noteでの声の届かせ方を分析してみた(応用編)
基本編がそれなりに人気だったので、いつか書こうと思っていた応用編をリリースしておこう。
とりあえずnote始めてみたけど何書いていいかわかんないっていう人には書き始めるきっかけのお題として是非チャレンジして欲しい。
基本編ではプロフィール欄ちゃんと書けとか、更新頻度は意識してがんばれとか、いきなり有料noteにすんなとか、まぁ本当に当たり前の事を書いておいた。未読の方はそっちを先にどうぞ。
で、応用編だ。
応用編なので、基本編はちゃんと踏まえた上でやってみて欲しいけれど、note内に限らず読まれやすい記事・共感を得やすい記事というのが存在する。
これは中の人であるCXOの深津さんあたりをフォローしておけば、こんなnote読みたいというのをブツブツ24時間体制でつぶやいてくれているので参考にするといいと思う。(GW中はちょっとスローペースだけど、アイコンはロボっぽいが中の人も人間なのでフォローしてツイートを楽しみに待とう。)
とはいえ、色々な意見をザッピングして検討する時間も惜しい現代人の皆さんの為に、不肖ヤマシタがまとめておきますよっと。4500文字の大作になったので目次つけておく。
〜noteで届きやすい記事のコツ〜
1.自分ごとをさらけ出した記事
2.あなたの代わりにやっておきました系
3.ノウハウ大公開
4.徹底的に好きなものを語る
5.役立つ情報の中継役になる
【まとめ】大事なのは顧客目線と自分目線
noteで届きやすい記事
さて、届きやすい記事のコツを教える前に、一つ大事な話をしておく。そもそもその記事は自分が読みたいと思っているのか?
もしも、自分が読んでもつまらないと思うものだったり、誰かを傷つけるものだったり、とりあえず反響が欲しいだけで書いた付け焼き刃のコピペ量産記事だとしたら、そんなものはゴミクズなのであなたの大事な時間を使って書く必要はない。
誰かが読んでくれる以上、文章だってプレゼントだと思う。
その贈り先はまだ見ぬ誰かかもしれないが、僕の中では数年前の自分にあてた当時知っておきたかった事なんかが多い。
どうせ書くなら誰かを想像して書こう。想像がつかないなら昔の自分とか、仲のいい同僚とかクラスメイトとかでも良い。
1.自分ごとをさらけ出した記事
あなただけの体験談を包み隠さずオープンに書く。これは需要なさそうで実は需要がある。
ただし、ぼんやりふんわりしていると読む方も想像力で補いきれないので、ある程度しっかりとハラワタを晒け出す覚悟がいる。
この時、誰かの悪口や誹謗中傷はどうかと思うが、愚痴や悲しみや痛みや恐怖などは同じ体験をしている人への共感という癒しになる可能性がある。
だから、別にネガティブな感情を徹底排除しなくていい。表現にはちょっと気をつけて欲しいが、そのまんまでいいと思う。
もちろんユーモアはあったほうがいいが、無理やりひねり出したユーモアは寒いので、笑わせようとかおもしろいこと言おうと無理するくらいならユーモア抜きでもいい。
そして、自分には何もない、あんなバズってるノウハウ系の記事なんて書けない。そう思うような人にこそ、自分ごとをさらけ出すエッセイ記事に挑戦して欲しい。きっとおもしろいし、日常を切り取る描写力と視点だけでも意外に勝負になる。
あとは過去の失敗談は割と鉄板で使えるネタだ。これはまぁ、社名や個人名なんかはボカしといたりが必要かもだけれど、誰かの失敗談は笑えるし共感もできるし、何よりケーススタディとして勉強にもなる。
この時、過ぎた自虐や無意味な謙遜、卑屈な態度は逆効果なので、カラッとあっさりした感じが良いと思う。
ちなみに失敗談と比較して俺スゲー的な成功談はあんまり盛り上がらない。盛り上がってくれるのは取り巻きだけだ。取り巻きがいない人がやっても寒いだけになってしまう。
だが、成功談は盛り上がらないが成長譚は盛り上がる。何かにがんばって挑戦中の姿勢を見せるってだけでもニーズはある。
ハラワタさらけ出し系でありつつユーモアのある渋澤さんのnoteなんかはグイグイと読まされてしまった。彼女の連載はちょっと読んでみたい。スイスイさんとかと似た方向性を感じるが、多様な価値観を発信しているcakes向きな気がする。
2.あなたの代わりにやっておきました系
なんでもググればわかる時代だが、それでもニッチな部分はまだまだわからない事も多い。noteに限らず、そこには隠れた需要がある。ニッチすぎてマーケットが小さくて、企業ではペイしないようなマニアックなものであればあるほど個人のゲリラ戦では有利だ。
例えばカブトムシ・クワガタの採取ポイントの記事とかはニッチすぎてヤバい。シーズン限定&地域限定で趣味の幅としてはめっちゃ狭い、ゆえに情報不足なので価値が生まれる可能性がある。
有料だしうちの娘はまだカブトに興味ないので有料noteを買う気はないが、着眼点はまさしくこれ。あなたの代わりにやっておきました、の視点で記事を書くと意外に重宝がられる。ちなみに今回の僕のこの記事もあなたの代わりにやっておきました系の要素がある。
元ネタやエビデンスを調べたり、まとめたりが好きな人には特にオススメしたい。1番の自分語りが苦手な人は、意外とこっちはめちゃくちゃ上手だったりする。自分が好きそうなところに手をつけよう。200%俺得な、俺の俺による俺のための記事を書こう。
3.ノウハウ大公開
基本編でも書いたけれど、ノウハウを丸っと公開しちゃう記事は需要が高い。noteユーザーはなんか意識高い人が多いし、長文でもちゃんと読んでくれるし、みんな勤勉っぽい。まだまだ成長途中のサービスに集まる人ってのは積極的なんだろう。
ちなみに、写真のノウハウを話すのにあなたがカメラマンである必要は全くない。カメラマンではない普通の主婦が、主婦目線でわかりやすくて使いやすいノウハウや体験談を語ればそこには価値が生まれる。
仮に最前線のプロに技だけ教わっても素人にはそもそも技を使えるスペックが揃っていない。僕が店舗設計を教えたとして、技術として使える頃にはあなたはインテリアデザイナーにきっと転職している。ミシュラン三つ星シェフの特殊調理器具を使うレシピは家庭で再現できないし、そもそも食材も揃わない。
その点では、他の人でも再現性があるものをノウハウ習得前の頃の自分に向けて書いてあげるといいかもしれない。
別にみんながみんなプロを目指しているわけではない。プロを目指していないけれど、職能の補佐的な意味合いで他ジャンルのノウハウを求めているのだろう。だから絵が下手でもいいと言い切った僕の観察スケッチの記事がバズっていたんだと思う。( #デザイン でnote内でトップという光栄な事になっててビビる)
4.徹底的に好きなものを語る
最高に暑苦しく徹底的に好きなものを語ればいい。それだけ。これは良い事例がnote内にいくつもあるのだけれど、総じて文字数も内容も熱量も尋常じゃなく濃い。たぶん好きすぎて書くのに丸一日とか書けているレベル。書き終わったら倒れてるんじゃないか?
