排気量マウントの元凶であるカーストはバイクメーカーがつくった
排気量マウントとは、大型バイク乗りが、中型バイク乗りに対して偉そうに振る舞うことである。
排気量マウントを取る大型バイク乗りは滑稽だが、ではなぜ彼ら彼女らはそんな惨めな行為をしてしまうのか。
現代のバイク乗りが、カースト制度に組み込まれているからではないか。
こんな仮説を立ててみた。
■排気量カーストに関する仮説
大型バイクが上で、中型、小型バイクが下という排気量カーストは、バイクメーカーがつくった
排気量カーストは私がつくった造語
排気量カーストは私の造語で、大排気量が支配層で、小排気量が非支配層という概念である。
昔の中型バイクは大型の子分などではなかったが
排気量カーストは最近生まれたもので、昔はそんなものはなかった。
例えば1980年代、90年代は、中型バイクが単体で魅力を持っていた。
つまり当時の中型バイクは、大型バイクの子分ではなかった。
ヤマハは今、6階層のカーストをつくる
ところが今のバイクのラインナップをみると、ホンダにはレブル250<レブル500<レブル1100という排気量カースト・シリーズがある。
ヤマハに至ってはYZF-R125<R25<R3<R7<R9<R1と6階層のカーストをつくる念の入れようだ。
私には、メーカーが「小排気量は下の存在だから、頑張って大排気量バイクに乗ってくださいね」と言っているように聞こえる。
カワサキも同罪で、Z650RSのデザインは、Z900RSよりはるかに悪い。
Z650RSに乗っている人が信号待ちしているときに隣にZ900RSがやってきたら、そのままカワサキプラザに駆け込んで、Z650RSを下取りに出してZ900RSを注文するだろう。
スズキはそれほどラインナップが充実していないにも関わらず、Vストロームで排気量カーストをつくっている。
ハーレーもトライアンフも350~500㏄において、ひどいデザインのバイクを出している。
マーケティング的には正解かもしれないが
しかしこれによってバイク乗りを大型バイクに誘導できれば、バイクメーカーは売上高も利益率も上げることができる。
大型誘導策は、バイク不況のなかにあって当然のマーケティングといえなくもない。
なお排気量マウントと排気量カーストの関係については、こちらで詳しく解説している。
中型バイクをショボくするのは自分の首を絞めるようなもの
しかし私は、排気量カースト・マーケティングは失敗に終わると思っている。
なぜならこの仕組みは中型バイクの魅力を消す効果が生じてしまうからだ。
バイク業界が息を吹き返すには、女性と若者、初心者のバイク乗りを増やさなければならない。
そして女性、若者、初心者は中型バイクから乗る。
したがって、中型バイクの魅力を高めないと、女性、若者、初心者ライダーを増やすことはできない。
バイクメーカーが意図的に中型バイクをショボくすることは、自分の首を絞める行為にほかならない。
オッサンなんてどうでもいい。女性と若者が熱狂する中型をつくれ
排気量カースト・マーケティングは、40代以上男性ライダーには効果があるだろう。
彼らは虚栄心のかたまりだから「大型のほうが格好良いでしょ」と言われると弱い。
だから今、40代以上男性ライダーはこぞって大型を買っている。
しかし40代以上男性ライダーの購買力が続くのはせいぜい5年、もって10年だ。
その間、中型バイクの魅力を高めないと、バイクを買う人はいなくなる。
バイクメーカーよ、女性、若者、初心者を熱狂させる中型バイクをつくれ。
まずはRZ250、VT250F、RG250Γ、GPZ400Rレベルの、大型バイク乗りが乗り換えたくなるような超ド級の中型をつくれ。
それがバイク復権の唯一の道だ。
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