60代ASD、初の海外(トルコ)に挑む(12) ペルガモン
ペルガモンという国
現在ベルガマと呼ばれるこの場所には、ヘレニズム時代にペルガモンと呼ばれる国があった。午前中はその遺跡を訪れる。
ペルガモンは、アレクサンドロス3世(大王)の部下が作ったヘレニズム期の国だ。王朝が途絶える時、最後の王がペルガモンをローマ帝国に譲るとした。以降、首都ペルガモンはローマ帝国の都市となって繁栄が続いた。
また、ペルガモンにはアレキサンドリアやエフェソスと並ぶ図書館があったが、エジプト(プトレマイオス朝)との関係が悪化して、パピルスが輸入できなくなってしまった。
そこで、子羊の毛皮(食用の副産物)を紙の代わりに使うことを考え付き、これが羊皮紙となったという。英語のパーチメント(羊皮紙)という言葉は「ペルガモン」が語源だそうだ。
ペルガモン遺跡
ペルガモンのアクロポリスは、ほかの都市と同様高い山の上にある。
しかし、ここにはなんと、ゴンドラリフトがあった!
上った先はものすごく広くて、しかも見晴らしがいい。そして大きな都市遺構が並んでいる。
この地は海から25㎞程離れているが、アクロポリスの裏側にはため池が見えた。古代からのものかどうかはわからないが、水には不自由しなかったのかもしれない。
歴史ある建物
アクロポリスから降りてきて、次のアスクレピオン遺跡へ向かう途中にも、古い建築物がそこかしこにあり、目を引かれた。(先生がして下さった解説をメモできていないのが実に残念だ。)ペルガモンが長きにわたって繁栄した証拠だろう。
アスクレピオン
アクロポリスから少し離れたところにある、医神アスクレピオスの神殿。当時は病院としての機能を果たしていた。
今回の旅で初めて、雲が空を覆い、雨が降るかもという空模様になった。
アスクレピオンはギリシャのエピダウロスにあるものが有名だ。病を持つものは聖なる道を進んで、アバトン(至聖所)と呼ばれる共同寝室に泊まる。そこで神が(夢で)治療法を知らせてくれる。それを医師に告げて治療を受ける、といったようなものであったらしい。
入口に戻る地下通路があって、ほかの人はそちらへ向かったが、疲れが出てきていた私は、そのまま来た道を戻った。広々として落ち着いた雰囲気の場所を一人で歩くのは落ち着く。
ここに来た患者も、あるいはそうだったのかもしれない。