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■普段は東京にいます。 エルブランシュ@麻布十番のオーナーシェフ ■地元の古民家をリ…

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■普段は東京にいます。 エルブランシュ@麻布十番のオーナーシェフ ■地元の古民家をリノベしてレストランを経営してます。 LULL(ラル)@福井県 ■レストランのコンサルティングもしてます。 (気軽にお問い合わせください) https://tomohiro-ogawa.jp/

マガジン

  • ビジョンノート

    シェフとして日々考えていることなど。

最近の記事

新しいFarm to Table構想-農業とレストランの一体化

新鮮な食材を農場から直接レストランに運び、シェフがその素材を活かした料理を提供する「Farm to Table」という概念。このFarm to Tableの進化系を僕はいつか実現したい。 「農業とレストランの完全な一体化」 この構想では、食事だけが目的ではなく、お客さまが農業を深く理解し、体験し、心と体の健康を実感できる場所となる。 例えば、農場には環境に優しいリジェネラティブ農業を取り入れ、土壌の健康を改善し、生物多様性を増加させ、食材の栄養価と風味を高める。この農業

    • 少数精鋭が利益を生む

      レストラン業界は人手不足に悩まされているが、これを機に効率的な人材配置を考えるチャンスでもある。たとえ豊富な人材がいたとしても、飲食店の利益構造では、どうしてもスタッフの数を絞ることが求められるしね。 僕のレストランでは、接客と料理の品質こそが最も重要な業務であると位置づけ、これらにリソースを集中している。まず、各スタッフに明確な役割を持たせる。キッチンスタッフには良質な食材を仕入れ、丁寧に料理を作ることを心がけてもらい、シェフにはメニュー開発とチームのまとめ役も担ってもら

      • 再生

        小さなお店の大きな問題「ノーショー」

        予約してるのにドタキャンして、キャンセルの連絡もない。そんな、ノーショーに悩まされている飲食店は多いです。 ノーショーについて話します。

        • 「安売り」と「安く提供する」ことは違う

          たくさんのお客さんに来てほしいから、お客様に喜んでもらいたいから、と言って単に価格を下げて集客しようとする経営者がいるが、ほんとにそれでうまく店がまわるのだろうか。 そりゃあ、安売りすれば一時的にはお客さんも喜んで足を運んでくれるかもしれない。けど、それは短期的な集客手段にすぎないし、安売りすれば、代わりに何かを犠牲にしなければならなくなる。それが、材料費なのか、スタッフの給料なのか、とにかく何らかの歪みが生じ、本末転倒になりかねない。 「安売り」と「安く提供する」ことは

        新しいFarm to Table構想-農業とレストランの一体化

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          26本

        記事

          レストランの成功の鍵はブランディングにあり

          レストラン経営において成功を収めるためには、多くの要素が重要となるけど、特にブランディングの重要性は非常に高いと言える。ブランディングは、レストランのアイデンティティを形作り、顧客に対して一貫したメッセージを伝えることで、顧客の忠誠心を築き上げる役割を果たすからだ。 ブランディングとは何か? ブランディングとは、製品やサービスに固有のアイデンティティを与え、市場での差別化を図るプロセスのこと。これには、ロゴ、デザイン、使用される色、言語スタイル、顧客サービスの質など、多岐

          レストランの成功の鍵はブランディングにあり

          料理人にとって厨房とは。

          料理人にとって、厨房は単なる料理を作る作業場ではないと思う。僕はレストランを二つ経営し、地方のレストランの監修やアドバイザーなんかもやってるけど、こうやっていろんな活動をしていると、厨房が料理人にとっていかに重要かを深く感じる。 料理人には「厨房を持つ料理人」と「厨房を持たない料理人」の二つに分かれる。前者は、自分のレストランを持つオーナーシェフや、あるレストランで勤務するシェフを指す。後者は、フリーランスの出張料理人のように、固定の厨房を持たずに活動する人々のこと。だけど

          料理人にとって厨房とは。

          厨房についての考え方

          料理の世界は、常に進化し続けるテクノロジーと共に歩んでいる。特に近年の厨房機器の高度化は、料理の可能性を大きく広げた。一昔前になるがエスプーマ、液体窒素、パコジェットなどの導入により、従来では考えられなかったような革新的な料理が生み出されたのは確かだ。これらの技術は、ハイクラスのレストランを中心に、新しい料理の概念を形成する上で重要な役割を果たしている。 かつて、僕もこのような最新技術を駆使した厨房を夢見ていた。でも、時間が経つにつれて、僕の価値観は変わっていった。今では、

          厨房についての考え方

          情熱と現実のはざまで: 新世代の料理人たち

          今の若い料理人は本当に料理が好きなのか?シェフとかミシュランという肩書きや地位に憧れているだけではないか?と、とある大先輩が料理業界の未来を心配されていた。 だけど僕はこう思う。料理人やシェフを目指す若者の動機は人それぞれで、料理への情熱、シェフという職業の地位や名声への憧れ、食文化への貢献など、さまざまな理由があるのだろうと。料理が好きであることは、料理人として成功するための大切な要素の一つだけど、それだけではなく、技術、創造性、チームワーク、経営の知識などもこれからの料

