【バイクYT批判】「チャンネル302」★★★★★優しい硬派、取材が見事
「批判は良いところと悪いところを区別して評価して判定することであり、悪口ではない。バイクYT批判では、バイク関連のユーチューブ番組をみて感じたことを述べ、★5つで評価する」
基本情報
チャンネル302(以下、本作)では、ビンテージ・ハーレーのカスタム車両を紹介している。
作者は、主演・進行・主人公の男性、A氏と、撮影の男性、B氏の計2人の模様。
A氏とB氏の名前は時折番組のなかで出てくるが、わざわざ名乗っているわけではないので、ここでもA、Bとさせていただく。
カーグラTVを想起させる上質なつくり
本作が満点の★5つなのは、雰囲気づくり、取材、構成、画質、撮影、内容のすべてが水準を上回っているからである。
20年前のカーグラフィックTVのよう、といったら褒めすぎか。
それでも、優しい硬派な感じはとても似ている。
番組で紹介するカスタム・ビンテージ・ハーレーは、Aの知り合いのもの。
バイクと一緒にオーナーも紹介していて、A氏は質問上手なうえに聞き上手なので、オーナーはつい自分のバイク人生について語ってしまう。
友達を出演させるYT番組は、得てして紹介者と被紹介者がじゃれ合ってしまうものだが、本作にはそれがない。
Aは柔和な語り口でオーナーに質問をして、オーナーは真剣に自分のバイクを説明する。
貴重なカスタム・ビンテージ・ハーレーは見応え十分
そしてもちろん、本作で紹介されるバイクはホレボレするほど格好良い。
いや、もしかしたらA氏の紹介の仕方とB氏の撮影の仕方が良いから格好良くみえるのかもしれない。
とはいえ本作では、いわゆる簡単なカスタム・ハーレーが紹介されることはなく、登場するのはどれもカスタム・ビルダーやオーナーの魂がこもったバイクだ。
木村信也氏も取材
A氏とB氏はアメリカ取材も複数回敢行していて、世界的カスタム・バイク・ビルダーの木村信也さんをインタビューしている。
あえてネガティブ・ポイントを指摘するならアメリカン過ぎる
A氏が所有するのはナックルで、その前はゼロエンジニアリングのロードホッパーに乗っていた。
筋金入りのハーレー乗りといえる。
ナックルを購入するためにロードホッパーを売った模様。
★5つなので、本作にはネガティブ・ポイントは特にないのだが、それでもあえて欠点を指摘するなら、アメリカンが過ぎるところか。
アメリカ好きな人のためのアメリカ紹介番組である本作が、アメリカンが過ぎてもなんら問題がないはずだが、それでも世の中には「日本はアメリカの属国か」といった意見がある。
この意見にはイロイロな意味があると思うが、アメリカンが過ぎることもその一つだと思う。
私はアメリカアメリカした日本人をみると、どうしてもコスプレを思い出してしまうのだ。
コスプレは、アニメの登場人物の格好をして公の場に現れる趣味である。
この意図が私には理解できないのである。
これは、良い・悪いの問題ではなく、理解可能・不可能の問題である。
好きなものXを消費したい、という気持ちは理解できるのだが、なぜXになりたがるのかわからないのだ。
私はアメリカ文化もアニメも好きだが、いずれも消費対象にはなっても、それになろうとは思えないのだ。
バイクの乗りたくなる
私は「バイクに乗りたくないな」と思ったとき、本作をみることがある。
バイクに乗りたくなければ乗らなければよいのだが、しかし無性に「乗りたくなくても乗らなければならない」と思えることがあり、そのためバイク・モチベーションを上げる必要がある。
本作をみていると、バイク乗りがものすごく格好良くみえるのだ。
それで私も「俺も格好つけたい」と思えるのである。