LSHTM応募願書
例年11月上旬に解禁される応募フォーム。
ふと見てみたら、2025-26年度分は2024年11月7日(この記事を書いている途中)にちょうど修士課程が応募可能となりました。(なお博士課程は11月頭から応募フォームが開いてました。)辛かった思い出ですが、後進のために可能な範囲で振り返ってみます。
※追記 上記の通り昨年の自分の振り返り中に今年度版が出たので、せっかくだし気付いた範囲で2025年度用の変更点も盛り込んでます。そのせいで若干読みづらいかもしれませんが、取り急ぎスピード重視で書き上げましたのでご容赦ください。
↓ 応募フォームはこちらから ↓
メーリス登録するとフォーム解禁日などが通知されるので、応募年度の夏頃にはメーリス登録をオススメします。便利なメーリス登録はこちらから。僕は応募前のオンライン・オープンキャンパス情報とかでも活用しました。
あと、最近気が付きましたが、LSHTMのFacebookページもリアルタイムに更新されているのでオススメです。実は今年の応募開始はFacebookページから知りました。
いずれにせよこのブログの「留学へのタイムライン」でも述べたように、イギリス系大学院は先着順に審査されるので、気が付くことが大切です。逆に言えば、気付けば十分なので普段から自分がチェックしやすい方(片方)で良いです。そして例年若干の変更があるので(PSの項参照)、早く気付いて早く取り掛かり、早く応募して合格しちゃいましょう!
裏話)僕の場合は心配し過ぎて、毎日、登録フォームはまだかなー?って開いていました。あるとき、ふと記入できることに気が付きつつ、おかしいなーバグかな?とか思ってたら、翌日にメーリスが来ました。僕の手動の方が情報早かったね笑
さて前置きが長くなりましたが、ここから本題です。
内容については、応募フォームの上から順にひとつひとつ見ていくので、今年度分の応募リンク先を照らし合わせながらご参照ください。
裏話)先輩から「2023年度は他大学と同様に500 wordsの志望動機を提出するのがメインだったよ」と聞いていたので、あらかじめ練りに練った500文字をwordに張り付けて待ち構えてました。ところが、2024年度は下記の通りフォーム内容がちょっと変わったので、微修正・書き分けを迫られ、ストレスフルでした。でもやるしかなかった。
なので僕の実際の記録は2024-25年度応募分のフォーマットであることをご承知おきください。とはいえ2025年度用の変更点もお伝えしているし、本質的に大きく変わっている訳ではないので、いち合格者のサンプルとしては鑑賞に値するかと思います。適宜ご活用ください。
このあとが長くなるので、一番言いたいことを先にお伝えしますが、結局は小手先のテクニックよりも
自分の経歴、進学意欲、将来の方向性を論理立てて言語化すること、そして「語れる」熱意を持つことの方が遥かに有意義だし、それこそをLSHTMは評価している気がします。
つまりは、同期の人に「君おもしろそうだね、その話をもうちょっとpubで聞かせてよ」って初対面で言わせることができるかどうか。
正直言うと、自分の医学部時代の方がお勉強面では鬼優秀な人が多かった。記憶力だけで大学受験を生き抜いたはずが、「Ogaは丸暗記が不得意そうだね」って突っ込まれたのは、僕の人生において後にも先にも医学部時代だけです(苦笑)。そういう意味では、LSHTMは僕が驚愕するほどペーパーテスト的に頭いいっていう人ばかりではありません。
しかし多様性や熱量に関しては、これまで所属したあらゆる団体の中でも桁違いで震えっぱなしです!逆に厳しいことを言うと、LSHTMの学生にはそういう自分の興味を、将来の夢を、きちんと「語れる」人しか選ばれないということかもしれません。
追記)昨年度からの変更点
一通り見た感じとして、大きく2点です。
① 新規項目としてAgent detailsが追加されたこと
② Personal Statement(PS)の設問が改変されたこと
下記の補足と完全に重複するので、先にAgentについてだけ説明します。PSについてはPSの項目で言及しますので、各項目別に読み進めてください。
留学エージェントについて
気になったのでこの公式エージェントとやらについて調べてみました。Fatehはインド系、IDPは全世界的に(ただし日本支部はなさそう…?)、SI-UKは日本のみたいですね。応募労力を減らすためにエージェントを使うなら、個人的には日本語以外で相談するのは本末転倒な気がしますが。ちなみに非公式エージェント欄は自由記載でした。
これらがどれほど選考に影響するのかは知りませんが、少なくとも今年の同期は自力応募で合格している人の方が多いです。冒頭に述べた通りです。
エージェントについては、以下の補足に戻りますね。
補足)情報収集~応募~合格後の手続きを含めて初めてのこと、かつ、慣れないビジネス英語。全てにおいてストレスは大きいです。僕は幸い、ひと学年上に大学の先輩がいて相談に乗ってもらえたこと、出願校を絞っていたことなどから、なんとか自力で走破しました。
