みやじま国際パワートライアスロン2019レビュー
第13回目の「はつかいち縦断みやじま国際パワートライアスロン」に参加&完走してきました。
この大会は、通称:WOODMANと言うそうで、直訳すると「森の人」。
初参戦の私にとっては、いまいちピンとこない通称でしたが、完走した今なら言えます。
”WOODMAN”、めっちゃうまいネーミングだと思います。
私も普段は山暮らしですが、地元の奥深い林道を思わせるコースの連続でした。
競技説明会で熊の出没情報があるということでしたが、納得です。
レース当日の気象条件
ではまずは、レース当日の気象条件です。
天気:曇りのち雨(T2付近の山間部は少々雨が降っていました。)
風:ほぼなし
気温:22℃
水温:19℃
水温が低い印象ですが、個人的には水温が低い方がパフォーマンスいいことが多いのでOKです。
気温も上がらなかったので、結果的にバイクやランは助かりました。
次に、コースです。
詳しくは、各セクションのレビューで触れていきます。
特徴としては、起伏(高低差)です。
スイムアップの標高0mからバイクフィニッシュが850mのアップ。
ランの最大標高地点が900mです。
T2が標高600mからのスタートなので、ランの折り返し地点(最高標高地点)までの11kmまでに250m上ることになります。
距離はミドルディスタンスですが、言わゆるIRONMANの70.3とは違い、スイム2.5km、バイク55km、ラン20kmと変則的です。
スイム:44分14秒
スイムから振り返っていきます。
スイムは、宮島・厳島神社の脇の砂浜からスタートです。
世界遺産からスタートできるトライアスロン大会は非常に稀なので、貴重な経験でした。
個人的に宮島は何度も来ていますが、いつも干潮狙いです。
満ちた厳島神社が初めてでした。
コースは、8つの船が停泊していてそれを目印に泳ぎます。
8つの船を右手に見る形で、通過していきます。
8つの船を右手に見ながら泳ぐと簡単に書きますが、スタート地点からは2番目の船までしか目視できません。
砂浜(スタート地点)に着いてから、ヘッドアップを使いながら、一つずつパスしていくしかないなと戦略ともいえない戦略を立てました。汗
あと、目視では意外に桟橋がせり出して気になりましたね。
スイムの目標は、45分以内です。
2.5kmだと1:50/100m計算です。
上五島ではスイムがダメでしたが、練習ではコンディションが上がっている実感があったので十分に達成可能と考えていました。
では、スイムのスタートです。
スタートは、めちゃめちゃファジーでした。
ビーチから沖まで自分で選べます。好きなところからスタートしましょう。
ラインなどはなく、審判の目視がスタートラインです。
選手が前に陣取りすぎたため、20m程戻されました。
自分は、フローティングのときにスイムの結果が良くなかったので、ビーチ付近からスタートを選択しました。
エリートも同時スタートですが、ほぼ全員がビーチ側からスタートしていたので、結果的にこれが良かった可能性があります。
分かっている人の近くにいることが、いい場合が多いです。
スタート直後はエリート選手の進路をヘッドアップで確認するのと、桟橋の先端を目印にまずは泳ぎます。
ここ最近にないぐらい集中して泳げましたね。
気持ちよかったです。
多少、バトルがありましたが、気にならないくらい冷静に泳げました。
ラップ見ればわかりますが、最初の1.0kmを1:35/100mペースで泳げています。
上出来です。
前半のしばらくは周りにドラフティングしていましたが、無理にストロークを上げるわけでもなく自分の泳ぎに徹しました。
気づいたら、4番目の船あたりまで泳いでいました。
そこからは、周りも空いてきたので独泳です。
途中、後方の選手に抜かれたらドラフティングを試みて省エネし、ついて行けなくなったらまたマイペースを繰り返します。
進路は不安だったので、10ストロークに1回ぐらいのペースでヘッドアップを入れて軌道修正しました。
そして残り1.0kmは、意識的に少しペースを落としました。
ペースを落とした理由は、この辺りから広島から山口側に潮の流れが発生すると競技説明会で聞いていたからです。
懸命に泳ぐより、あまりロスしない進路取りをしたいと考えていました。
これによって息も整ってきたので、泳ぎを試行錯誤しながら、自分の泳ぎを客観視しながら確認できる余裕もありました。
感触のいい泳ぎ方があったので、これからプールで試してみようと考えています。
結果的に、あまり潮の影響は感じませんでした。
スイムアップは、44分14秒(スイム順位:42位)でした。
ワンウェイのため一度も時計を見ることはありませんでしたが、予定通りすぎて驚きです。
下記は、スイム中の心拍数です。後半に行くにしたがって余裕が出てきました。
トランジションでウェットスーツをBIKEバックに詰めたりと時間を取りましたが、バイクに移行です。
バイク:2時間40分7秒
バイクとランは前日に下見をしていました。
そこで、バイクを頑張ることを諦めました。笑
上り坂は、林道が多く、
・道幅が狭い
・前日は大雨だったので、路面が濡れている(木が覆いかぶさり、簡単に路面が渇く環境ではない)
・上りの勾配がきつい
と上りが嫌いな自分は、頑張る気持ちがダダ下がりです。
目標は、フラットでしっかりスピードをキープして、上りは即座にインナーロー。
これまでの経験で、バイクで心拍を160以上続けると後々に響くので、160を超えないようにペーシング。
あとは余力があるからといって、ペダリングのテンションを上げ下げしないように心がけて、2時間30分(AV22km/h)と考えていました。
その目論見通り、42位でスイムアップしたことも重なって、後ろからバンバン抜かれます。(通常運行です)
