バラモンキング2018レビュー
2018年6月17日に開催された五島長崎国際トライアスロン(通称バラモンキング)に出場してきました。
今回は、そのレビューや気づきを書いていきたいと思います。
まず、結果は以下のとおりです。
スイム:1時間12分12秒(全体184位)
バイク:6時間55分26秒(全体266位)
ラン:4時間52分14秒(全体251位)
総合記録:12時間59分52秒(全体228位)
「とにかく、完走」「とにかく、完走」とだけ自分に言い聞かせて、無理なペースにならないようにレースしていました。
あとで書きますが、当日は非常に暑く、初ロングの自分には厳しい環境でした。
とにかく水分、とにかく栄養摂取をずっと考えて走っていましたね。
(※事務局の公式発表では、最高気温は26.6℃)
スイム:1時間12分12秒
目標は、1時間10分以内だったので、スイムは目標達成ならず。
レース当日は、宿泊する福江から富江港まで移動する選手専用シャトルバスに乗る必要があるので、3時起きと普段慣れない時間から起床です。
当然、真っ暗です。汗
スイム会場に着くと、事前に用意したバイクバッグを所定にラックに掛けます。(最終確認を忘れずに)
肝心の海は風もなく、凪状態でコンディションは良好です。
参加経験のあるチームメイトは「良い記録が出る」と言っていました。そこでスイムコースを見ながらレクチャーを受けます。
スタートの位置やブイの見え方、コース取りを教えてもらいました。特段迷うことはありませんが、ブイの見え方は海に入ってみないとわかりません。第4ブイをターンしたときに、前方に第1、2、5ブイが見えることになるのですが、進むべき第5ブイは一番左に見えるので、それを目指していくと考えておくといいです。
その他には、バイクの最終確認。
タイヤに空気を入れ、補給食をバイクに設置したバッグに詰め込みます。
そうこうしているうちに、当日、受付が始まったのでアンクルバンドを受け取りにいきました。
私が、スイムで用意したのは、ウェットスーツ、キャップ(支給)、ゴーグル、補給食、ワセリンです。
どれも、おなじみのものです。
ゴーグルは、前日にEXPOで買いました。レースの週にネットで自分が使い慣れているゴーグルを新調しようかと思いましたが、結局やめていました。
チームのメンバーはほとんど新品を準備していましたね。正直、ミスったなと思います。
新品のゴーグルは曇らないので、レース前に新品を買っておくことをおすすめします。
補給食(スーパーVAAM粉末、ウイダーinゼリー)は、スタート30分前に摂ろうと考えていました。
起きてからレースまで約4時間あり、朝食を食べていますがレースでのエネルギー消費を考えると、スイム会場で簡単に食べられる食事(おにぎり・ゼリー等)があると便利です。
さて、レーススタートです。
海水温は23.5°あり、スタート時点では泳ぎやすそうで快適です。
スタートはフローティングスタート。
ここで、問題がありました。
フローティングの体制で10分近く待つことになるのですが、選手がどんどん前に詰めてくるんですね。
私は、少し早めにスタート地点にいて、3列目にスタンバイしていたのですが、スタートまでビッタリ選手に寄られて、あまり身動きがとれない状況でした。
そうやってスタートすると案の定、バトルどころか泳ぐこともままなりません。第1ブイまで350mあるのですが、第1ブイをターンするまで、ずっとバトルです。
殴られたり、蹴られたり、しまいには両足掴まれました。
一斉スタートの恐ろしさと難しさを痛感しました。
スイムに自信のない人は、前に行かない方がいいです。自分の数少ないレースの中でも最もきついバトルが今回のバラモンキングでした。
そのあとは、なんとか気持ちを抑えてペースはゆったりで泳ぎます。泳ぎながらペーサーを見つけてドラフティングして、できるだけパワーを出しません。
そのまま1周目が終わりました。ペースをかなり抑えて泳いだので、立ち上がった時に51.5のような頭のふらつきはありません。ラップも35分でアップできました。
2周目の同じペースで行けば1時間10分台で泳げるなと思い、気持ちに余裕ができたのを覚えています。
2周目も変わらずに、ペーサーを見つけながら泳ぎました。
しかし、ここでもアクシデント発生です。
隣で泳いでいる選手が目標確認のため前方を見るときの平泳ぎをしている足が、もろに右わき腹に入りました。
これで少しペースダウン。その後またペースを戻しますが、1周目に比べてブイの確認などの余裕がなく、2周目は37分台でスイムアップ。
しかし、海から上がると、心拍は123bpmとかなり余裕のスイムアップ。
時間はかかったものの、この数字をみて安心しました。
その後は、スイム→バイクのトランジション。
頭に入れておく自信がなかったので、やることをリスト化して紙に書いてバイクバッグの中に入れていました。
最後に、バナナ2本とCCDジェルを腹に入れて、トランジションのテントを出ました。
バイク:6時間55分26秒
バイクをピックアップに行きますが、自分のバイクが見当たりません。
スイムからの動線では、自分のレースナンバーの表示は見えにくく、観客の人に教えてもらってやっとバイクを発見できました。
先週の福山―鞆の浦トライアスロンでは事前確認していたので、スムーズだったバイクのトランジションは今回ダメ。
