111.キャリア学習②
5/29に「愛知県豊明市立栄中学校」のキャリア学習を行いました。
気になったこと
前回同様、女子3名男子2名の計5名でした。
2回行ってみて、気になったのは質問があまり出ないことです。1回目はエンジニアに興味のある学生がいたので、その1名が質問をしてくれたのですが、今回は控えめと言いますか、出なかったのでこちらから伝える形が多くありました。
もし私が学校側の人間であれば、企業訪問するのであれば、訪問する班で何を質問するのかを考える時間を作ると思います。もしくは、クラスで質問を出し合って共有した質問を行う等でもよさそうです。訪問するのであれば、少しでも学生の学びの機会として使って欲しいと願うためです。
しかし、2回ともこれほどまでに質問が出ないとなると、そうした時間を設けていないのかもしれません。
受け身
受け身の場合、自分のこととして落とし込みにくく、一方的に企業側が説明したり、ワークショップをするだけでは学びにつながりにくい傾向があります。
そのことと関係があるのですが、今回は「伝える・自立」について話をしました。
「教えるというのは、話をしたり伝えることだと思われるけど、それってホントに伝わっているとおもう?」
この質問に対して、学生さんたちは???のリアクションをしたので
「私が感じる教えるって、伝えるだけではなく、時には何も言わないことで伝えることも出来て、実はそっちの方がより深く伝わる場合が多いです」
と伝え、次のことを話しました。
気づかせる
ついつい先回りして指導者側が伝えすぎてしまうのですが、小学校1年生を指導している時の経験を伝えました。実際にはかなり短くまとめて話したのですが、今回は学生さんが見てくれるかもしれませんので、詳しく書きます。
荷物置き場と練習場所が離れている時、始めは何も言わずに、練習をさせて休憩のたびに「水分補給してください」と伝えます。すると、荷物置き場まで走っていって、また戻ってきます。
しかし、なかなか戻ってこない子も居るので、練習が再開出来ない状態になります。時には、休憩で殆どの時間を使ってしまって、ろくに練習出来ないこともあります。
でも、あえて何も言わずに見守ります。すると
「今日全然練習してない気がする~」
「水飲みに行くのが大変💦」
と言い出す子が現れます。その時に
「なんで練習出来ないんだろう?」
「なんで水飲みに行くのが大変なんだろう?」
と、子供達に問います。すると、子供たちはどうすべきかを自身で考え始めます。そしてその結果
「休憩ばっかりだからか」
「そっか、練習するところに水筒おいとけばいいのか」
これに気づきます。一見とても回りくどく感じるかもしれませんが、もしここで指導者が先に「水筒は練習する所に持ってきてね」と伝えてしまうと、貴重な気付きの機会を奪ってしまうことになります。
このように単純な行動から考えることを続けていくと、自然と
「期待した結果にならない時には考える」
が身についていきます。本来は指導の場だけではなく、普段の生活レベルで行えるとよいのですが「家庭だとそんな悠長なことやってられないって」と、なるので親の理解が無ければ難しいです。
この「気づく」を子供の頃に多く経験することで、自然とロジカルな思考が形成され、これが自立につながります。
学校生活とは
学校生活って本来は、社会人になるための準備期間だと私は考えています。そう考えると、学問よりも「思考・努力・協力」を経験することが大切で、自立心の育成をもっと重視すべきなのでは?と感じます。
しかし、今も昔も学問が最も重視されており、中学生から始まる定期テストなどはその最たるもので、記憶力があれば乗り切れるので、ホントにこれが自立するための役割を担っているのか疑問が残ります。
もちろん、勉強方法を工夫することも自立につながるので、学問は一つの目的としては必要だと思います。
最近では道徳の時間も無くなったと聞きます。道徳って人について考えることから、コミュニケーションにつながる部分でもあり、復活を願いたいですね。
もちろん、道徳も単に伝えるだけでは意味が無いので「考える・気づく」この機会としなければいけません。
学校生活で求められているものとは何か、この点を考える必要があると感じています。
まとめ
今回の生徒さんの中に1名だけ、傾聴が既に出来ていた学生さんがおられました。おおよそ1時間10分程でしたが、話し手をしっかり見据え、伝えたことに対してうなずき、知らなかった知識については目を丸くして驚いた表情をされていました。しかも、それを初めから最後までです。
そのような態度で話を聞いてくれると、伝える側も嬉しくなりますよね🌈ありがとうございます✨
学生さんの場合、長い話になると途中で少し眠くなったりするのですが、これは話し手の問題もあります。
話し手が各々に向かって、うったえかけるように話す時は学生さんもそれに答えた反応をします。しかし、淡々と話してしまうと眠くなってしまいます。
では、どうやってうったえかければいいのか、それは「声の強弱」「間」、そして伝えようとする強い想いです。
今までもある程度は意識してそのように伝えていましたが、 桂 雀太 さんの落語に触れてから、より強くそのことを意識するようになりました。
落語家さんの話し方はまさにそれで、今回学生さんに話をしていて、その効果を強く実感しました。
今回も伝えると同時に学ばせて頂けたこと、このような貴重な機会を作っていただけたこと、学生さんはもちろん関係された皆さんに感謝です。
引き続き6/6のキャリア学習も楽しみです。