レース中は自分がどれくらいの順位にいるかわからなかったのですが、高級バイクに次々とオーバーテイクされるうちに「俺、結構上位でスイムアップしたな、たぶん」と謎のポジティブシンキングをしていました。
上りがきたら、即座にインナーで走行。
息遣いの荒い選手にガンガン抜かれましたが、自分の頑張ることはここじゃないとマイペースを貫きます。
そんな余裕をかましていると、AVがどんどん落ちていきました。
たまにあるフラットでまたAVを回復。
補給もしっかり事前に決めたタイミングでやれました。
そうこうしていると、最後の難所・所山の山頂を目指す入口(44km付近)に差し掛かります。
ここからは、ひたすら上りです。
前日に予習済みだったので、最低ここまではパワーを温存しておかないといけないと思っていました。
散々ここまで抜かれましたが、ここからはちらほらと抜ける選手がいたので、1人ずつ拾っていきます。
といっても、上りのスピードは9km/h前後でした。
こんなに上りが続くのは初めての経験でしたが、事前にコースを見ていたので心の準備はできています。
もう淡々と上るしかありません。
この辺ぐらいからは、目標の2時間30分はどうでも良くなっていたので、とにかく無事にバイクを終えることに集中していました。
山頂を超えると、T2までは下りです。
しかし、林道で路面がウェットな状態でカーブも多いので、スピードの出しすぎは落車の危険を招きます。(前日の下見で、結構危ないなと感じていました。)
下りは得意ですが、無理な追い越しはやめました。
加えて、前日の雨と標高で一気に寒くなり、しばらく走っているとグローブから出た指が悴んできたり、ウェアが冷えて寒気を覚えました。
あと、10分ぐらい続けて下ってたら、間違いなく寒さで危ない状況になっていたと思います。
ハンドリングミスをしないように、確実に下りました。
無事にT2に到着すると、2時間40秒7秒(バイク順位:150位)でした。
目標に届きませんでしたし、余力を残したつもりでも最後の所山への上りでパワーを使った印象でした。
結果的に前半もスイムの影響もあるでしょうが、想定より心拍高めでしたね。
T2では、ラン袋を探す必要がなく、スタッフから手渡してもらえてスムーズです。
更衣テントでランの準備をします。
ラン:1時間49分19秒
最後は、ランです。
とその前に、スイムの時から我慢してたトイレを済ませます。
目標は、1時間50分の5:30/km計算でスタートです。
ランもバイクと同様に前日に下見済みなので、下り基調の5kmまでは飛ばしすぎないようにペースを作ります。
最初の1kmが4:40/kmで入ってしまったので、意識的にもっとペースを落としました。
足は軽いですが、これから続くアップダウンまでに温存しておく必要があるので、後ろから抜かされても惑わされずにマイペースを刻みました。
5kmまでは、5:00/kmを切るぐらいで、心拍も140ちょっとと計画通りです。
さて、ここからがランの本番です。
5kmから折り返しのもみの木森林公園(11km地点)までひたすら上りです。
ペースは一気に落ちましたが、テンポを一定にして着実に上っていきました。
ナンバーカードを見て、名簿から名前を探し出して呼んでくれる沿道の人もいたのですが、
「小川くん、がんばれ!」と同級生感覚で応援してもらえるので、非常に照れ臭かったです。笑
ただ、それに応える余裕が自分にもありました。
順位も上りで歩いたり、ペースダウンしている選手がちらほらいたので、それを着実にパスしていきます。
10kmからもみの木森林公園(折り返し地点)までのダラダラとした上りが最も堪えましたが、耐えて折り返します。
折り返し後は、今度は一気に下りです。
ペースは、4:30/km前後です。
体感では、4:15/kmぐらいで走れているイメージですが、疲れもあってそこまで出せていなかったようです。
ただ、フラットの残り2kmでも4:40/km程度のペースを維持できたので、素直に嬉しかったです。
去年からランの調子が悪く、ブリックランだけでなく、普通に走っても全然ダメ。
レースでもランで大きく順位を落とし、練習メニューの改善やフォームの修正を続けていました。
今回のランでは、バイクで抑えたこともあるかもしれませんが、これまでのレースとは違い、手ごたえを感じることができました。
なんとなくメニューの組み方がわかった感じもあり、フォームも意識しないとすぐダメになりますが、20kmぐらいはキープできるスキルになりつつあるようです。
ランのタイムは、1時間49分19秒(ラン順位:93位)でした。
トランジションでのトイレのタイムを考えると、十分な結果です。
最終成績は、5時間13分40秒(全体順位:105位、エイジ順位:11位)でした。
目標の単純計算である5時間5分には及びませんでしたが、結果には満足です。
個人的には、ランで順位を上げれたことが収穫です。
ラン順位も100位以内と満足です。
昨年からずっとランで順位を落としていました。
昨年苦しんだ分だけ、少しでもブレークスルーするきっかけになればいいと思います。
種目別順位を見るとバイクが課題になると思いますが、バイクスキルも1年前に比べると向上していることが日々の練習から感じています。
みやじま国際パワートライアスロンは初参戦でしたが、
・雨の中、前日のバイク預託
・自分史上最大起伏のコース
と自分にないを引き出しを開け続けた感覚でした。
また前日の下見の際に、大雨の中、合羽を着てフィニッシュ会場やエイドステーションを設営しているスタッフの方がいました。
非常にありがたく、個人的にはこういう姿を見ていると記録云々とか細かいことを考えることが馬鹿らしくなり、シンプルに「自分ができることをやろう」と準備できました。
お陰でとりあえず、”WOODMAN”です。
以上が、「みやじま国際パワートライアスロン2019レビュー」です。