The Pod Generation
12月1日は映画の日
ということで久しぶりに映画館に行きました
今回選んだ映画は
『ポッドジェネレーション』
卵型の人工の子宮での妊娠を選択した夫婦の話です🤰🫃
なんともイマドキというか、
今までになかった斬新なテーマですよね。
女性の社会進出が進み
リプロダクティブライツが重視される昨今、
かなりホットな内容なんじゃないかなと思います。
今まで女性だけが担ってきた
妊娠の大変さ、つらさを夫婦で等しく共有する
みたいな話かな想像していたのですが、
この映画には、もうひとつテーマがあるように感じました。
それは、テクノロジーとの付き合い方です。
この映画で描かれるポッドでの受胎が可能となった未来では、あらゆることがAIによって制御・管理されています。
人々が求めるのは効率。
最新テクノロジーを駆使したAIによる客観性と的確なアドバイス。
もはや人間同士の人情あふれる"ナチュラル"な関係など存在しません。
そんな中で人々は時折”nature pod”と呼ばれる"人工的な自然"に安らぎを求めます。
自然を放棄しておいて、結局自然を求めるんかい!とツッコミを入れたくなりますね。
主人公の夫婦は結局、都会に存在するアーティフィシャルな自然ではなくて、本物の自然を求めて田舎に逃げるのですが、
これは今の世の中を皮肉っているようにも思えました。
テクノロジーは日々進化し、
AIはますます発達しています。
あらゆるものが自動化され、便利になってゆきます。
最近も「スマート〇〇」みたいなものが
どんどん増えていますよね。
テクノロジーは人間の暮らしを豊かにする。
もちろんその一面もあると思います。
しかしその一方で、あらゆることがビジネスに利用されていきます。
映画の中のポッドもそのひとつ。
お金を払って時間や労力を省く時代なのです。
人々はどうしてそんなにスマートであることにこだわるのでしょうか?
どうしてそんなに生き急ぐのでしょうか?
時間と手間をかけてこそ芽生える愛おしさもあるというのに。
この映画は現代のテクノロジーによる人工物の進化と、それに伴って失われた自然物を求める人間、そしてそれをこれまたテクノロジーを使ってビジネスにする企業、増え続ける人工的な自然…というカオスな現状を皮肉っているのではないでしょうか。
側から見れば滑稽ですが、今も世界はその方向に進んでいると思うとぞっとしていまいます。主人公の夫婦が田舎に逃亡したくなったのも納得。
とにかくこの映画を見て、わたしはもっと自然に触れたくなりました。多少不便でも時間と手間を惜しまないようにしたい。テクノロジーとビジネスの歯車に巻き込まれたくない。そう思いました。
この映画のような未来が来るかはわかりませんが、わたしたちはこれからもテクノロジーとうまく付き合ってゆきたいものですよね。
それにしても、リプロダクティブライツや子育てという点ではとても興味深い映画でした。
胎児は通常女性の子宮の中にいるものですから、男性も女性も同じように自分の体から切り離された胎児に常に気を遣っていなければならない状況というのは想像がつきません。
でも本来、胎児は2人の体の一部からつくられた生命であるのであるので、2人が等しく気を遣うべきであると思うのです。
ポッドで子育て。
倫理的なことは置いておいて、コンセプトとしては面白いのではないでしょうか。