田村貴昭事務所

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最近の記事

「令和の米騒動」本当の原因と解決策

 米の在庫不足で一般消費者が買えないだけでなく、老人ホームやグループホーム、障がい者施設、病院などから悲鳴が上がっています。 フードバンクや子ども食堂も、寄付が減り、運営が難しくなっています。  政府は「9月ごろ解消」と言いますが、それだけでは済まない問題が懸念されます。 「あるところにはある」のに、一般消費者が米が買えない理由  米不足といいますが、近所のスーパーの棚が空なのにアマゾンで買えたり、東京では買えないのに茨城では買えたりと「あるところにはある」状態になってい

    • 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に対する日本共産党の修正案

      【修正案骨子】 第一 基本理念の見直し 一 食料の安定供給の確保に関する理念の見直し 1 基本理念として、安全かつ良質で十分な量の食料が供給されなければならないことを規定すること。(第2条第1項関係) 2 国民が必要とする食料については、世界の食料の需給及び貿易場不安定な要素を有していることに鑑み、適切な備蓄の確保に配慮しつつ、国内の農業生産の増大を通じて食料自給率を引き上げることにより、その安定的な供給が確保されなければならないことを規定すること。(第2条第2項関係

      • 食料・農業・農村基本法改正案 田村貴昭 衆院本会議質問

        3月26日 日本共産党 田村貴昭  ■疲弊する農村 失政の責任  私は日本共産党を代表して、食料・農業・農村基本法改正案に対する質疑を行います。   前回の基本法改正から25年、農村は疲弊の一途をたどってきました。農業で生計が成り立たず、農家は半減し、福岡県や愛知県に匹敵する面積の農地が失われました。地域から学校がなくなり、商店がなくなり、ATMがなくなり、ガソリンスタンドがなくなって、いまや農村生活の基盤が失われています。このまま推移すれば、早晩、農村から農家がいなくな

        • 政府が隠したい?鳥インフルエンザの知られざる感染経路 解明した研究者「農水省は耳を傾けてほしい」

           「もう20年も経つのに、農水省は何もしない!」。ことし4月15日に都内で開かれた「日本衛生動物学会大会」で、檀上の研究者がいら立ちを口にしました。2004年に高病原性鳥インフルエンザの感染に「ハエ」が関わっていると警告したにもかかわらず、農水省が無視し続けている――。一体どういうことでしょうか。 ■膨大な殺処分  今季もまた、鳥インフルエンザの季節が始まってしまいました。既に佐賀、茨城、埼玉、鹿児島で発生し、18万羽が処分されています。  昨季、鳥インフルエンザの発生は

          【2023年通常国会】農林水産分野における日本共産党の活動報告

          田村貴昭衆院議員+紙智子参院議員の農林水産分野の国会活動  農林水産分野における211国会は、①肥料・飼料・資材の異常な高騰による農家の苦境と対策、②「農政の憲法」と言われる食料・農業・農村基本法の検証・見直し作業、の2点が焦点となりました。  ①については、岸田政権が「新自由主義からの転換」を掲げたにもかかわらず、これまでの制度の枠内での対策に終始していること、特に危機的状況にある酪農への支援が不十分であることを中心に、政府への批判・要求を突き付けました。  また、諫早湾

          【2023年通常国会】農林水産分野における日本共産党の活動報告

          なぜ酪農がピンチなのか。飼料高騰による農家負担増を試算してみる

          現行制度・対策の詳細  現在、飼料価格が高騰した時に備えて、「配合飼料価格安定制度」というものが設けられています。この制度は、配合飼料価格の上昇が畜産経営に及ぼす影響を緩和するため、 ① 民間(生産者と配合飼料メーカー)の積立てによる「通常補塡」と、 ② 異常な価格高騰時に通常補塡を補完する「異常補塡」(国と配合飼料メーカーが積立て) という二段階の仕組みにより、生産者に対して、補塡を実施するもので、 ①は輸入原料価格が直前1か年の平均を上回った場合に発動し、 ②は輸

