日常の解像度〜手廻しコーヒーミル編〜
雪が降ったかと思えば6月上旬並みの暑さで一気に桜が満開になり、気づけば3月は今日で終わりだ。結局色々と手の回っていない仕事が残ってしまったけど、来月の僕に頑張ってもらうことにする。
このnoteでのコラムというかエッセイというかの雑文は、まぁ誰に当てたわけでもないのだけれど、一種の忙しさのバロメーターにもなっている。これ書けないレベルで忙しい時は、おそらく仕事のやり方がダメな時だろう。
そして、同じようなバロメーターとしている事がいくつかあって、その中の一つが手廻しのコーヒーミルで豆を挽いてコーヒーを淹れる事だ。
メカ好きとしては電動のコーヒーミルを買って時短したい気持ちもあったのだけれど、僕と妻の2人ぶんのコーヒーであれば手廻しで充分。機器の分解清掃はめんどいし。
何より、手廻しだからこそ気づける事があったりして、今では結構気に入っている。
肝心のコーヒーの話だ。
僕は割と古き良き日本の喫茶店のマスターが淹れる、焙煎強めのマンデリンあたりをじっくり蒸らして出した、濃厚で旨味濃いめ苦味強め余韻たっぷりなやつが好きだ。
ちょっと前に流行ったなんちゃらウェーブコーヒーとは真逆の好み。
で、珈琲豆は友人のコーヒー好きすぎてコーヒー屋としてイベントに出ているグラフィックデザイナーS氏のオススメのお店で買っているのだけれど、そこのお店がマンデリンにこだわりがありマンデリンだけで10種類くらい置いてある。
なんでも元化学メーカーか何かにお勤めのオーナーが脱サラして始めたお店のようで、オーナーは知識も半端ないがコーヒー愛が尋常ではなく、またいつ行っても客が少なくマンツーマン接客なのでやたらと喋る。
僕もそうした知識を仕入れるのは好きなので、いつも珈琲豆を買いに行くと話が盛り上がってしまい30分はかかる。
おまけにその店、僕がマンデリンを200g買うと、何を狂ったかオススメの他の豆を100g×2個とかつけてくれる。接客時間もあわさって、どう考えても赤字だ。
そして今朝の豆はいつものと違った店主おすすめ豆をあけてみた。カメルーンのロングベリー種でめずらしく焙煎方法がハイロースト。自分では買わなそうなタイプだ。
僕はいつも焙煎具合はフレンチローストという割と真っ黒ツヤツヤになっているのを買うのだけれど、コーヒー豆も産地や種類や収穫方法・熟成方法・焙煎方法で本当に色々と味が変わる。
今日の豆はハイローストで色も明るめの茶色。いつもの豆と違って水分量が少ないのか、手廻しのミルの手応えは重く、豆を挽く音もゴリゴリと乾いた音がする。
豆の粒度はいつも通りの中細挽きだが、どうにもお湯の含みが悪いのか、蒸らしたけどあっさりとお湯がくぐり抜けてしまった。完全に失敗ドリップ。
コーヒー豆ひとつとってみても、こうしていろいろな気づきや差異があって、失敗すらもおもしろく、なるほど流行るわけだなと腹落ちした。
肝心のコーヒーの味わいはなんちゃらウェーブっぽいあっさり系に仕上がってしまったけれど。。。僕はやっぱりマンデリンのフレンチローストの方が好きだなぁ。
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