「世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学」(著:近内悠太)を読んでみた。
こんにちは
イデアレコードの左川です。
先日読んだ「シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント」(著:エリック・ジョーゲンソン 翻訳:櫻井祐子)の中で「科学、数学、哲学をひたすら読め」という一説があり、少し前に発売されたものではありますが、話題の哲学者が書き、評価も高い「世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学」(著:近内悠太)を読んでみた。
「哲学」と聞くとビジネスとは程遠くて小難しい別次元のものと考えがちであるが、本書を読むと実はビジネスや身近な生活等のベースにもなっているということがわかる。ビジネスについては世の中に表面的なテクニック論が先行しがちでありますが、その根底にある基本というのは哲学で語られていることだったりします。
例を挙げると「言語ゲーム」はビジネスにおけるコミュニケーションを考えるうえで非常に重要です。
僕らが他者を理解できないのは、その人の言語ゲームが見えないから。そのため相手に意図したことが正しく伝わらない。それは上司と部下であったり、営業と事業部、会社とそのクライアント、企業と生活者…など様々なシチュエーションでも同様で、、ビジネスやマネジメント、マーケティングを考えていくで欠かせない要素となります。相手の「言語ゲーム」がどこにあるものなのか、いかに相手と同じ「言語ゲーム」を一緒につくっていくことが出来るのか…。
※上記は私の個人的な捉え方であり、ウィトゲンシュタインの「言語ゲーム」に精通しているわけではないので、齟齬あったらすいません。
本書では「贈与」ということを軸に他にも様々なエッセンスが登場します。繰り返しになりますが、ビジネスを考えていくうえでのベースとなるものとなります。むしろ、現状のビジネス上の課題を解消していくための外せない要素ともいえます。
書籍としても面白いし、基本を理解するうえで非常に有用なことも実感できたので、「哲学」も読書の軸に加えていきたいと思った次第です。