          なぜ酪農がピンチなのか。飼料高騰による農家負担増を試算してみる

          戦後の禁じ手を次々と破壊 戦前の財政の仕組みへの入り口に 2023年度予算案

           昨年12月16日に閣議決定した「安保3文書」で、岸田政権は、国会にも国民にも説明もせず、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡への道に進むことを宣言した。23年度の政府予算案は、憲法九条のもとでかろうじて守られてきた 「専守防衛」を踏みにじり、戦後政治の到達点を根底から覆すものである。私たちは、まさに戦後日本の分岐点に立っている。 禁じ手を次々と破り  5年間で43兆円にも膨れ上がる軍事費を調達するために、初年度となる23年度予算案では、戦前の痛切な反省から作られた財政法の禁じ手

          戦後の禁じ手を次々と破壊 戦前の財政の仕組みへの入り口に 2023年度予算案

          訃報:加瀬和俊 帝京大学教授・前東京大学教授

           本年1月13日、加瀬和俊・帝京大学経済学部教授・前東京大学社会科学研究所教授が逝去されました。加瀬先生は一貫して漁業者の立場に立たれ、漁業法の改悪に反対の立場で国会でも意見陳述をされました。  まだまだ教えていただかなければならないことが沢山ありました。大変残念です。ご冥福をお祈りいたします。  当事務所取材によるインタビュー記事(赤旗2019年7月掲載)を再掲します。 財界シンクタンクが「漁業権廃止」提言 漁業法をさらに改悪  「漁協は資源管理に不適格」「漁業権は廃

          訃報:加瀬和俊 帝京大学教授・前東京大学教授

          気象庁は命を守る緊急速報メールをなぜ廃止するのか

          【写真=爆発的噴火をした桜島(7月28日、鹿児島市提供)】  気象庁は13日、噴火や大雨などに関する特別警報の緊急速報メールの配信を、今月26日に停止すると発表しました。活火山がある自治体などの反対を押し切っての強行。一方的な決定に、多方面から困惑と怒りの声が上がっています。 ■26日終了  気象庁は、特別警報が発表された場合に、携帯電話を通じて強制受信の緊急速報メールを配信しています。強制受信であるため、携帯電話を持つ国民全員に届きます。地震が起きる直前に大音量の警報が

          気象庁は命を守る緊急速報メールをなぜ廃止するのか

          酪農・畜産の危機に、農林水産大臣は何と答えたか

          日本共産党国会議員団が、大臣に緊急要請  ロシアのウクライナ侵略や円安などによって、飼料や生産資材が高騰し、畜産業は厳しい経営状態に陥っています。特に酪農はコストが販売価格を上回り、政府の十分な支援もないため、牛乳を搾れば搾るほど赤字が増加する状況です。  日本共産党国会議員団は13日、農林水産省を訪れ、酪農・畜産の危機に対する緊急の支援を野村哲郎農水相に要請しました。田村貴昭衆院議員・同議員団農林水産部会長、紙智子参院議員・党農漁民局長が参加しました。  要請では「このまま

          酪農・畜産の危機に、農林水産大臣は何と答えたか

          米余りで窮地の農家をしり目に、米を大量輸入する理由

          【写真=田んぼの草刈りをする田村貴昭議員】 窮地に陥る米農家 ほぼ全国で稲の刈り取りが終わり、生産者が受け取る米の価格(概算金)が出そろってきました。  金額は全体としてすこーし上がったものの、相変わらず悲惨です。米の生産費は2020年の段階でおよそ60㌔あたり15,000円。いま、肥料費、農薬費、動力高熱費、何もかもが高騰しており、2022年の生産費が15,000円を下回ることはありえません。どこも生産費を大きく割り込んでいます。  それでも、東日本はまだマシで、西日本

