小説・漫画・脚本はプロットが9割 ~あなたの才能を無駄にしない物語創作の新機軸~
はじめに|「おもしろい!」を作る最短ルートなぜ物語創作にプロットは必須なのか?
最初に断言しておきます。
本書はよくある小説、漫画、脚本の創作論とは違います。
主人公には強烈な目的があって、それを邪魔しよう!
対立や葛藤で物語を前に進めよう!
など、誰でも言えるような方法ではありません。
もしそのような言い方は間違っているかもしれませんが、「誰でも言える」創作論を求めているのであれば回れ右してください。
これからあなたが手に入れる情報は、大胆不敵でありながら普遍的な物語創作論です。
膨大な量の創作論と古今東西の名作と呼ばれるヒット作を分析して編み出した才能やセンスに頼らないで済む論理的アプローチで物語を作る方法です。
あなたが創作しようとしている物語が、長編小説であれ、連載漫画であれ、30分のドラマであれ、2時間映画であれ、プロットは必須です。
プロットは物語を創作する際に必要な設計図。
もっと言えば、物語で発生するシーンの羅列です。
小説、漫画、映画脚本、ドラマ脚本、舞台脚本などどんなカタチの物語であっても、しっかりとしたプロットを組み立てられれば、実際に小説や漫画といったカタチに落とし込むときにも迷うことがありません。
プロの小説家や脚本家、漫画家の中にはプロットを作らないという人も一定数います。
しかし紙に書かないというだけで、実際には頭の中でしっかりとプロットを組んでいることがほとんどです。
大量のインプットと大量のアウトプットで紙に書くことなく、頭の中でプロットを組み立てることができるだけです。
完全になにもない状態からいきなり小説の文章や漫画の絵を作り出す人はほとんどいません。
人気小説家の森沢明夫さんはかなり詳細なプロットを書くといいます。
著書「プロだけが知っている小説の書き方」で以下のように書いています。
展開がわかったら書く面白みがなくなる!
本番と同じカタチじゃないと、勢いがつかめない!
キャラクタが勝手に動いてくれるしプロットとか面倒!
など、プロットを組み立てない派の意見もあります。
しかし、人気小説家である知念実希人先生はtwitterで言っています。
つまりプロを目指すなら、またはプロであるならば、プロットは必須なわけです。
プロットの組み立て方は様々ですが思いついた順にシーンを羅列しているだけではそれはプロットの意味がありません。
プロットは小説・漫画・脚本といったカタチにする前に「これで、絶対に面白いものになる!」と、いう確信を持てるようにするためです。
また、プロットは作り手のものではなく、受け手のものです。
実際に小説や漫画のカタチになった物語を受け取る人がいて物語ははじめて成立します。
作ることだけが目的であればそれこそプロットのようなものは不要です。
思いついた順に、どんどん物語を作ればいいんです。
しかし、それでは受け手が「面白い!」と感じてくれるものにはなりません。
受け手にとって「時間やお金を使ってよかった…」と思わせなければあなたがやっているのは泥棒と変わらないでしょう。
面白い物語を作るのは、作り手の義務です。
そのために必要なのがプロットであり、プロットは作り手ではなく、あなたの物語を受け取る受け手のためのものだというのを忘れないでください。
「俺、天才だし、プロットとかいらない!」
という思考はいますぐやめてください。
もちろん才能やセンスは必要です。
しかしそんな才能とセンスがある人が「面白かった!」と思ってもらうために努力をしているのが物語創作の世界です。
プロットを作らなかった場合、1つの作品は「面白い!」と評価されてもそれがどうして面白いと思ってもらえたのかわからなければ2作品、3作品を面白くすることは不可能です。
芸能界と一緒で物語創作の世界でも一発屋はすくなくありません。
プロを目指すにしろ、趣味で物語を作るにしろ、必要なのは何度も「面白い!」を生み出す普遍の方法です。
いきなり小説をかくのではなく
いきなり漫画をかくのではなく
いきなり脚本をかくのではなく
まずは、物語の設計図になるプロットを作ることで物語の全体像を把握することができ「面白い!」の量産を可能にします。
面白い物語を作ったからといって必ず多くの人から評価を受けるわけではありません。
しかし多くの人から評価を受けているのは絶対に面白い物語です。
どんなにたくさん物語を作ってもそれがすべてつまらないものであればゴミと同じです。
物語創作ラボでは物語がヒットする要素を3つに分類しています。
傑作プロットを作る(知識)
プロットを元に小説や漫画といったカタチにする(才能)
カタチになったものが世に広まる(運)
実は僕たちが知識だけでどうにかできるのは『1の「傑作プロットを作る」』だけです。
