「資金繰りに追い詰められた経営者は金を払いたくて死を考えます」
今朝の福島民報を見たら、ちょっと気になる記事が。
なかなか気になるワードだったので、どういう方なのかなと気になって立石裕明さんのお名前で検索したら、kindle unlimitedで読めるご著書『どんぶり勘定だからこそ、あなたの会社はこれから伸びる! ~小規模事業者革命~』が出てきました。さっそくkindleで読んでみましたが、短くて読みやすいです。
前半は父ちゃん母ちゃんだけの小規模事業者でもできる、黒字創出のためのhow toなどの内容でおもしろかったです。ただ、後半のご自身の体験談や、事業承継に関するお話が、たいへんリアリティがあって、そちらに読み応えを感じました。
「追い詰められた経営者は金を払いたくて死を考えます。」
以下は、記事タイトルにも引用しましたが、かつて宿泊事業の経営をされていた著者ご自身が、支払に困窮したときの心境を振り返ったシーン。
支払いに行き詰まって、死を考える経営者がいたとしても、それは「楽になりたくて命を絶つ」のではなく「自らにかけた生命保険を支払い原資とするために命を絶つ」場合が多いのだと、説明をされています。
私自身は、幸いにも、ここまでの状況に自分が追い込まれたことはなく、支払いはしてこれました。しかし、変化の激しい世の中で、いつ自分が同じ状況に陥るかは分かりません。「追い詰められた経営者は、このような考えに至ることがある」というのを理解しておくことはたいせつだと思いました。
自分のためにも、困っている経営者の方の力になるためにも。
事業承継とは、「借金を継ぐ覚悟」
また、事業承継の現場を見ての洞察も興味深いものでした。
事業承継とは、「借金を継ぐ覚悟」と表現されています。
あまり、こういうこと(借金)について、はっきりと書いたり話したりする人は少ないので、多くの現場を見聞きした人の視点として、勉強になりました。
そもそも親子で話をしていないという問題
また、別の視点として、事業承継を進める上で問題となる「親子で話をしていない」ということについても書かれています。
こちらについては、私も、知り合いの経営者の方などから、「親子でちゃんと話せていないんだよね」という事情を聞かせてもらうことはよくあります。なので、「やっぱり多くの会社がそうなんだなぁ」と思いました。
本の中では、ちゃんと話せていないまま、親が突然死することでどんなリスクがあるかなども書かれていて、元気なうち、早いうちに、ちゃんと話すことの重要性も感じました。
小規模事業者のリアルをちゃんと理解しておきたい
エフライフは、小売業としては、100を超える地域のメーカーさん(酒造業、食品製造業、農家など)と取引をしています。また、WEB制作やマーケティングコンサルなどとしても、業種問わずいろいろな会社さんと取引をしています。
取引先の多くが、家族経営、10人以下の小規模事業者ですし、先祖代々の商売をされている方も多いです。
自身も小規模事業の経営者として、苦労を理解できる部分、通じ合える部分もありますが、事業承継の難しさやそれに伴う借金の重みなどの苦労については、まだまだ想像力が及んでいないなと、本を読みながら思いました。
困窮している経営者のサポートや事業承継のサポートは、これから数十年、自分が向き合いたいテーマでもあります。ちゃんと現場のリアリティを理解して力になれるよう、勉強や経験を重ねていきます。
※このnoteは、「たいせつなものをたいせつにして生きていく」をスローガンに、福島県郡山市で株式会社エフライフを経営している小笠原隼人が、日々の気付きやできごとについて、毎日更新しています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。