一方で複数校を併願するならば、留学エージェントを利用するのも一手です。志望動機の作成や英語相談に乗ってくれるだけでなく、応募手続きも手伝ってくれるらしいです。僕は2023年6月頃に、自分の方向性が大きく逸れていないかの確認や併願校の更なる情報収集をするために、SI-UKの初回無料相談のみ使用しました。なおSI-UKはUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)に公式出願窓口を持つ唯一のエージェントということで、LSHTM(同じロンドン大学系列なので)を含めた情報網に期待して相談しました。一応SI-UKのリンクを載せますので参考までに。
とてもご丁寧に対応頂きましたが、ネックなのはその値段です。料金プランが大学別に異なり、Oxford・Cambridge・LSHTM・LSE・UCL・Imperial Collegeなどのトップ名門校を含めたサービスだと約30万円!と言われて躊躇しました。またSI-UKはイギリスに特化しているので、英米とも併願する方には不向きです。
他社もいくつかありますが、概ね似たような感じで世知辛いですね。合格に向けてという本質と離れる気がしたので、30万円あったら在学中のヨーロッパ旅行に使おう!と自力で行く覚悟を決めて笑、他社は見積りも含めて相談しませんでした。
正解はありませんし、必ず合格するなんて方法も存在しないので、お財布事情と時間的・心理的余裕と情報収集の労力とを天秤にかけて、ですね。
(※繰り返しますがCOIはありません、客観的事実と僕の感想として記載しています。僕は有料サービスは使っていません。)
応募前の準備
パスポート:顔写真ページをスキャン
大学の成績証明書、学位証明書(英語で):自大学から英語版で発行・取り寄せして、スキャン
CV(履歴書)
IELTS(基準点に達していなくても、とりあえず応募までは可能!):スキャン
Personal Statement:PSの項で言うメインPSの作成
推薦人の確保、推薦状の内容打ち合わせ
あとは当たり前ですが、
強い心、溢れる熱意 ← 繰り返しますが、一番大事!!
英文として論理的に言語出力する能力:英語力に自信がなくても、エージェントに添削してもらう、留学経験者・ネイティブレベルの英語力の方に見てもらう、AIに微修正してもらう、などを組み合わせて。
進路相談に乗ってくれる人:志望校の卒業生・在学生か、少なくとも受験経験のある方
※逆に応募時点では不要だったもの
医師免許(記載は日本語だしね笑):職歴でバリバリ臨床経験を書いたけど、特に要求されませんでした。
残高証明書など、貯蓄額を証明する書類
奨学金の合格証明書
応募の実際
Program Details
学科の選択希望のこと。
LSHTMは下記リンクの通り、入学時点から学科が細かく分かれています。2024年度は、ひとつの応募で2学科まで同時に応募可能、かつ、志望動機などはどちらの学科にも相応しいように言及せよ、という指定でした。
また第一志望の学科から必ず優先して選考すること、応募後の希望変更は可能だがその場合は最初の合格条件は破棄されること、などが書かれていました。
同期を見る感じ、単願も複数併願も混在している感じでした。意外とざっくりしてるんだーって応募のときから思ってたし、入学してからも節々に感じます。笑
Personal Details, Nationality, Contact Details
名前、生年月日、国籍、パスポート番号、現住所と留学中に連絡可能な住所を提出します。
English test record
IELTSの点数を手入力していきます。
有効期間は二年間です。応募時に期間内であれば受理されますが、結局入学時を含めて有効期間の範囲に入っていないと、後々のVISA申請で引っ掛かります。なので「留学へのタイムライン」で述べたように、応募年の前半に基準点をクリアしておくのがオススメです。
英語力に自信がない人でも、とりあえず受けるだけ受けておきましょう。基準(各6.5以上かつOverallで7.0以上)を満たさなくても応募するだけしてみて、条件付き合格をもらえたらあとはIELTS受け続けるだけ、という戦略で合格した同期がいるので。ただし最後の0.5点を巡って当時めちゃくちゃ病んでたし、何より大学生活に困るので、オススメはできません。
Education Record
僕の記載例として、医学部卒なのでType: Bachelors, Subject: Medicine, Startは入学年の4月1日, Endは卒業証書の日付に合わせて、記入しました。
Expected resultは良くわからなかったので、Graduated/GPA:〇〇、と書きました。正解かはわからないけど、これで特に問題なく合格しました。
Employment record
これは真面目に書くとめちゃくちゃ時間がかかります。特に僕は医局人事で転勤を重ねているので、各々の在任期間・職務内容・勤務先住所・雇用主(着任時の病院長で統一しました)を全部まとめ直すの、面倒だったなあ笑。先にCV(履歴書)を作っていたから、要所要所は照らし合わせながら無心で打ち込んでって感じでした。が、職歴は臨床で(応募当時)5年間費やした自分のアピールポイントだと思い、丁寧に書きました。
僕の小児科・後期研修先としては、大学病院・都心部の二次救急病院・地方部の三次救急病院・NICUとローテートしました。これは自分の中でのキャリアとして意図的に希望したものだったし、だからこそ各々の役割が明確で書き分けやすい組み合わせだったと振り返ります。
Personal Statement
もう大見出しにしても良いくらい、応募における最大の山場です。