トランジションの動線やバイクの位置や目印を確認することの重要性を感じました。
しばらくトランジション内で右往左往してましたからね。汗
さて、バイクスタートです。
目標は、7時間~7時間半でバイクアップすることです。
道具や補給食は以下です。
ヘルメット、シューズ、ナンバーベルト、手袋、アームウォーマー、サングラス、CCDジェル、スポーツようかん、ザバスPIT IN。
これに、長距離の擦れに備えてチューブ式のワセリンと、もしもの場合に備えて、胃薬と痛み止めを追加しました。
また、ザバス PIT INはボトルに4本入れ、それを経口補水液(OS1)で割ってバイクにセットしていました。何も食べれなくなったときに備えての補給用で、これでハンガーノック(低血糖)を防止します。
補給の戦略は、これまでのロングライドで固形食(特にバナナ)を食べられているときは、体の調子がいいので、エイドで必ずドリンクとバナナを補給する。
その合間に、エイドまで時間が空く区間ではスポーツようかんを食べることにしていました。
これは想定内だったのですが、バイクスタートからバンバン抜かれていきます。
心拍数を見ながら、ケイデンス80を維持するペースで淡々と進みますが、人間悲しいもので前が見えるとついつい踏んでしまいます。
バイクでの周囲とのレベルの違いを見せつけられました。
Uターンの箇所では、チームの仲間との距離を確認しつつ、140kmあたりまでは概ねプラン通りに進めました。
問題はここからでした。
足がむくんできて、我慢していた右足の痛みがピークになり、足が痺れてきました。バイクシューズを緩めたが、効果はありません。
しかも、足がそんなに残っておらず、150kmからのアップダウンは登りはペースダウン、フラットも30km/hが出せず、アウターで漕ぐこともきつい状況でした。
やはり、余裕のあるペースといえども、五島のアップダウンで結構ダメージを受けていたんだと思います。
残り30kmは、本当にしんどかったです。
次回への課題で、200kmのロングライドとか経験した方がいいかもしれません。
補給の方は、ほぼ計画通りにできました。
バイク中に気持ち悪くなりかけましたが、食欲は最後まで落ちなかったので、バナナは補給し続けられました。スポーツようかんも3本ぐらい食べました。
暑さ対策は、エイドで水を入手すると、まず頭や体にかけて冷やしました。毎回、これを繰り返し。
半袖ウェアのクーリング効果もあって、体温が過剰に上がることがなくしのげました。
結果は、6時間55分26秒でした。
目標を上回るタイム、あまり計算したペースでもありませんでしたが、補給を計画的にできたことにより、ペースの落ち込みが抑えられました。
ただ、振り返ると、
上りでもっとパワーの出力を抑えてよかったです。
そのかわりフラットをちゃんと走る。
走ってみて思いますが、バラモンキングはアップダウンがフォーカスされていますが結構フラットあります。
しかし、バラモンキングのバイクは、自分の実力からすると大満足です。
課題は、次回以降に活かしたい。
ラン:4時間52分14秒
苦手のバイクが終わっての感想は、「あと40km走れば、終われる。」でした。
ランはそこそこ自信があったので、足の感覚からして目標としている4時間半切りはできるかもと考えています。
しかし、この自信はすぐに崩れました。
自分が、ランで準備したものは、ランシューズ、キャップ、SPI BELT、CCDジェルです。
これに、補給用にバイクで余ったスポーツようかんと前日に思いつきで買ったミンティアとのど飴をSPI BELTに詰め込みました。
ランの準備を済ませ、このレース初めてのトイレ。
スイムアップからずっと我慢していたのですが、バイクに7時間乗って、あれだけ水分補給して、ランスタート時にトイレに行くぐらいなので、どれだけ汗として排出したのかと驚きです。
さて、ランのスタートです。
走り始めはペースも抑えているので、そこまできつくありません。
バラモンキング、10km折り返しの20kmを2周回するのですが、1週目の10km折り返しまでは、6:00/km前後で走れていました。
しかし、練習のときからそうだったんですが、
バイクを長時間乗ると、呼吸の気管がやられることがよくあり、今回のランでも10km過ぎから息がしにくい状況になります。
ここで、ペースがガクッと落ちました。
心拍数だけが上がり、ペースは落ちるという最悪の状況。
しばらく歩いたりしながら、辛い状況に耐えながら時間をやり過ごしていましたが、自分がのど飴とミンティアを持っていることを思い出し、それを食べながら呼吸のとおりを良くしました。
これが案外良くて、なんとか走れるまでに回復します。
こういうのができるのも、自分の内臓が元気だったからですね。
あとは、補給はコーラと水が誤算でした。
水は冷たすぎて、お腹を冷やす。コーラは一度飲んだら、血糖値が上がるからか毎回のように飲み続けちゃいます。
1週目は、息が苦しいのと、お腹を壊して2回トイレに駆け込んだので散々な前半戦でした。
ゴール付近の折り返しに向かうと、チームメイトや観客が多く、少し元気を取り戻します。ここからあと一周(ハーフ)です。
もう2周目は、開き直ってペースは考えずに、
・エイドは必ず止まって、栄養&水分を補給する。
・上りは歩く。なぜなら、きついから!