          米余りで窮地の農家をしり目に、米を大量輸入する理由

          農林水産大臣に、直接要望を伝えました。

           肥料も上がった、飼料も上がった、油も種もマルチも鉢もポットも上がった。「もうめちゃくちゃですわ」。ある県のJA中央会の会長が田村議員に訴えました。「こうなったら、国土保全のボランティアと思うしかない」。  基幹的農業従事者はわずか5年で22%、40万人も減少しました。食料自給率は過去最低の37%に落ち込み、国内の食料生産は既に瀬戸際です。  このままでは、地域には農家がいなくなり、国産の食べ物は高級品だけになりかねません。そこで、緊急対策・抜本対策をそれぞれ行うよう、農林水

          農林水産大臣に、直接要望を伝えました。

          「仕事は木材生産じゃない。森づくりだ」 自伐型林業支援の現状と課題

           5月26日、田村貴昭衆院議員は自伐型の林業を調査するため、徳島を訪問しました。県南部の山道を車で2時間ほど走り、地元の新居敏弘町議、達田良子県議、白川容子四国ブロック国政対策委員長とともに、山深い那賀町を訪ねました。  訪ねたのは、徳島県那賀町で自伐型林業を営む橋本林業さん。銀行員だった夫の橋本光治さんと妻の延子さんは、夫婦で1978年に延子さんの父の山を受け継ぎ、以来44年、この地で林業に携わってきました。2001年には、那賀町から出て就職していた息子の忠久さんが戻ってき

          「仕事は木材生産じゃない。森づくりだ」 自伐型林業支援の現状と課題

          田村貴昭衆院議員・紙智子参院議員が何を訴えたか――日本共産党・農林水産分野における国会活動

           208通常国会における農林水産分野での議論は、 ①コロナ禍によって著しい需要減と価格低下に見舞われた農林水産の生産者が、ロシアのウクライナ侵攻による燃油・肥料・飼料・資材高騰でさらに打撃を受けていること、 ②それが過去最低レベルとなった食料自給率の低下と、急激な食料生産基盤の崩壊のさなかで起きていること、 ③同時に農林水産分野での環境保全・温暖化対策の必要性が抜き差しならない段階に入っていること、が重大な課題となる中で行われました。  審議を通じて明らかになったのは、これら

          田村貴昭衆院議員・紙智子参院議員が何を訴えたか――日本共産党・農林水産分野における国会活動

          「農産物・食品輸出1兆円」を農家は喜んでいいか――まやかしの輸出実績

          政策の目的と効果を検証する必要がある 2021年、日本の農林水産物・食品の輸出額がついに1兆円を超えたとのニュースが大きく報道されました。なんと、前年比25.6%増の1兆2,385億円におよび、2006年に政府が1兆円という目標を設定してから、初めて突破したことになります。  NHKで紹介されているような個々の農家さんや漁師さんたちが世界にアピールして、さまざまな品目の輸出を伸ばしてきたこと自体は、大いに評価されるべきことだと思います。  しかし、1兆円越えを本当に手放しで喜

          「農産物・食品輸出1兆円」を農家は喜んでいいか――まやかしの輸出実績

          全国の山林に埋まる「日本の枯葉剤」

          ■猛毒2,4,5-T剤  1月21日に放送されたNHKの番組「ザ・ライフ~誰も知らない日本の枯葉剤」は、近隣の山に危険な化学物質が埋められていることを知らなかった全国の住民に、衝撃を与えました。  化学物質とは、ベトナム戦争で広範囲に散布され、広範に遺伝疾患やがんなどの後遺障害を引き起こしたあの枯葉剤の原料、2,4,5-T(トリクロロフェノキシ酢酸)。放送では米軍が使った2,4,5-Tがなんと日本産だったこと、それが全国の国有林で除草剤として普通に広く使用されていたことも明

          全国の山林に埋まる「日本の枯葉剤」