ofumiso

ひっそりとそこにあるもの

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ひっそりとそこにあるもの

最近の記事

秋の夜長、キャンドルの火を見ていたら、 久しぶりに無性に文章を書きたくなりました。 火はわたしたちにとても身近でありながら、 神秘的なエレメントであり、 わたしは幼い頃からとても魅力的なものに感じています。 生命を象徴するのもでもあり 死を象徴するものでもある。 人間に安らぎもたらすものでもあり 恐怖をもたらすものでもある。 文明の発展に寄与したものでもあり 神話では世界に終焉をもたらすものでもある。 ファンタジー物語においては 善として登場することもあれば 悪とし

    • Poor Things (2)

       この映画の大胆な性的描写は、どこか清々しく、いやらしさを感じない。映画の大部分を占める過激なシーンを見るに耐えるのは、全体を通して、恋愛感情とセックスが切り離されているからではないだろうか。  ベラはただ快楽を得るために、楽しむために、あるいは金のために、自らの選択でセックスに及ぶ。逆にベラが恋愛感情をもってその行為に及んでいると想像すると、そのシーンの意味合いはガラリと変わってしまう。もしかしたら彼女はセックスがしたいわけではないけれど、彼のことが好きだから…という消極的

      • Poor Things (1)

         映画『哀れなるものたち』を観てから思考が止まらないので、とりあえずここにつらつらと書き記します。  ミソジニックな男性が理想の女性に期待するものとして、「純真」「無垢」「処女」などのイメージがある。しかし、本当の意味で少女が無垢に育ったとするならば、ベラのように成長するはずである。彼女の世界への好奇心は純真そのものだ。彼らの言う無垢とは理想に過ぎない。  自分を縛りつけ、所有しようとする男たちを、ベラはその純真無垢な好奇心で振り回し、蹴散らしていく。その様は実に爽快だ。

        • The Pod Generation

          12月1日は映画の日 ということで久しぶりに映画館に行きました 今回選んだ映画は 『ポッドジェネレーション』 卵型の人工の子宮での妊娠を選択した夫婦の話です🤰🫃 なんともイマドキというか、 今までになかった斬新なテーマですよね。 女性の社会進出が進み リプロダクティブライツが重視される昨今、 かなりホットな内容なんじゃないかなと思います。 今まで女性だけが担ってきた 妊娠の大変さ、つらさを夫婦で等しく共有する みたいな話かな想像していたのですが、 この映画には、も

          役に立たないこと

          「人の役に立つことをしなさい」 わたしが子どもの頃から母にしつこく言われていたことです。 なぜならわたしはくだらないイタズラが大好きな子どもだったからです。 夜のうちにバナナに爪で傷をつけて、朝になると絵が浮かび上がるように細工したり 夕食のお豆腐に凹凸をつけて醤油を垂らすと綺麗な幾何学模様になるようにしたり 父の夕食を、芸術家にでもなった気分で 面白おかしく盛り付けたり 父と母が目を通す前の新聞や広告にこっそり落書きしたり 姉の学校のカバンにぬいぐるみを詰め込

          役に立たないこと

          深みにあるものをすくい上げることば

          はじめまして。ofumisoです。 今日はわたしがこのnoteを始めるに至った 経緯をお話ししたいと思います。 わたしは幼い頃から本が好きでした。 特に、空想のお話が。 紙のインクの重なりの中に こんなにもわくわくするような世界が 詰まっているなんて! まさに今机の上にある この閉じた本の中に わたしの知らない世界が広がっているなんて! そんなことを考えるだけで 大人になった今でもわくわくします。 そんなわたしは、文章を書くことに 強い憧れがありました。 自分で

          深みにあるものをすくい上げることば