大事なのでスクリーンショットでぼやけないよう、前置きと設問をそのままコピペします。
前置き:
ざっくり意訳ですが、要旨としては、
① あなたの熱意、経歴はどのように学科の方向性と合致するのか。
② 学科で得られる能力は、あなたのキャリアプランにどのような形で影響するのか。
③ 学科の募集要項を熟読し、応募要件(数学や職務経験など)を適切に満たしているか。
④ 複数学科を志望する場合、応募理由などは両者ともに適合するよう記載せよ。
これらを下記の4つの設問に、200 wordsずつで随所に散りばめてアピールしていく作業になります。なお今年から、生成AIの使用禁止が明記されましたね(時代を感じます笑)。
設問:
Personal Statementを作るにあたって:
多くの方は他大学と併願することでしょう。なので、まずは核となる、一通りの内容を盛り込んだ500 wordsくらいのPersonal Statementを作りこむところから始めましょう。(以降はこれを“メインPS”と表現します。)
LSHTMに関して言えば設問が小項目に分かれて、その分単純計算して200 * 4 = 800 wordsまでアピール材料が増えます。もちろん多少は被りつつも、メインPSからどの部分を抽出し、少し盛り付けて整えるか、を考えることになります。
今年(2025-26年後応募用)は昨年(2024-25年度応募用)と設問が異なるので、来年以降も設問が変更される可能性は高いです。やはり応募開始を把握し、求められる内容をきちんと確認して、いち早くメインPSからの切り分け作業を始められるとスムーズです。僕の場合は、11月頭の募集開始ですぐ作業に取り掛かれたので、奨学金面接対策で途中一週間くらい中断しつつも、11月末に提出できました。
※ ただし昨年と比べて設問が洗練されて圧倒的に書き分けやすくなっています(というか昨年がヒド過ぎて問い合わせが殺到したのではないかと、勝手に想像してる笑)。なので来年度以降でLSHTMを本命に考えている方は、夏~秋にかけて、前年の形式で一旦は一通り準備しておくと、応募過程を知る意味でも良い練習です。準備まではいかなくても、目を通しておくことを強くオススメします。
Funding details
昨年は自由記載だったので、選択肢に応募中という欄ができて選びやすくなりましたね。こういうのも少しずつ改定されていて嬉しいです。
とりあえず11月頭時点で多くの奨学金は選考中です。それを良いことに応募したものをたくさん書くだけ書いておきました笑
奨学金を獲得していると合格に近づくという巷での噂を聞いたことはあります。しかし繰り返しますが11月の出願時点で合格まで出しているものはあまり存在せず、出願後にも大学から奨学金獲得に関する一切の問い合わせがなかったことを考えると、少なくともLSHTMにおいては評価基準として薄いでしょう。
Supporting Documents
準備の項でも記載した通りの応募書類なのでサラッと流しますね。
補足)
EU圏に観光VISA以外で訪問したことがあれば2番目のVISA関係書類が必要になりますが、多くの人は関係ありません。
CV(履歴書)については、また別日に書きますね。
academic transcriptとは学業成績証明書のこと(解剖学:優とか3点とか書いてあるやつ)
医師免許証は日本語だし提出してませんし、要求もされませんでした。
僕は①パスポートスキャン ②CV ③医学部の英文成績証明書 ④医学部の英文卒業証明書 ⑤IELTSスキャン ⑥メインPS(せっかく作ったし悔しかったから、なんちゃって出してみた。絶対に要らない笑) を提出しました。
(注:④ → 合格後に、卒業証明書に医学部卒業という文言のみで「学位」が記載されていないので、改めて学位証明書が必要と言われました。時間に余裕があれば、大学の卒業証明書に学位が明記されているか、なければ学位証明書を発行してもらえるか確認しましょう。なければ上記の通り、卒業証明書でなんとかなりました。こんな感じで全ての過程が日本では考えられないほどの雑さをはらんでいるので、問い合わせが来てもうろたえずにきちんとコミュニケーションを取ることが大切です。)
Equal Opportunities
簡単なアンケートです。
①情報源 ②人種 ③性認識 ④宗教 ⑤犯罪歴 ⑥心身の健康状態、特別なケアの必要性
開示しないという選択肢もありつつ、日本人であれば多数派には入いらない項目が多いので、多様性のためにも不利になることはないだろうと一通り回答しました。
合格者のPS一例
上記まで丁寧に見てきたので、海外大学院進学というチャレンジを応援する、情報を共有するという本ブログの趣旨は十分に達成できていると思います。
ここから先は僕のPS(①500 wordsのメインPS、②LSHTMに実際に投稿した設問毎の書き分け という2種類を、意識した点をコメントしながら)お見せしますが、完全に僕の個人情報を含むこともあるので有料記事とすることをご承知おきください。とはいえエージェントで30万円かかることを考えたら法外な値段ではないと思っていますし、内容の充実度は、本ページを含めたこれまでの僕の記事を見て、またこの先の文字数と併せて判断してくだされば幸いです。
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