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未完の都市計画 失敗を繰り返す宿命
日暮里・舎人ライナーの悲哀
8月23日に配信された「NEWSポストセブン」の“朝の足立区だけ激混みの日暮里・舎人ライナー 解決策は?”では、朝の通勤時間帯だけ混雑が激しい様子を取り上げた。
日暮里・舎人ライナーは足立区・荒川区を走っているが、そのうち朝のラッシュ時間帯は190パーセント近い乗車率に達する。北端の見沼代親水公園駅でほぼ座席は埋まり、都心部に近い日暮里駅に近づくに連れて混雑は増していく。千代田線や山手線と乗り換えになる西日暮里駅まで混雑は続く。
日暮里・舎人ライナーの190パーセントにもおよぶ混雑率は都内でも屈指の混雑といえるが、一方でそれは朝ラッシュの時間帯だけに限定される。ラッシュ時間帯を過ぎれば、特に混雑することはない。それは帰宅ラッシュ時間帯でも同様だ。
朝ラッシュ時間帯のためだけに、車両を増やさなければならず、それが日暮里・舎人ライナーの経営を逼迫させる。
日暮里・舎人ライナーを運行する東京都交通局は、沿線がここまで発展するとは考えていなかった。そのため、日暮里・舎人ライナーをコンパクトにつくってしまった。一編成あたりの定員は少なく、しかも長大編成化はホームの長さが足りないので難しい。
また、橋梁・高架を安普請でつくってしまったので、あまりたくさんの乗客が乗っている列車だと、その重みに耐えられなくて線路が崩落してしまう危険性もあるとか、ないとか。
重量オーバーの危険性は、あくまでも想定値によるものなので、どこまで本当かわからない。しかし、どこまで耐えられるのか?といった実験を実際に試すわけにもいかない。
そもそも、どうして東京都交通局は日暮里・舎人ライナーの需要予測を見誤ったのか? それは、やはり沿線開発を読みきれなかったというしかないだろう。甘かったと言えばそれまでだが、将来予測というのは本当に難しいことを実感させられる。
2008年に開業を果たした日暮里・舎人ライナーは、計画段階から東京都交通局内から先行きを不安視する声はあった。あったというより、かなり強く懸念されていた。それは、沿線が農地ばかりだったからで、やはり農地では需要は見込めない。
『るるぶ』という金脈
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