。コンビニから個性は急速に失われて、買い物の楽しみは喪失したとも言われる。
その一方、3強は客を飽きさせない工夫を凝らす。売れ筋のおにぎりやサンドイッチは常に改良を重ねており、美味しさを追求。それだけではなく、栄養やカロリー、保存料といった健康面・体調面などにも配慮を巡らす。
また、セブンが導入したことでコンビニ各社が後追いした100円コーヒーもお馴染みになっている。
なぜ、コンビニは強いのか?そこには、看板による安心感もあるだろう。自分の居住地なら、コンビニじゃなくても買い物はスムーズにできるが、旅先や出張先などでモノを買うときに知らない店というのは自分が思っている以上に抵抗感があるようだ。逆に、知っている店なら安心感がある。
こうした心理が、全国の店をチェーン化させる。口では、「チェーン店はつまらない」と言いつつも、細々と営業している個人経営店に足を向けるのに二の足を踏んでしまう。
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