90年代洋楽ロックアルバム30ランキング
ひとつのアーティストにつきアルバム1枚と限定。ランクはアーティストの順位とニアリーです。
1.Radiohead – The Bends
このアルバムは大学合格と同じぐらいの頃(オウムがメディアに登場した頃だ)に買った。新たな生活のスタート。聴くと大学時代を過ごした仙台を鮮明に思い出す。
今聴くと強烈にロックな感じ。凄まじいカタルシス。同じギターロックの土俵でこれと匹敵するアルバムはこの後出ていない。文句無く代表作。捨て曲無し、ギターロックのお手本だ。
2.Blur – Modern Life Is Rubbish
シングル「フォー・トゥモロウ」にやられた。当時高校生の俺は、フック満載、こじゃれたメロに魅了され、ビデオクリップのロンドンな感じにもKOされた。「BLURになりてえなあ」って思った。自分のライフスタイルの指標になった作品。
「パークライフ」「グレイトエスケイプ」も良いのだが、自分に与えた衝撃はコレがダントツ。ブリットポップの始まりのアルバムで、真打ちだ。
3.Nirvana – Nevermind
リアルタイムで体験できて良かった。当時高校か中学生の俺はTVKのビルボードのチャート番組を毎週録画して何度も観ていたのだが、チャート下位の頃から、「異質なものが登場したな」と思った。「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」よりも、セカンドシングルの「come as you are」の方がロック的でかっこいいと思った。しばらくインパクトを確認した後、「これは俺らの音楽だ」と判断し、少ない小遣いをnevermindに費やすことに決めた。
まずバンドと曲が凄い、更に熱のある演奏を切り取ったプロダクションが素晴らしい。この点はビートルズと同じ。ロック初心者の当時の俺でも、凄さはすぐに分かった。
このアルバムの10年後のカートが見たかったな。
4.Tortoise – Millions Now Living Will Never Die
このアルバム、フラフラになるまで呑んだ夜に友達の部屋で聴いたのが最初。音が立体的に聴こえた。最高にサイケな体験だった。
トータス、2005年のメタモでの凄まじい演奏は未だに衝撃的(最前線で観たが、ジョン・マッケンタイアがドラムを叩くたびにスティックがスロウになりスティックの破片が舞うのが見えた)。
この先、もはやこれ以上のロック体験ができない感じすらしている。
5.Beck – Mellow Gold
このアルバムを買った日、高校の学祭の飾り付けをしてる最中に誰かが高い所から落っこちた。
ベックには素晴らしいアルバムが何枚もあるが、やはりこのアルバムのインパクトはダントツ。良い曲が多い。
田中宗一郎のROでのレヴューのタイトル「この先行き止まり」ってのが凄く印象に残っている。当時の閉塞感を見事に音にした作品だ。時代のサントラ。
6.Elliott Smith – Either / Or
映画で使われた「say yes」を筆頭に名曲オンパレード。
ドラッグの狭間で揺れるギリギリの歌声が他のアーティストを圧倒的に凌駕している。90年代最高のメロディーメイカー。
亡くなってから聴き難くなってしまったのは、あまりに直結するリアルな歌声のせいだ。
7.Weezer – Pinkerton
このアルバム、まずリヴァース・クオモのパーソナリティが語られがちだが、デイヴ・フリッドマンとバンドによる圧倒的な音の迫力と、キャリアの中でも際立っているメロディ・アレンジの良さをもっともっと評価すべき。この後のWEEZER、軽い作品ばかり(悪くないけど)なのは残念だ。
8.Frank Black – Teenager Of The Year
ピクシーズについては全く知らなかった。「王冠を被り花束を持ったデブ」という圧倒的なジャケットに魅了され高校3年の頃購入。
回転しながら転げ落ちつつポップメロディーを決めるアルバム2曲目「Thalassocracy」、あっさりしたアレンジでメロディーを強調した7曲目「Headache」。この2曲だけで常人はお腹一杯。しかしフランクの巨体は、その程度では満腹にならない。アルバム1枚22曲、全速力で最高のポップチューン、もっと喰え!!って感じだ。多種多様の曲調でアルバム一枚飽きずに聴ける。全てのリスナーを包む包容力を持っている。
ピクシーズ時代からの彼の特徴であるSF的(デビッド・ボウイっぽい)コード進行は健在。だが、ピクシーズの重さは無く、レイドバックした雰囲気が80年代からの彼のファンにとっては物足りないかもしれない。でも、俺にとってのフランクは,ピクシーズでは無く、このアルバムだ。逆に言えば、俺にとってのピクシーズとは「王冠被ったフランクのバンド」だ。
9.Red Hot Chili Peppers – Californication
レッドホットチリペッパーズに関しては略し方にいろいろある。①レッチリ②チリ・ペッパーズ③チリペ④レッホ。現在では②が主流のようだが、ブラッドシュガーの頃から聴いてる人間にとってはどう考えてもレッドホットチリペッパーズの略称は「レッチリ」。だって、みんなそう呼んでた。
これだけのビッグネームなのに、トゥーマッチな音になっていないところが非常に良い(この次の「BY THE WAY」はちょっと音が多すぎる)。