・フラットと下りは、意地でも走る。
に戦略を切り替えました。
エイドも水は飲まず、かぶらず、スポーツドリンクを摂取。食べ物もオレンジと梅干を定期的に流し込みます。
ランも走る予定のフラットと下りはペースは遅いものの、順調に走れました。
バラモンキングのランは、ランのはじめ15時前後で暑いのですが、日が暮れると肌寒くなるので体温管理が大切です。
寒い時は、温かいスープがあるので、それを飲むといいでしょうし、遅い時間に帰ってくることが濃厚な場合は、マウンテンメーカーが出しているような軽量のウインドブレーカーを準備しておくと安心でしょう。
逆に暑い時は、エイドの水をかぶればいいですが、私がレース中にナイスアイデアだなと思ったのは、ジップロックを準備しておき、エイドで氷をもらって氷嚢を作り、首にあてて走っている選手がいたことです。
氷嚢を頭に乗せて、その上にランキャップを被るなんて対策もできますね。
特に、今回は最高気温26.5℃で熱中症や脱水症状でDNFになったり、救急車で運ばれる人が続出していました。道に寝ている人もたくさんいました。
トライアスロンのシーズンは夏だけに、暑さ対策として日焼け止めや水分補給の重要性を認識して、事前に対策を練る必要があるでしょう。
と、そんなこんなでペースはめちゃくちゃでしたが、無事にFINISHできました!
総合記録:12時間59分52秒
今回は完走第一のタイムは13時間以内を目標にしていました。
結果は、図ったように13時間切り。
つべこべ言わず、もうそれだけで過程がどんなであれ大満足です。
「もし、あれがなかったら、、、」「もし、あれがあれば、、、」なんてタラレバはありません。
しかし、それでは次への進歩にならないので種目別に簡単に課題を整理します。
<スイム>
・ロングで泳ぐには、より効率的な動きが必要。書籍などをあたって参考になりそうな動きを試行錯誤していきます。呼吸も右呼吸だけしかできないので、左呼吸がスムーズにできるようになるだけでも、多少はよくなると思います。今はがむしゃらに泳いでいるだけ。
・フローティングスタートが苦手。自分のレースを振り返ると、フローティングの時はすべてタイムを崩しています。バトルや選手と密集して泳ぐことが苦手なのかもしれません。どうやったら解決するんでしょうか?
<バイク>
・効率的なペダリング。今は感覚でペダリングしているにすぎない状態です。書籍などを参考にしながら、ペダリングのスキルアップでパワーを効率的に使えるようになりたいです。
・DHバーをつける。今回は、あえてDHバーをつけて出場しませんでした。95%以上の人がDHバーをつけて空気抵抗を減らしていたので、そろそろ自分のその流れに従おうと思います。汗(DHバーなしのバイクパートは、1位ではなかったろうかと)
・月間練習量の確保。月間練習量が最もばらついているのがバイクです。素人レベルでは乗り込んだ量が、そのまま結果に直結します。そのためにローラー台の購入を検討しようと思います。
そもそもバイクが一番苦手なので、とりあえず取り組む時間を増やすしかないんですが。
<ラン>
・フォームの見直し。スイムやバイクと同じですが、このまま練習だけすればタイムが短縮されるわけでもないと思うので、ランも書籍などで動きの効率化によるスキルアップを図りたい。
・ブリックランの積極的導入。普段のトレーニングにブリックランを入れる。そのためにローラー台が活躍すると考えられる。
・今回は、レース直前まで苦手のバイクに練習のウェイトが持っていかれた。そのため、フルマラソンを走るような20km走などの長めのトレーニングができていなかった。51.5同様にランが最後に足を引っ張っているので、ブリックランと合わせて、直前の長距離走を入れて次回は走りたい。
最後に、今回は五島の人の応援やボランティアスタッフの対応に非常に励まされたレースでした。レースの過酷さにばかり注目がいくバラモンキングですが、選手以外の運営のすばらしさを体感しました。
ありがとうございました!
レースが終わって、きつかったですが、またロングのレースやバラモンキングに戻ってくる人が多い理由がなんかわかった気がします。
まあ、自分もまた一歩ずつ踏み出していきます。
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