離婚の理由なんて説明できない
「何で離婚したんですか?」
私は長年、美容系の接客業をしていたので
お客様の恋愛事情をもう浴びるように聞いてきました。
友人や家族には言い辛い話を程よい距離感の相手には意外としやすいようで、初めて会った人から急にディープな話を聞くこともあれば、毎月会う方のマッチングアプリコンサルみたいなことにもなっていました。(アプリやったことないけど)
何度かお客様から、実は離婚歴があった告白を受けて
「話せる範囲で大丈夫なんですが、離婚された理由は何だったんですか?」
と、質問をしたことがあります。なんと卑しい質問…
皆様優しく教えてくれましたが
色々な事情をイチから丁寧に教えてくれる方や、
なんて言えばいいかわからないけどお互い冷めたという方や、
はたからみたら素敵な旦那さんに感じる行動を挙げて「私はそれが嫌いだったんですよね」と。
割とぼんやりした答えが多かったのです。
(もちろん赤の他人に全部をさらけ出さないのは当たり前なのですが)
その時の私には難しすぎたけど、今ならそのぼんやりの加減が嫌というほど分かります。
その背景には夫婦にしか分からない”色々”が日常にあって
その”色々”は誰に説明しても理解してもらえないし、いや理解してもらいたいわけでもない。
ましてや、その”色々”を否定されたりするのも面倒くさすぎて何とも説明できないものだなと、離婚してみた私は思いました。
その色々を何とか人に伝えるとしたら、の
最たるものが「価値観の違い」
彼から不倫も平手打ちも経験したけど、それだけじゃない。
私はそれで束縛もしたし携帯も見た。モラハラもした。
でもそれだけじゃない。
私は元旦那に全く思いやりを持てなくなったから振られました。
35歳にもなって一番大切にしたい相手を大切にする方法が分かりませんでした。
そんなことがあったらむしろ別れるのが普通とか、振られて正解とかそういうことではありません。
お互いが別れない選択をしているなら、その中で如何にお互いが気持ちよく過ごせるかを模索し続けなければなりません。
そんなの当り前と思うと思いますが、日常ですり減り続けると相手のせいにしてくてたまらなくなってしまうものです。
そして大抵の場合、相手はそれに気付いていません。逆もしかりです。
何事も始めることよりも終えることよりも、継続することが本当に難しい。
でも、継続できなかったからこそ分かることがあります。
本当に人生に無駄なことは無い。
失敗や後悔ではなく経験として捉え、少なくとも同じような気持ちになっている人や辛い経験をした人にこの先出会ったら、思いやりと多角的に見る想像力を持って話を聞いてあげられる人になりたいです。