【書籍・資料・文献】『県都物語』(有斐閣)西村幸夫
2019年は、あまり旅に出なかった。と書いて、ふと思う。そんなに旅に出ていなかっただろうか?と。
2014年にエクアドルに行ってから、2015年は台湾、2016年は香港とマカオ、2017年はスペイン(カタール経由)、2018年はオーストラリアと経由地の中国に1日滞在と毎年のように海外に出かけた。
これは、半ば自分に課した責務と言っていいかもしれない。エクアドルに行ってから、自分の中で何かが変わった。価値観の大きな転換といえばそれまでだが、言葉では名状しがたい何かがとにかく変わった。
海外に出かける基準は、なによりも路面電車が走っていること。これgは、優先基準として挙げられる。台湾は第2の都市・高雄に路面電車が走っているが、2015年に行ったのは台北とその周辺だけだった。
このときは、まだ朧げながらに意識の中で海外を彷徨っていた。はっきりと覚醒するのは、翌年の香港からだ。
香港では、新界を走る軽鉄、そして香港島の観光列車としても人気が高い2階建のトラムにを目指した。
その後のスペイン、そしてオーストラリアに足を運ぶときは、もはや軽い道を歩くかのように、明確に“路面電車がある街”を狙っていた。
昨年12月、オーストラリアから帰ってきて、次に狙う国をオーストリアに定めた。オーストラリアの次がオーストリア。まさか、ギャグ?と思うなかれ。れっきとした、ギャグだ。
いや、ギャグ狙いでもあったのだが、オーストラリアのウィーンからドイツのミュンヘンまでを旅し、路面電車の走る街で長期滞在というプランを組み立てていた。
そんな夢に描いていたプランは、もろくも崩れた。今年は海外に行っていない。
海外に行かなくても旅は旅
海外に行っていないことを理由に、今年は旅に出ていないと書いてみたが、実のところ旅に出て家を留守にした日数は今年の方が明らかに長い。
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