あなたへ
おだんごさんの、こちらの企画に参加させていただきます!☺️
あなたへ
あなたと出会ったのは、16歳の、春でした。
真新しい制服に身を包み、そわそわしていた教室の中で、あなたと出会いました。
あなたの第一印象は、「みんなの人気者」。
まだまだ距離感をはかりあぐねているクラスの中で、あなたのまわりには、すでにもう、にぎやかな陽だまりができていました。
それを教室のうしろのほうから見ていたわたしは、なんとなく、
ああ、あの子とは住む世界がちがうなあ。
と、思ったことを覚えています。
それがまさか、出会ってから今のいままで、ずっと一緒にいることになるなんて。
あなたがわたしと仲良くなってくれたのは、たしか、16歳の、夏にさしかかる前でした。
わたしたち、その頃から、この年になるまで、同じ時間を重ねることになるなんて、思ってもみなかった。
人の縁は、ふしぎです。
わたしはかみさまに、感謝しています。
あなたがわたしと仲良くなってくれたきっかけは、「音楽」でしたね。
「文化祭で、いっしょにバンドやらない?ボーカルやってくれない?」
と、声をかけに来てくれたのでした。
「音楽をやる」ということ、それが、自分の人生をかけてやることになるなんて、これもまた、そのときは思ってもみませんでした。
あなたと見た、体育館のステージからの景色、最高でしたね。
わたしはあのとき、
ああ、表現するって、なんてたのしいんだろう、
と、味をしめてしまったのかもしれません。
それも、あなたがわたしにくれた「プレゼント」です。
ほんとうに、ありがとう。
「高校を卒業してからも、音楽を一緒にやろうよ!」
と、あなたは言ってくれました。
わたしとあなたは、一生懸命に、音楽をやりましたね。
途中で最高のメンバーも加わって、わたしたちは、さらに最高になりました。
右も左もわからないまま、がむしゃらに、熱意をもって、ケンカも大げんかもたくさんしながら、10年間、音楽に打ち込みましたね。
ライブハウスのステージから、屋外施設でのステージから、あなたと見た景色は、最高でした。
どんな場所でも、あなたと表現することは、最高でした。
悔しい思いも、悲しい思いも、つらい思いも、たくさんしたけれど、その10年を駆け抜けられたのは、紛れもなく、あなたがいたからです。
あなたがいたから、わたしの人生は、走り出しました。
そして、納得がいくまで、走り抜けることができました。
ほんとうに、ありがとう。
そうして今も、あなたはわたしの隣にいてくれます。
人の縁はふしぎですね。
ここでもまた、わたしはかみさまに感謝しています。
社会にうまく溶け込めないわたしを、あなたは否定しなかった。
わたしが泣いてもわめいても、あなたは、大丈夫、なんとかなるよと、肩をたたいて、ときには抱きしめてくれました。
それがわたしにとって、どんなにか安心できる「お守り」になっているのか、あなたは想像できないと、思います。
わたしは、家族にも言えないことを、あなたには、伝えることができました。
それが勇気のばねとなって、ずっと言えなかった気持ちを、家族に伝えられるようになりました。
わたしが家族を愛する気持ちを捨てずにいられたのは、あなたがわたしに愛を注いでくれたからです。
思いやりという名の愛情を、たっぷりと注いでもらえたわたしは、この世界をきらいにならずに、すみました。
でもあなたは、こうも言います。
「わたしにだけ依存するのはよくないよ。自分の気持ちを大事にして、自分の意思を大事にするんだよ。」
と、わたしがひとりの人間として、きちんと立っていられるように、促してくれます。
いま、わたしは、少しずつ、あなたがくれた思いやりを胸に、社会という世界に、再び足を踏み入れています。
一度は混じり合えた「社会」から、転がり落ちてしまったとき、やはりそのときもまた、あなたはそばにいてくれました。
いま、もう一度挑んでいる社会に対して、おっかなびっくりでわたしは手を差し出しています。
そしてそれを、あなたが応援してくれているのを、わたしは知っています。
わたしは、あの春の日から、今日この日まで、あなたと共にしてきた時間を胸に、がんばろうと思っています。
そして願わくばこれからも、あなたとともに、歳を重ねてゆきたいなと思っています。
だってわたしたちはもう、家族みたいだって、思っているから。
いつかいろんなことを忘れてしまっても、たとえそのときあなたがとなりにいなくてもわたしは、あなたのことを、覚えていたいな、と思います。
あなたへ。
わたしと出会ってくれて、ありがとう。
今日もとなりで笑ってくれて、ありがとう。
プレゼントは、D賞を希望します^_^
投げ銭?みたいなことなのかな? お金をこの池になげると、わたしがちょっとおいしい牛乳を飲めます。ありがたーい