私の旅立つその日には
青くひたすらに青く
どこまでも続く空であれ。
別れの挨拶など不要である。
出来れば集って欲しくないのだ。
意識だけの存在となれたなら、
君の傍へ行くなどは、きっと造作もないことだろう
認識もなくただの無が拡がるばかりなら
尚のこと良きである。
ただあなたの傍に漂って
あなたを感じていられるだろう。
君は私が見えないと泣くだろうか。
あなたは私が聞こえないと、あちらこちらで呼ぶだろうか。
只々、その場で身をゆだねて欲しいのだ。
私はそこにいる。と、伝えてから旅立たねば。
見上げて欲しい。
どこまでも続きそうなあまねく美空に
私はいて、あなたがいるということ。
ただそこに君は存在する。
有形でも無形でも
ただそこに身を委ねれば
私もそこに在るということ。
君と私の間には
それで充分ではないか。
いとしい人よ
私の旅立つその日には
酷なお願いかもしれないが
どうか笑って見上げててくれないか