松本完敗。擁護した志らくはどうオトシマエをつけるのか
松本人志が、女性への性加害を報じた文春を相手に起こしていた訴訟を取り下げた。
文春と女性は、松本の訴え取り下げ要請に応じて、松本性加害疑惑裁判は終わった。
なお本稿で松本と呼び捨てにするのは、普段私がこの人のことを話すときに「松本、松本人志、まっちゃん」と呼んでいるからであり、容疑者的な意味はない。
松本は女性に謝罪をした。
NHKがその全文を紹介していて、以下のとおり。
NHKがサイトで公開した松本の謝罪文の全文
これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。
そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました。
松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます。
尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。
この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。
どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします。
結論は2つ。性加害が指摘され、詫びた
松本がとうとう詫びた。
ごちゃごちゃいろいろな条件をつけているが、「女性にお詫び申し上げる」と言った。
ごちゃごちゃをすべて排除して、これまでの状況をシンプルにすると、1）性加害が指摘され、2）詫びた、となる。
性奴隷と奴隷の存在
松本が「女性らが参加する会合」の存在を認めたことも大きい。
文春の報道によると、その会合は、後輩芸人が若くてキレイな女性を集めて松本に献上する形で開かれた。
松本がその後、女性とセックスをした以上、女性は性奴隷であるし、後輩芸人は奴隷だ。
異常な性行動を、松本は今回の謝罪文で認めた。
巧みな文章
この文章は実によく考えられている。
なおこの内容は、文春も女性も承諾している。
文春と女性は、松本のこの謝罪を受けて松本の訴え取り下げに同意したからである。
文春と女性が訴え取り下げに同意しなかったら、裁判は終わらなかった。
この優れた文章の考察は後段で行う。
続いて松本の弁護士のコメントと文春のコメントと吉本興行のコメントも紹介する。
NHKが公表した、松本の弁護士のコメント
当職らは、松本人志氏を代理して、（株）文藝春秋ほか1名を被告とし、松本人志氏の名誉を回復すべく、訴訟活動を継続してまいりました。しかしながら、この度、被告らと協議等を重ね、訴訟を終結させることといたしましたので、ご報告いたします。この訴訟終結に関する松本人志氏のコメントは、下記のとおりです。なお、報道関係者の方々におかれましては、偏向報道と受け取られる可能性のある内容や事実に反する内容を報道することがないよう、適切に対処されたく、念のため申し添えます。
NHKが公表した、文春のコメント
本日お知らせした訴訟に関しましては、原告代理人から、心を痛められた方々に対するおわびを公表したいとの連絡があり、女性らと協議のうえ、被告として取下げに同意することにしました。なお、この取下げに際して、金銭の授受等が一切なかったことは、お知らせの通りです。
NHKが公表した、吉本興業のコメント
弊社といたしましては、関係各所およびファンの皆様にご心配とご迷惑をおかけしましたこと、改めてお詫び申し上げます。松本人志の活動再開につきましては、関係各所と相談の上、決まり次第、お知らせさせていただきます。
暗に、詫びるが性加害はない、といっている
松本のコメントに戻ろう。
ポイントは2つある。
●ポイント1：わざわざ「強制性を示す証拠はない」と言っていて、なおかつこのコメントは文春も女性も了承している
●ポイント2：松本が詫びたのは、女性が「不快な思いをして心を痛めた可能性があるから」であり、「不快な思いをして心を痛めたから」でも、「性加害を受けたから」でもない
まずポイント1についてだが、松本は暗に「証拠はないから強制性はない」と言いたいのだろう。
加害者とされる者が「証拠はない」と言うとき、それは「自分は無罪だ」と言っているも同然だからである。
なおここでは「強制性≒性加害」と考えておく。
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