          情熱と現実のはざまで: 新世代の料理人たち

          「農業」が日本の未来をつくる。料理人は農業と手を組んで世界に羽ばたく。

          日本の未来は「農業」に託される。だから、僕ら日本人料理人にも使命がある。 今後、市場がどんどん伸びると言われている業界の一つに「農業」がある。 「えっ?農業が??今さら一次産業かよ?」って思うかもしれない。確かに、田舎に行くと耕作放棄地だらけだし、1960年には1500万人いた農家も2025年には50万人まで減ると言われている。データを見る限り、農業に未来があるとは思えない。 でも、世界の市場はどんどん拡大している。日本は少子化で人口が減り続けているが、世界の人口は増え続

          「農業」が日本の未来をつくる。料理人は農業と手を組んで世界に羽ばたく。

          経営者は「構想」を客に委ねてはいけない

          飲食店で、お客様の要望に応えるために、多種多様のメニューを用意しているという経営者をよく見かける。 でもそのおかげで店主は毎日仕込みに追われクタクタになってる。さらに年を追うごとに、このままお店をやっていけるか心配なっているにも関わらず、お客さまの要望に応えないと客が減るからやめられない、と思っている経営者。 本当にそうだろうか? ビジネスのプロセスは「構想」と「実行」の2つに分けることが出来る。 構想とは、例えば飲食店だったら、どんなメニューを揃えて、それをどんな材料で

          経営者は「構想」を客に委ねてはいけない

          思考の多角化: 飲食事業のマーケティングとブランディング

          今の時代、消費者のニーズは常に変化し、多様化している。特に飲食事業では、多くの競合が存在するため、ブランディングやマーケティング戦略が成功のカギとなる。その中で、「思考の多角化」というアプローチは、事業の持続的な成長と差別化を達成するための強力なツールとなるだろう。 1.顧客視点を取り入れる 多角的な思考とは、一つの問題や課題に対して様々な角度からの視点を持つこと。飲食事業で成功するためには、まず顧客の視点を深く理解する必要がある。彼らのニーズや欲求、価値観を捉えることで

          思考の多角化: 飲食事業のマーケティングとブランディング

          シェフにとっての厨房とは

          キッチン、それは一般的には料理を作る場所として知られている。だけど、シェフにとって、厨房は単なる料理を作る場所を超えた存在だ。それはラボであり、スタジオであり、そして料理人としての魂を反映する場所でもある。シェフにとっての厨房とはどういう存在なのかを考えてみた。 ラボとして。 シェフは、新しい料理や技法を探求するための研究者とも言える。厨房はシェフにとって実験場です。新しい食材や調味料、または調理法を試すための場所であり、創造性が生まれ変わる場所でもある。 スタジオとして

          シェフにとっての厨房とは

          食材への「火入れ」への想い

          食材との出会いから料理の発想が生まれ、それが形となってテーブルに運ばれる瞬間まで、料理すると言うことには多彩な一連の流れがある。それはデザイナーがデザインすることと似ていて、クリエイティブなことだと思う。その中でフランス料理では「火入れ」を重視する傾向にある。 たしかに火入れは、食材の持つポテンシャルを最大限に引き出す魔法のような瞬間だ。それぞれの食材が持つ、繊細な風味や食感、色や香りを知り尽くした上で、最も適切な温度や時間、方法を選び、食材と対話をするように調理を進めてい

          食材への「火入れ」への想い

          飲食店のキャッシュレス導入、抱える課題とメリット

          日本の飲食店は、キャッシュレスの普及が外国よりずっと遅れている。特に地方はね。この背景には、昔ながらの消費者文化や高齢者層の現金へのなじみ、そしてデジタル決済に対する不慣れさや不信感が影響しているからだろう。そして、最初に挙げたコメントのように手数料で儲ける仕組みが嫌という理由。そして小規模の飲食店では、この2-3%の手数料が経営の負担になるとも言われている。 でも、飲食店におけるキャッシュレス決済のメリットはすごく大きい。まず、お客様にとっては注文後の支払いがスムーズにな

          飲食店のキャッシュレス導入、抱える課題とメリット

          リスキリングで時代の変化に対応し差別化を図る

          近年、経済、技術、そして社会の変動により、多くの業界が変革の波にさらされている。飲食業界も例外ではない。特に、デジタル技術の浸透、消費者のニーズの変化、そして新しい競合の出現など、さまざまな要因により、飲食店の経営者や従業員は新しいスキルを学ぶ必要性に迫られている。さらに、顧客の健康志向やサステナビリティへの関心の高まりは、メニューの再考やエコフレンドリーな運営を求めている。 そして、このすべての変化に対応し、業界の新しいトレンドをリードするための大きなカギが「リスキリング

          リスキリングで時代の変化に対応し差別化を図る

          ノーショー問題は小さなレストランの大きな課題

          先日、エルブランシュで、ノーショーがあった。ノーショー、それは予約をしておきながら当日来店しない客のことを指す。特にエルブランシュのような小さなレストランにとって、これは経営に深刻な影響を及ぼす大きな損失になる。 ノーショーの損失は、一見すると単なる利益の損失に見えるけど、実はそれ以上の問題をはらんでいる。うちのような小さなレストランでは、予約数に応じて食材を準備しスタッフを配置する。予約したものの来店しない客がいると、その分の食材はロスになるし、スタッフの時間も無駄になっ

          ノーショー問題は小さなレストランの大きな課題