リズム隊の音数多めな息の合ったグルーヴ、それに対して我が道を行く復帰したジョンのギター。弾けなかったのかもだが、シンプルなプレイが多い。この不整合が堪らない。「スカーティッシュ」は最上の形だ。
うまい具合にバンドの運命とリリースのタイミングがあった、90年代の「ホテル・カリフォルニア」的名盤。
10.Primal Scream – Screamadelica
バーズ系のギター・ポップやガレージ・パンク等、スタイルを行き来していたプライマル・スクリームが、アンドリュー・ウェザオールと組んで辿り着いたクラブシーンを反映した純度100%のサイケアルバム。脳味噌が溶けるようなサウンドと刹那を感じるメロディでシーンを越えて支持された。
フリッパーズ・ギターなど日本のミュージシャンにも大きな影響を与えた。
11.Tom Petty – Wildflowers
94年。リック・ルービンプロデュースのソロ2作目。重心の低いリズムをベースに、トムのソングライティングが冴えまくる。トムの作品で1枚選べと言われたらコレ。ロックの楽しさがぎゅっと詰め込まれた傑作。
12.Vanessa Paradis – Vanessa Paradis
当時、渋谷系とリンクする形で盛り上がった(そこら中で鳴っていた。)今となっては隠れた名盤。前歯の隙間が特徴のヴァネッサ、歯を磨くのが簡単だっただろう。
レニークラヴィッツの大傑作としてもしっかり評価すべき。ぶっちゃけレニー自身のアルバムよりクオリティが高い。自分の作品じゃないからベタなロックの引用が出来た、それ故の傑作だと思う。この後、ヴァネッサはジョニー・デップと結婚するが別れた。今や娘の時代だ。
13.Oasis – (What's The Story) Morning Glory?
このアルバムを外すわけにはいかない。
今聴いてもroll with itの出だしのポコポコドラムとか、some might sayの魅惑的なメロディーは心を揺さぶる。
MTVを見ながら引きこもっていた時期があって(冬。雪もあったし寒かったし。)、頻繁にワンダーウォールが流れていたことをよく覚えている。
ビートルズの後継者的に語られることが多かったが、「どこが?」と思う。ロクセットとシューゲイザーとピストルズの混合だ。
14.George Michael – Listen Without Prejudice Vol. 1
このアルバムが出た頃、中学生の俺はジョージ・マイケルのパーソナリティを全く理解していなかった。だが、先入観を抜きに、アルバムを楽しめたし最高の一枚だった。
一曲目の「praying for the time」の衝撃はとてつもなかった。鳥肌がたった。リアルタイムでの90年代は、このアルバムから始まった気がする。以降の彼の混迷は想像できないほど素晴らしい作品だ。
15.R.E.M. – Out Of Time
16.Fatboy Slim – You've Come A Long Way, Baby
17.The Flaming Lips – The Soft Bulletin
18.The Posies – Frosting On The Beater
19.Hayden – Everything I Long For
トロントのシンガーソングライター。ローファイの中で最も純度の高いメロディーを持ったアルバム。往年のフォークシンガーのようにしゃがれているけど、なんか艶のある歌声も堪らない。これを聴きながらウィスキーを飲むといろんなことがどうでもよくなってくる。
「ネガティヴ万歳」だった90年代を象徴する一枚だと思う。
20.Guns N' Roses – Use Your Illusion I
15歳16歳の少年には凄く眩しかった。「なんだか良くわからんがすげえかっこいい」って。アクセルのタンパンとか意味わかんなかったし。汗臭そうなスラッシュ、小太りのベース(その後減量)、唯一の良心(に見えた)イジー。
ビデオクリップもアホみたいに金がかかってそうな感じで単純に「すげー」ってなってた。
重心が低いサウンドが時代を越えてかっこいい。そして一曲ごとのクオリティと込められた圧力がめちゃくちゃ高い作品だ。
21.The Verve – A Northern Soul
22.Kula Shaker – K
23.Belle & Sebastian – The Boy With The Arab Strap
24.The La's – The La's
25.Various – If I Were A Carpenter
26.Mogwai – Come On Die Young
27.AIR French Band* – Moon Safari
28.Super Furry Animals – Radiator
29.Foo Fighters – Foo Fighters
30.Lenny Kravitz – Mama Said
クラシックロックの帝王。
90年代初期は中高校生だったのでチャートものに凄く興味をもってた。その中でもガンズやニルヴァーナ、ジーザス・ジョーンズあたりの「当時の」若手が好きだった。
レニクラもその流れで聴いた。「it ain't over・・・」を聴いたときは「かっこいい!!」鳥肌がたった。MVの色使いとか。
アルバムも捨て曲無しで抜群の完成度。「ソウルを経過したジョン・レノンがツェッペリンをバックに演奏している」という感じのトーンで統一されている。