【PMBOK対応】PM試験の知識体系まとめ(#1 統合マネジメント編)
前回:#0 導入編
概要
プロジェクト統合マネジメントとは、各知識エリアのプロセスを相互に調整したうえで、プロジェクトとしての目標の達成を図ることである。
PMBOKの知識エリアの中では比較的後半(9個目)に確立された。
#1.1 プロジェクト憲章の作成
数少ない「立上げ」プロセスに属する。
プロジェクト立上げとは、スポンサーがプロジェクトの存在を公式に承認し、開始させることである。
この立上げに伴って「プロジェクト憲章」が作成され、プロジェクトマネージャが任命される。
プロジェクト憲章に記載する項目の例は以下のようなものである。
・背景/目的
・成果物
・マイルストーン
・予算
・承認された条件(要員・資材等)
・機能等の要求事項
・任命されたプロジェクトマネージャ
・プロジェクトを承認したスポンサー(組織・人物と地位)
スポンサーは、プロジェクト憲章の内容を説明するため、ステークホルダーを招集し、キックオフミーティングを開催する。
#1.2 プロジェクトマネジメント計画書の作成
各知識エリアのマネジメント計画書を定義・作成・調整し、プロジェクトマネジメント計画書に統合するプロセスである。
#1.3 プロジェクト作業の指揮・マネジメント
プロジェクトのマネジメント計画書に基づいていろいろなことを実施するプロセス(以下に例を抜粋)
・計画された成果物の創出
・任命されたチームメンバーの配置、トレーニング、マネジメント
・プロジェクト内外とプのコミュニケーションチャネル確立とマネジメント
・予測を容易にするため、QCDの進捗状況等の作業パフォーマンスデータの生成
・変更要求の提出、承認済み変更の組み込み
#1.4 プロジェクト知識のマネジメント
プロジェクト目標達成と、組織内学習に貢献するための実行プロセス。
組織のナレッジ活用や、現プロジェクトの教訓を組織の知識にするプロセス。
#1.5 プロジェクト作業の監視・コントロール
目標達成のため、進捗を追跡・レビューし、統制するプロセス。
■監視
パフォーマンス情報の収集・測定・配布、プロセス改善の測定結果と傾向の評価
■コントロール
是正処置や予防処置の行動計画立案とフォローアップ
#1.6 統合変更管理
このプロセスは、他の知識エリアで発生した全ての変更要求をレビューし、変更の承認・管理・伝達を行うプロセスである。
■#1.6.1仕様変更手順
プロジェクト進行中の仕様変更は珍しいものではなく、組織のプロセスとして一般的に利用されている。
参考としてよく、使われるフローを以下に掲載する。
■#1.6.2 構成管理
構成管理は、プロジェクトによって生み出された成果物のバージョンを管理し、最新版を維持することである。
詳細は以下の通り。
・対象の成果物
プロジェクトによって生み出された成果物の全て。
「一部は除外する」等の措置は稀である。
・構成管理担当の専任
成果物が常に最新であることを維持するため、担当を選任する。
・構成管理ソフトウェアの導入
成果物の管理がアナログだと非効率で誤りも発生してしまうため、ソフトウェアを導入する。
「リポジトリ」という、プロジェクトメンバが作成したファイルや、その変更履歴を格納できる仕組みを使い、管理するものが一般的である。
・世代管理
構成管理ソフトウェア機能の一部である。
成果物が更新される度に別バージョンとして保持するため、過去バージョンの参照や巻き戻しが容易に行える。
#1.7 プロジェクトやフェーズの終結
プロジェクトを正式に完了させるためのフェーズである。
このフェーズでは、以下の作業を行う。
■プロジェクト完了報告書の作成
記載内容は、例えば以下のようなものである。
- 目標に対する達成度
- 品質/コスト/スケジュールの予実報告・評価
- 実施体制の変遷
- 成果物の一覧
- 今後の課題/教訓/申し送り事項等
■調達した資源の解放
具体的には、業務委託契約の終了や、社内招集メンバーの解放(母体の部門へ戻す)等である。
謝辞
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