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「ときおりは《つばめ》」
アンドレ・ブルトン/稲田三吉・笹本孝 訳『ブルトン詩集』(思潮社、新装版1994。元版1974)の、青いカバーの、後ろの方でマックス・エルンストの絵「友人たちの集会」が、黒と、銀色(であると思う)で、印刷されている。この絵の下に、描かれている人たちの名前が、書かれている。——この本に、いくつかの写真もあって、90ページに、ブルトンとエルンストがいる写真。むかしの写真、むかしの印刷が、謎である。——そして、この本で読める、ブルトンが書いたものの1つが「マックス・エルンストの伝説的生活」179~187ページ。その185ページから「あなた方は、琴鳥が色情に悩まされ、シダの間で、擬態の踊りをするのをみたか。それは、感覚的な感動を伴った、果てしなく伝播する唯一の感動なのだ」。同じページから「一羽の巨大な鳥の姿をし、彼は当時、鳥王の名ロプロップ、ときおりは《つばめ》という名をもっていた」