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医療業界のLINEマーケティングを解説~運用方法と成果


医療業界においても、LINEを活用したマーケティングが注目されています。LINEは日本で最も利用されているメッセージング・アプリであり、その影響力は大きいものです。

そのため集患や売上高増を目指している病院、クリニック、歯科クリニックに、LINEマーケティングに取り組むことをおすすめします。

この記事では、医療業界におけるLINEマーケティングの運用方法と成果について解説します。

そもそもLINEマーケティングで何をするのか

まずは医療業界から離れて、そもそもLINEマーケティングとは「何をするものなのか」について解説します。

公式アカウントを使ってユーザーとコミュニケーションを取る

LINEマーケティングとは何か、の質問にシンプルに回答すると、企業などの事業者がLINEの公式アカウントを使って消費者とコミュニケーションを取って顧客を増やすこと、となります。LINEマーケティングは一般ビジネスの領域で誕生しました。

なおこれ以降は、LINEマーケティングの対象となる顧客、見込み客、消費者のことをユーザーと呼びます。

LINEは個人と個人がインターネット上でコミュニケーションを取る、ITツール、またはインターネット・ツールです。LINEのコミュニケーション能力が強力であることから、これをビジネスで使うようになりました。

企業などの事業者がLINEを使ってユーザーとコミュニケーションを取れば、商品やサービスの購入のきっかけになります。

そしてLINEを運営する会社(LINEヤフー株式会社)でも、ビジネス利用に特化した機能をLINEに持たせました。その一つが事業者の公式アカウントです。

事業者の公式アカウントは、LINEマーケティングのツールといえます。つまり、事業者が公式アカウントを取得すれば、これを使ってユーザーをターゲットにしたLINEマーケティングを展開できるわけです。

ユーザーに買ってもらう工夫

LINE自体はコミュニケーション・ツールにすぎません。事業者がLINEマーケティングを展開するには、つまりLINEでマーケティングの成果を得るには、工夫が必要です。

工夫とは、事業者がLINE公式アカウントを使ってコミュニケーションが取れたユーザーに対して行う、自社商品・サービスを「買ってもらう」施策のことです。

例えば、事業者がLINEを使ってユーザーのニーズを探ります。事業者がユーザーのニーズを把握できたら、再びLINEを使って、自社商品・サービスがそのニーズを満たすものであることをPRします。キャンペーンやイベントなどの集客活動にもLINEを使うことができます。

医療業界におけるLINEマーケティング

LINEマーケティングは一般的なビジネスを想定して設計されているので、これをそのまま医療機関に用いることはできません。医療機関は監督官庁によって広告などのPRやマーケティング手法が規制されているからです。

そのため医療機関がLINEマーケティングに取り組むときは、医療業界用にアレンジすることになります。

患者さんとのコミュニケーション強化

医療機関のLINE公式アカウントからユーザーに医療情報を提供すると、ユーザーとのコミュニケーションを強化することができます。

なおこの場合のユーザーとは、患者さんや見込み患者さん、地域の人たち、となります。

例えば、自院のPR担当者がLINE公式アカウントを使って、「保健所が、インフルエンザの流行が顕著になったことを知らせています」といった情報をユーザーに送信すれば、ユーザーは「この医療機関はインフルエンザの予防や治療に力を入れているようだ」と認識するようになります。そうなればユーザーから自院の公式アカウントに「インフルエンザ・ワクチンの接種はいつから実施されますか」といった問い合わせが来るかもしれません。

このような病気情報を介したコミュニケーションは、糖尿病でも心臓病でも皮膚疾患でも歯周病でも可能なわけです。

新患の獲得と患者さんのつなぎ止め

LINEマーケティングを使って新患の獲得や、既存の患者さんのつなぎ止めを目指すこともできます。

新患の獲得にはLINE広告が有効でしょう。LINE広告は地域やユーザー属性を特定して出稿することができます。例えば「市北部の50~70歳男性」に限定して、糖尿病治療に関する情報を提供するLINE広告を出すことも可能です。

患者さんのつなぎ止めでは、例えば自院の公式アカウントから、季節ごとの健康管理方法の情報をユーザーに送信することができます。また、院長が自院のロビーで健康セミナーを開催するときは、その案内を公式アカウントから送れます。

新たな医療情報を生み出す

LINEの意外な使い方にアンケートがあります。LINEは双方向での情報のやり取りが可能なので、医療機関が公式アカウント上でアンケートを実施して、ユーザーが回答することができます。

アンケート結果をユーザーに公表すれば、有益情報になるでしょう。また医療機関側は、自院の患者さん情報や、地域の人々の健康情報を、新たに得ることができます。

医療機関のLINEマーケティングの成果

LINEマーケティングを導入した医療機関が得らえる成果はさまざまありますが、ここでは次の2つを紹介します。

●予約率の向上

●健康情報の提供による信頼関係の構築

予約率の向上

予約制を導入していない医療機関は少なくありませんが、予約制が医療の質を上げることもあります。例えば、予約できると患者さんの待ち時間が減りますし、医療機関側は効率よく医療を進めることができます。

予約制を採用している医療機関は、LINEマーケティングを展開することで予約率の向上を目指すことができます。LINE公式アカウントと予約システムを連係させると、患者さんはLINEから予約できるようになります。また、LINEのリマインド機能を使えば、予約前日に患者さんに翌日の通院を知らせることができます。

健康情報の提供による信頼関係の構築

LINEは情報発信ツールでもあるので、医療機関が自院の公式アカウントからユーザーに向けて健康情報を発信することができます。

例えば、循環器内科のクリニックなら、院長が心臓病の知識をLINE経由で患者さんに知らせることができます。病院内に管理栄養士がいれば、腎臓によい食事や、高血圧患者さんにおすすめできる食材などの情報を提供することができます。

医療機関による健康情報、医療情報の提供は社会貢献になりえます。なぜならそこに地域の人々の健康を願う気持ちがこもっているからです。そしてLINEを使えば、効率良く広範囲に健康情報、医療情報を提供できます。こうした地道な活動は、患者さんや地域の人々がその医療機関を信頼するきっけかになるでしょう。

まとめ

医療業界にはまだ「LINEなどのインターネット・ツールを使ってどんどんマーケティングをしていこう」という気運が高まっているわけではないようです。しかし、LINEマーケティングで成果をあげている医療機関は存在します。「やっている医療機関はやっている」のです。

LINEマーケティングを難しく考える必要はないでしょう。一般的なビジネスの領域では、企業がLINEを使って顧客や見込み客、消費者とコミュニケーションを取り、信頼関係を構築して、売上を伸ばすことはもう珍しいことではないからです。医療機関によるLINEマーケティングは、このビジネスのLINEマーケティングを応用したものです。

医療業界には広告規制があるので、企業のようにLINEを使った派手なマーケティング・キャンペーンを展開することはできませんが、規制の範囲内で患者さんや見込み患者さん、地域の人とコミュニケーションを取ることは十分可能です。

LINEは多くの人に親しまれているインターネット・ツールなので、より一層地域に愛される医療機関になるためにLINEを使うことは有効な方法といえるでしょう。

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