『2の「プロットを元に小説や漫画といったカタチにする」』も多少、知識で補える部分はありますが、才能やセンスが大きく関わってきてしまうため思うように伸ばせないのはわかるかと思います。
「頑張れば絵がうまくなる!」
「文章は努力すればうまくなる!」
と、いうのは嘘です。
どんだけ努力しても、どんだけ勉強しても絵や文章というものは才能がものを言います。
つまり努力して伸ばせるのは『1「傑作プロットを作る」』だけです。
物語創作ラボでは、傑作プロットのことを、受け手の頭に衝撃を与えるプロットということで、ヘッド・ショット・プロッド――HSPと呼んでいます。
ヒット作を生み出すには必ず必要になるのもHSPです。
どんなに才能があっても、どんなに幸運に恵まれても面白いHSPを作ることができなければ終わりです。
また、プロットを組み立てることで得られるメリットは以下のようなものがあります。
作品を最後まで作り切ることができる
全体像が先にわかるので修正が簡単にできる
書籍編集者や映像監督、舞台演出家と打ち合わせしやすい
短い時間で物語の全体像を把握できる
実験的な物語を最低限の労力で試しに作れる
ここまでで、面白い物語を創作するのにHSPが必須なのはわかったと思います。
しかし、ここでこういう疑問が生まれるかと思います。
「じゃ、実際にプロットはどうやって組み立てればいいの?」
もちろんどんなプロットでもいいわけではありません。
面白い物語になるプロットでなくては、それは無意味です。
作り手にとっては時間をかけてこだわり抜いたプロットでも受け手が「つまらない!」と評価すれば、それは駄作です。
労力や努力とは無関係に評価されるのが物語の世界です。
そもそもこの本を読んでいる人で 、「つまらない物語のためのプロットの作り方」を知ろうとしている人はいないでしょう。
プロットの組み立て方は、いろいろあります。
これまで物語の創作論を学んだことがある人は以下の方法をきいたことがあるかもしれません。
物語の冒頭は日常から始めよう
きるだけ主人公を苦境に立たせるようにしよう
主人公の成長をえがくのが物語だ
作品に一貫したテーマを持たせよう
キャラクターに紐づいた事件を起こそう
これらすべて正しいですが、重要な部分が抜けています。
「なぜ、そうしなければならないのか?」
と、いう疑問にちゃんと答えておらず表面的な、いうなれば小手先のテクニックだと言えます。
巷にあふれる創作論を否定する気はありませんし、もちろん役に立つものもたくさんあるのは事実です。
しかし物語が面白くなる本質を知らなければいくら主人公が猫を助けたところで面白いものにはなりません。
シーンひとつひとつにこだわっても、物語全体としてそのシーンが生かされていなければ、そのシーンは受け手にとってはつまらないものです。
「じゃ、この本で物語の本質を教えてくれるの?」
と思うかもしれません。
教えます!
本書では面白い物語は因数分解すると結局どんなものなのかを知り、そして、どうすれば受け手を唸らせる物語の設計図を組み立てられるかを実践的に学ぶことを目的としています。
あなたが創作する物語の最終的なカタチが、少年漫画であっても、推理小説であっても、恋愛ドラマであっても、どんなサイズでジャンルで発表するのかは関係ありません。
一度、この本の内容を身に着けてしまえば、どんなカタチの物語にも応用がききます。
さらに、これから物語作品を読んだり、見たりしたときに「あ、なるほど、だから面白いのか…」と、解像度の高い状態であなたの血肉にすることができます。
それではお待たせしました。
本題に入っていきます。
最後まで物語が作れない
自分の物語が面白いのか自信がない
そもそも物語の作り方がわからない
学んだ創作論が役に立たない
このような悩みは本書だけで解決できるはずです。
あなたが傑作プロットの作り方を知れば……
新人賞で最終選考に残る可能性があがる
Web小説で人気作の仲間入りができる
小説家や脚本家といった憧れの職業につくことができる
企画が通りやすくなり作品がバンバン世の中に出る
といった理想の未来を手に入れることも夢ではありません。
実際、わたしはHSPを作るようになってから、Web小説が人気爆発して書籍化、オーディオブック化、脚本を担当したミュージカルがニューヨークのコンテストでファイナルに選出されるなど、目覚ましい成果をあげています。
言い忘れましたが、わたしに才能はありません。
つまりプロットのチカラだけでも、これだけの成果をあげることができることを示した生き証人です。
現在は、自身の作品を量産することよりも、未来と才能のある人たちにHSPの作り方を教えることを主軸にしています。
あなたは少なくともわたしよりも才能があり、努力する人でしょう。
そうであれば、本書に書かれたことを理解し、実践することができれば、鬼に金棒です。
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