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WEBマーケに興味ある方への採用面談で話したこと。遅いマーケティングについて

数日前、採用面談でWEBマーケティングに興味ある方とお話させてもらいました。そこでは私の考えとして、下記のようなことをしゃべりました。

・マーケティングには、早いマーケティングと遅いマーケティングの2種類がある。即効性のある広告などを使ったものが早いマーケティング。ゆっくりファンを増やすのが遅いマーケティング。

・ゆっくりでも、自分たちが真に価値あると思ったことを発信して積み上げていく遅いマーケティングの量をだんだん増やしていきたい。

・とはいえ、すぐに結果がでない(すぐに売上がでない)ということは、時間やお金の余裕が必要。余裕が増えれば、遅いマーケティングにかけられるコスト、人件費も増やせる。

・バナーのABテストをしたり、数値分析をしたりのマーケティングもおもしろいが、前提として、ちゃんと画面の向こうにいるお客様の気持ちや、自分たちの届けたい想いを起点に考えられないとぜんぜんおもしろくない。

・現状では、早いマーケティングもやっているし、これからも一定やっていく。ただ、即効性の高いマーケティングは、分かりやすい効果効能の訴求や、価格訴求になってしまいがち。そうではない、自分たちの熱量や価値観を伝えるコンテンツ、インタビュー記事や、動画などのコンテンツをゆっくり増やして、じわじわとお客様を増やしていく。それらをうまく組み合わせてやっていく。

・売れそうなものを売るというだけではおもしろいくない。本当に自分たちが良いと思うもの、価値があると思うものを売っていきたい。



そういえば、ここ数日、ポッドキャストで、スープストック新社長の工藤萌さんの話を聞いたのですが、上に書いたような考えと繋がる部分があっておもしろかったです。スープストックは、創業者の遠山正道さんが、マーケティングという言葉が嫌いだそうで、創業以来、マーケティング担当部署がないそうです。

 同社が創業以来、マーケティング部門を設置してこなかったのは、いわゆる数値やデータを基にした「顕在化したニーズ」にとらわれず、顧客と向き合い、自社が提供できる価値を考え抜くことに全集中するためだろう。それもまた、マーケティングのあるべき姿だ。

(中略)

 アーティストは自身の感性によって、自身の気持ちや内面にある“何か”を作品という形で表現する。スープストックが取ってきたアプローチも同様に、市場調査や消費者調査などの結果によって出店場所や商品ラインアップを決めるのではなく、自分たちの意思や会社としてのスタンスを、彼らが「舞台」と表現する店舗や、スープ(作品)を通じて示しているのだ。

日経XTREND:「マーケ部門はいらない」 スープストック、貫く信念と“Twitter騒動”

スープストックさんの姿勢、めちゃめちゃ素敵ですね。


遅いマーケティングをしっかりやっていきたいとは思うものの、「価値が伝わるには時間がかかるから」ということを言い訳に、いたずらに経費を使って、会社を潰しては元も子もありません。

時間がかかることを理解した上で、価値ある発信を続け、拡大していける仕組みをつくること(=長期的な価値創出への投資余力を増やし続けられること)こそが、経営者としての自分の仕事なのかなと思ったりしています。


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小笠原 隼人
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