『CREA Traveller』のように撮れ!
2月末、茨城県日立市・北茨城市に取材へ行った。これは、雑誌の取材だったのだが、現地では編集者と行動を共にした。
そのため、取材中の2日間は自由行動という自由行動はいっさいなかった。しかし、あらかじめスケジュールを決められていて、幸いにも取材スタートは現地集合だった。そうした幸運を活かして、事前に日立市へと入った。そして、雑誌取材とは別に市内を歩きまくった。
移動手段が徒歩・バスに限られていることもあり、行動範囲をむやみに広げることはできない。それでも時間はたっぷりある。行きたいところに足を運び、そしてモノを見て、写真を撮った。
事前に仕事をやりくりして、2日間の自由行動を捻出した。自由に歩き回ることで、本番の取材とはまた違う日立市を知ることができた。
今回、日立市に足を運んでみて、もっとも時間を費やしたのが日立駅だった。駅に時間を費やすというのも変な表現だが、日立駅は文句のつけようがないほど美しい駅舎だ。その美しさを堪能するために、写真を撮り、眺め、そして佇んだ。
日立駅舎は、建築家・妹島和世さんが設計した。妹島さんのデザインは、ガラス面を多く使うのが特徴で、できるだけ室内に外光を採り入れようとしている印象を受ける。
日立駅のすぐ東側hが太平洋が広がっているのだが、駅と太平洋の間には高い崖で隔てられている。それが、日立駅の立地特性でもあり、日立駅から眺める太平洋は朝・昼・夕・夜と時間によって顔を変える。
また、晴・曇・雨・雪などの気象条件でも広がる海と空の色合いは変わり、与える印象は異なる。趣も激しく違ってくる。まさに、七変化と形容できる景色だ。
そんな豊かな表情を見せる日立駅から、太平洋を撮る。それが、事前に日立駅へと足を運んだ理由のひとつでもあった。しかし、実際に日立駅に降り立ってみると、理由のひとつどころか、最大の理由になってしまったかもしれない。
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