シェア型書店に行く。こころば書房さんの「一文選書」がおもしろかった
シェア型書店という新しい本屋の形が広がっています。本屋の棚が数十~数百のブロックに分けられ、月額利用料を払ったオーナーは、棚を借りて小さな本屋を開業できるという仕組みです。
少し前に、福島県でも田村市でシェア型書店「Arumatie」が開業しました。
シェア型書店のモデルには興味があるので、今回、神保町にある2つのシェア型本屋をのぞいてみました。
1つは、芥川賞作家の今村翔吾さんがオーナーをされている「ほんまる」。もう1つは、書評サイトAll Reviewsが運営している「Passage」です。
Passageさんは、神保町で兄弟店SOLIDAも運営されているのでそちらも見てきました。
ほんまるのサイトを見たら、氣志團の綾小路翔さんがオーナー紹介ページに載っていたので、その棚を見るのを楽しみにしていましたが、残念ながら、昨日はまだ翔さんの棚の本は入荷待ちの状態でした。
翔さんのように「この人の選書を見に行きたい」という引きがあるオーナーがいることも魅力ですが、無名のオーナーさんでも、センスが合う人はいるので、そういう棚との出逢いも魅力です。
棚をじっくり見ている中で、私が一番良いなと思った棚は「こころば書房」さんの棚でした。
本のタイトルが分からないように、1つずつラッピングされていて、そこに、手がきのポップがついているのが気になりました。文章は、本の中に出てきた一文のようです。
「一文選書」というコンセプトで、説明書きも置いてありました。
こうやって、手がきタグを1冊ずつつけてラッピングするなんてことは、通常の本屋ではできないことで、こういうところが、趣味性の高い、シェア型本屋ならではだと思います。
そして、さきほど、買ってきた一文選書を開封してみました。
出てきたのはこちらの本。
本屋大賞2位ということで、本好きな人にはおなじみかもしれませんが、私はまったく知らない本でした。そもそも、小説をあまり読まないので、こころば書店の一文選書がなかったら、手に取らなかったはずです。
こういう「ふつうだったら買わないけど、書店員の工夫によって出逢える」っていうのが、すごく良いですね。
そして、さらに良いと思ったのは、手にとって気がついたのですが、これが中古ということです。「こころば書店さんが実際に読んだ本なのかな」と想像します。定価の8割くらいの価格でしたが、買った側としては、書店員さんが実際に読んだ本ということで価値を感じるし、売る側としても、ブックオフなどに出すよりも高値で売れて良いでしょう。
私の思い違いで、実は、ブックオフなどで安く仕入れてラッピングをし直した、という可能性もありますが、仮にそうだとしても、それはそれで、商売の仕方を工夫されていて素晴らしいと思います。
おもしろかったので、開封の様子はポッドキャストにして、夫婦で収録しました。
近いうちに、こちらの本を読んだら、その感想回もやろうと思います。
※このnoteは、「たいせつなものをたいせつにして生きていく」をスローガンに、福島県郡山市で株式会社エフライフを経営している小笠原隼人が、日々の気付きやできごとについて、毎日更新しています。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※ポッドキャストも毎日更新しています。noteと合わせてどうぞ。