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「食」に関するオススメの本 | 幅広い視点で食を考えていくきっかけになる…はず

こんにちは
イデアレコードの左川です。

外食業界に携わる仕事をしているのにまったく関係ない記事が多かったので、今年はちょっと方向性を変えてもっと「食」に寄ったものにしていこうと思います。さっそくではありますが、今回は「食」に関するオススメの本を紹介したいと思います。


「食の歴史」(ジャック・アタリ)

「食」というものをここまで多角的かつ体系的に掘り下げた本があったのだろうか?というレベルの本。「食」について本格的に知識を得たいという方には必須だし、ライトに楽しみたいという方にも面白くて興味深いので適しているはず。冒頭は人類の歴史から始まるのだが正直、そのあたりは退屈かもしれない笑

今の「食」というのはこれまで歴史を積み重ねてきたものの結果である。その因果関係を紐解いていくためのピースが本書にはふんだんに盛り込まれている。それらは毒舌を交えながら紹介されていくのだが、「ケチャップはどのような料理であっても味を消すために使われるようになり、とくにまずい料理にはうってつけのソースになった。」のくだりはもはや笑うしかない。もちろんその背景についてもきちんと考察がされており、食べ物に「カロリー(燃焼する際に放出される熱量)」という概念が生まれたことによって、食の価値が味、香り、食感、素材、調理法、食卓を囲む会話の質などではなく、「カロリー」という数字だけになってしまい、味が2の次になってしまったということも記されていたりする。

個人的には「食」に関する定番の教科書としても相応しいものではないかと思う。オススメです!

「メメント・モモ 豚を育て、屠畜して、食べて、それから」(八島良子)

カジュアルに軽い気持ちで読むとカウンターパンチをテンプルにもらってしまう。タイトルにあるように"豚を育て、屠畜して、食べる"話なのだが、豚の受精から始まり、屠畜を自分自身で行うために野生動物を捌く練習をしていたり、猪で実際に試したりを繰り返していく過程は度肝を抜かれる。豚もミニブタではなく普通の豚なので体重も170、180キロとなっていくと身体中に痣が出来るようになっていく…SNSのネタとしてやっているだろうと思う人もいるかもしれないが、生半可な気持ちでは絶対にやり切ることが出来ない。

食卓に並ぶ食材というのは誰かが育てたものであるし、肉については屠畜を避けることができない。屠畜というのは決して表舞台には出てこない領域であるが、食を支える重要な工程であることは事実である。鶏の処理工場を見学したことがある。切るや焼くなどの各工程が機械と人間の手によってシステマティックに進んでいくのだが、生々しさというのは工程を経るごとに薄れていき、だんだんとお店に並ぶ見慣れた姿になっていくのは不思議な感覚であった。だが、工場での体験は忘れられない…

「食べる」とは一体なんなのか?を考えるにあたって是非とも読んで欲しい本です。覚悟がある方はぜひ…

「ビジネス会食 完全攻略マニュアル」(yuuu)

「会食」について細部まで落とし込んでマニュアル化されたものであるが、企業秘密が流出しているんじゃないかと思うぐらいの内容である。単なるお店の選び方だろ?と思って舐めてかかると痛い目にある。そのお店選びの背景にあるのは、相手に対する徹底した心遣いや配慮であり、ビジネスを成功させるための秘訣なのである。

かつての時代は会社の飲み会や会食は若手が先輩から教えてもらいながらやっていくのが普通であった。だが今は良くも悪くもそういう経験をしていない人が増えていることで、気遣い的なものが出来ない人が増えているのも事実である。「食」のためにここまで徹底してやる人たちがいることを我々は知らなくてはいけない。

幹事って面倒だな、嫌だしやりたくない…という方にはぜひ読んで欲しいです。

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