この時、恥じらいは捨てよう。ずっとひた隠しにしていたあなたの趣味、ある日たまたま出会った取引先の担当者さんがひょんな事から同じ趣味であることが発覚!初めて見つけた同好の士に盛りあがりまくり、帰宅後にメールで好きなディティールを語り合っていたら朝になっていた・・・みたいな感じで書けばいいと思う。
文章とか構成とかは気にしないでいい。酒でも煽りながら、アドレナリンをドバドバ垂れ流しながら書けばいい。
5.役立つ情報の中継役になる
2番目と似ているが、あっちが情報を能動的に調べてまとめる割と攻撃的なやり方だったのに対して、こっちはキャッチアップした情報をまとめる守備的な感じだ。
今回の僕のこの記事もそうなのだけれど、情報の溢れかえっている現代では、情報を精査して有用なものを再度編集して伝えるだけでも付加価値が生まれる。
例えば新米デザイナーがフォローすべきnote内デザイナーアカウント10選とか、心の弱った時にしんみりくるnote内エッセイスト5人とか、バリキャリ上昇志向向けのnote内ビジネス情報通アカウント10選とかは需要ありそう。アカウントと推したい記事のリンクを挿入しつつ、推しコメントつけてまとめるだけで誰かの役には立つ。
似た感じだけど、twitterとかのnoteの記事ネタになりそうなことをよくつぶやいているアカウントを30人くらい紹介するとかも需要はあると思う。と思ったら、神屋さんが100選組手やってた。仕事早い。
ちなみにこれはNAVERまとめとかでもそうなのだけれど、二匹目のドジョウになると効果は薄れる。まだあんまりやっている人のいない今がチャンスだと思う。
Twitterアカウントは神屋さんがやっているので、インスタアカウントとか、過去の良ツイートもまとめて深掘りして10人紹介するとかならまだいけそう。
そしてちょっとセコいのだけれど、この手の記事はnote公式のオススメに非常に掲載されやすい。
note公式の中の人の気持ちになればわかる(顧客目線!)のだけれど、note公式のお仕事を肩代わりしている訳で、公式のかわりにやっておきましたというnote内エバンジェリストというか、キュレーターみたいな役割は需要が高いはず。
僕の記事の中ではあなたがいま読んでいるこの記事と、文章の書き方についての以下のものがキュレーター的役割で書いた記事だ。
速報性よりも時間経過で価値の生まれる方向を狙う
noteは当初、SEO=いわゆるGoogleとかYahooとかの検索エンジンから検索して流入してくる人が少ない印象が強かった。SEO対策もnote改善チームがいろいろ頑張っているらしく改善はされつつあるけれど、改善されれば検索してくる人が増えるだろう。
つまり、記事の公開後に時間がたっても見てもらえる可能性がある。
その時、せっかく書いた記事が検索に引っかからずに埋もれていくのか、それとも検索に拾い上げられて先々も有用だとして誰かに見てもらえるのか、長い目で見るならばどっちがいいかは考えたほうがいい。
旬の情報は目先のPVは取りやすいけれど、旬はいつか過ぎる。僕としてはスピード勝負の速報性よりも時間経過で価値が生まれる方向や、積み重ねる事で価値が増えていく方向を狙ったほうがいいんじゃないかと思っている。
大事なのは顧客目線と自分目線の振り切り
実はまだまだネタはあるのだけれど、ちょっと息切れしてきた。いずれにしても大事なのは顧客視点と自分視点の振り切りで、どっちつかずの中途半端になるくらいなら思いっきり顧客目線=読み手目線に寄り添うか、もしくは読み手はガン無視で突き進むかがいいだろう。
これはnoteに限った話ではなく、僕の仕事でもそうだし、色々な仕事でもそうだと思う。こんなんでいいっしょ?と思って作ったものはバレる。熱量をかけたものは意外にちゃんと伝わる。
ここら辺の文章への体温の乗せ方はそのうちちゃんと記事にして書きたいが、まず誰よりも書き手のあなたが熱中しなければ誰も読み手はついてこない。同じ炎上なら暑苦しい記事を読んで延焼してもらおう。
以上、最近の趣味はnoteで記事を書くことのヤマシタでした。それでは仕事に戻ります。