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意見の割れる問いは、価値観のリトマス紙

先日、ちょっと燃えやすそうな話題を書きました。「お金持ちほどいい人が多くて、貧乏人ほどクレーマーな現実」というnoteです。

もちろん、なるべく無駄に人を傷つけないように言葉は選びました。慎重に何回か読み直しもしてから出しました。

とはいえ、やはりこれを読むと心がザラつく人もいたようです。

感情的な誹謗中傷こそほとんどありませんでしたが、賛同できないというご意見や、意地汚いお金持ちもたくさんいたという体験談、お金持ちは貧乏な人を下に見ているからこそゆとりを持てるのでは?というご意見もいただきました。

個別に回答しているのでここでは書きませんが、一方で「まさにこれだよね!」や「この通りだと思う」というご意見も多かったです。

意見は割れるけれど、口を出したくなる内容、というコトなのでしょう。


きわどい設問は試験紙にもなる

ここで少し視点を変えて、俯瞰してみましょう。

今回の問いは「お金持ちほどいい人が多くて、貧乏人ほどクレーマーな現実」というタイトルからの「お金のゆとりが心のゆとりになるのか?」という点です。

これについてのアンサーはYes or Noの二択です。

Yesだと、お金のゆとりがある人物 or お金のゆとりがある人物からある程度のいい思いや恩恵を受けている人物 ということが推測できます。もしくは、逆にお金のゆとりのない人物から嫌な思いをさせられた人でしょう。

Noの場合、お金のゆとりがない人物 or お金のゆとりがない人物から恩恵を受けたり、そうした清貧思想や行動のできる人に感謝や尊敬の念をいだいている人物でしょう。もしくは、お金のゆとりがある人物から嫌な思いをさせられた人の可能性が高い。

つまり、どちらの回答を選んだとしても、反応することで一種の価値観のスクリーニング=選別が行われるわけです。


どんな人たちと付き合いたいのか?

価値観というのは人によって様々ですし、そのディティールは多岐に渡ります。価値観が合うかどうかを判断するのは、スコアがあるわけではないので難しいし精度もボンヤリしています。

しかし、こうした「つい口を出したくなる設問」を使うことで、ある程度限定した価値観をあぶり出すことは可能です。

ビジネスという目線で考えた場合、おそらく「お金のゆとりが心のゆとりになるのか?」のYes派は予算に余裕があったり、決裁権や交渉権を持っていたり、ある程度のマネジメントが可能で心にゆとりのある人が多いはず。つまり、toBで攻めるべき川上です。

別に金持ちに媚びへつらえ、と言っているわけじゃないんですよ。あなたの仕事が必要な需要はどこにあるのか?という話です。

需要と供給、対価と成果、それらがきちんと気持ちよくバランスする状態が仕事として理想的だと僕は考えています。

価値観に優劣はないから、倫理や道徳や法律の基準から逸脱しないのであればそれぞれが信じるものを信じればいいと思うんです。その上で、どういう人たちと付き合いたいのか?を見極めるのは大事です。


そういう意味では、今回の投稿ではわりとハッキリと反応が別れました。拒絶反応の出た方は試すようなマネをしてごめんなさい。

でも、こういうネタを丁寧に書くことに好意的な姿勢を示してくれる方もいました。すこしナーバスになっていたので、とてもありがたかったです。

思わずビール1杯分のサポートを入れてオススメをしてしまいました。こういうお礼の表現できるのいいですね。

トライバルには、「人の2倍働き、人の2倍遊べ。すべてが仕事で、全てが遊びである」という行動規範があります。

これは、先に紹介した僕の原体験からきています。「無い人は、有る人の気持ちを想像することが難しいけれど、有る人は、無い人の気持ちを想像することができる」からです。

ほんとこの通りだな、と思います。見下すために階段をのぼるのではなく、理解するためにのぼり、その上で降りたり引き上げたり全体がちょっとでも上に行けるように役立ちたいものです。


他にも、主にマーケターの方々はわりと刺さる内容だったようです。

こうして反応をしてもらえることで、なるほどこの人はこう考えるのか、あなたは違うと思うんだね、などがわかるのは良いですよね。

理性ある交流は、たとえ価値観が折り合わなかったとしても大事ですし、交流が生まれることで豊かになる可能性がある気がしています。

もちろん、交流が生まれるところには摩擦がおきますから、諍いや争いが勃発してしまう危険性もありますけどね...こればっかりは、リスクとリターンの切っても切れない関係なのでしょう。


今回、こうしてちょっとナイーブな問いを投げかけてみて、結果としていろいろな意見を聞けたことは有意義でした。

まぁ、炎上しそうな可燃性の高いネタって対立煽ったりポジショントークでだれかを傷つけたりしがちなので、たとえ真理だとしても書き方や出し方は気をつけなければいけませんね。

自分の心や、人の心が、いったいどういうものごとについ反応してしまうのか?

興味の尽きないジャンルなので、もう少し掘り下げていければと思っています。

思考と選択の実験は学びが深いですね。
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ヤマシタ マサトシ
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