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憲法を生んだ島の静かな夜に

独立を目指した東京の島

 5月3日は、憲法記念日。

 昨今、というか自民党の安倍晋三総裁が2012年に返り咲いた頃から、憲法改正が盛んに叫ばれるようになった。

 それまで憲法を考えることは、多くの国民が抱かなかった思いだろう。第2次安倍政権の発足前後から、盛んに憲法がクローズアップされるようになり、いまや憲法を考えることは珍しい話ではなくなっている。

 第2次安倍政権の発足とともに5月3日の憲法記念日は、単なる祝日というだけではなくなった。 

 2012年12月の衆院選で、自民党は圧勝。民主党から政権を奪還した安倍晋三総裁はそのまま首相に就任。以降、7年以上もの長い期間で政権を担っている。

 憲法改正を悲願としていた安倍晋三首相だが、その歩みは早くない。むしろ遅い。時期尚早と考えて、機が熟するのを待っているのか? はたまた、憲法改正は権力を掌握する、自身の支持者をまとめるためだけの方便だったのか? それは、わからない。

 とにかく言えることは、安倍晋三首相が就任してからの7年間で憲法改正を発議するチャンスはあった。それも一度だけではなかった。何度もあったはずだ。安倍晋三首相は、そのチャンスをみすみす逃している。

 安倍政権が誕生して憲法改正が喧しかった頃、私は東京・港区芝浦から伊豆大島へと向かった。平日の早朝、しかも春休みが明けたばかりの4月上旬ということもあり、船内に観光客は見当たらず。空席が目立った。

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 元町港で下船する来島者

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