【目印を見つけるノート】281. チェルシー・ホテルにまつわるエトセトラ
きのうはちょこっとパティ・スミスを出しましたが、そこからなぜか、ゆかりのチェルシー・ホテル(ニューヨーク)のことを調べまくってしまいました。
伝説のホテル。
もともとはアパートメントで長期滞在者が多かった、100年以上建っているホテル。
あるいは文化のるつぼとか、交差点。
それがどのようなものかは、後で置きます。
ここはずっと、20代前半から、世界のどこに行きたいかと言われたら、ベスト3に挙げる場所なのです(ときどき変わりますので)。『Chelsea Voice』という冊子を作って知人に配っていたほどです。Chelsea Hotel とVillege Voiceを掛けていたことは明白です😜
方法は恥ずかしくなるほど稚拙ですが熱だけはすごかったなあ。ある意味、貴重品です。私も持っていないから😅
そのようなこともあって、アウトラインは知っているのですが、勉強はいつでもできるものですね。前と違って写真やら動画やら今は情報がたくさんありますから。
とはいえ、肝心なことがよくわかりませんよぉ😭
この歴史あるホテルは2011年から改装に入って、居住者以外は入れないということしか分かりません。
2019年のこちらの動画で、住み続けている方がお話をされています。
当時の内装の材はあまり残っていないようです。客室のドアを売っていたとニュースになりましたし、映画『カーマイン・ストリート・ギター』で舞台となるギター工房&お店でもチェルシー・ホテルの廃材でギターを作っていると説明書きがありました。
この予告編で木材(廃材)が並んでいるのを一瞬見られますが、その中にあるのかしら。
『カーマイン・ストリート・ギター』予告編
そうですね、「追憶の」という言葉ががついてしまうのかもしれません。
⚫さて、どんなホテルだったかというと
そうですね、チェルシー・ホテルは当初からもの書きにとってよい場所だったようです。マーク・トウェインやO・ヘンリーもここに滞在していました。
✒️
ウェールズ出身の詩人、ディラン・トマスはここに逗留していました。
のちに詩人となるシルヴィア・プラスはトマスの大ファンで、彼に会いたいと切望していました。でも頼んでいた編集者がセッティングしてくれなかったようで、会えませんでした。滞在するチェルシー・ホテルや行きつけのホワイト・ホース・タヴァーン(居酒屋)の前を2日ほどうろうろしたようです😢
そして、トマスはニューヨーク滞在中に急逝します。1953年のことです。
ディランといえば、詩人の名を名字にしたボブ・ディランもここと縁があります。パティ・スミスが言っていましたが、『ローランドの悲しい目の乙女』という曲はここで書いたそうです。10分ほどある長い曲なので、引用しないでおきます。
おそらく、もっとエピソードはあるのでしょう。
🎙️
『ビート・ジェネレーション』の旗手であるアレン・ギンズバーグとグレゴリー・コルソはここで、ポエトリー・リーディング(詩の朗読)のライブをしていました。ポエトリー・リーディング、日本では若者向きではないようですが、この方々がされていたそれは演劇的な要素のある「ライブ」でした。
分かりやすい例として、ドアーズのジム・モリソンのそれを引用します。
THE DOORS『Horse Latitudes』
ものを書くということでいえば、アーサー・C・クラークはここで『2001年宇宙の旅』を書いたとのこと。
アーサー・ミラーはマリリン・モンローと離婚したあと、6年もこのホテルに住んでいました。
映画といえば、
しばらく前に、NICOの『CHELSEA GIRLS』をお出ししたことがありましたが、あの曲はアンディ・ウォーホルの同名の映画にもとづくものです。
撮影場所はこのホテルでした。
🎼
1960年代になると、ここに音楽の波がやってきます。滞在した人を一人一人書けませんが、オークションに出された『ドア』(廃材)のニュースで一部?分かります。そこだけ引用しますね。
出品されるのはアンディ・ウォーホール、ボブ・ディラン、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ザ・ドアーズのジム・モリソン、ボブ・マーリー、ジャック・ケルアック、ジャクソン・ポロック、ハンフリー・ボガート、トーマス・ウルフ、マドンナ、レナード・コーエン、ジェリー・ガルシア、ジョン・ボン・ジョヴィ、イギー・ポップ、ブライアン・ジョーンズがかつて泊まった部屋も含む、部屋のドア50個以上。
http://amass.jp/102845/
より引用
ミュージシャンだけではないですが、多いですね。
ジャニス・ジョップリンのことをレナード・コーエンは「チェルシー・ホテルにいたきみを覚えているよ」と歌っています。
ジャニスはドラッグとお酒が災いし若くして亡くなりましたが、それを美化して伝説にしようというのではなく、淡々とふたりの会話を抜き出しています。ちょっとコンプレックスのある男女の会話で、不器用な人となりが現れて、少しホッとします。
カヴァーですが、その曲を。
Lloyd Cole『Chelsea Hotel』(カヴァー)
そんなジャニスの姿を見たのですね。
パティ・スミスはその頃ニュージャージー州からニューヨークにやってきました。
彼女がチェルシー・ホテルの住人になった頃の話をしています。
彼女にとってのチェルシーは、有名人に会える場所でもあったでしょうが、それよりも自分のアイデンティティを確立して、触媒、同朋……人生にかけがえのない人に出会う場所でした。レニー・ケイ、サム・シェパード、そしてロバート・メイプルソープ……。
彼女はそこからキャリアをスタートしました。
その話はまたいつか。
いきなり書いてヘロヘロになりました。
少しチャージして、
指折り数えて、
私はわたしのCBGBに行こうと思っているのです。
それではまた、ごひいきに。
尾方佐羽