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ユニ柳井の日本滅亡論 失われた40年突入か【日本経済論的論】

日本駄目派の柳井と日本イイジャン派の前沢

ユニクロの柳井正が2024年に「日本は滅びる」と言った。
これが正しいとすると、バブル崩壊が1991年だから、日本経済は失われた30年を終えて、失われた40年に入ったことになる。

ところが日経平均は2024年に最高値を更新している。
さらにZOZOの元経営者の前沢友作は、柳井の説を否定し、日本人らしさが国力の鍵になる、といった。

経済人としての実力差がはなはだしい2人の意見を並べるのは、ちょっとあれだが、それでも真逆のことをいっているのはとても興味深い。

日本経済はアメリカ経済の影響下にある証拠

以下のチャートは、直近5年間の日経平均(青線)とドル円(赤線)である。

そして以下のチャートは、直近5年間の日経平均(青線)とダウ(赤線)。

2つのチャートの共通点は、青線も赤線も上昇トレンドであることだ。
日経平均を日本経済、ドル円とダウをアメリカ経済とみなすと、アメリカ経済が強いから日本経済も強くなる、といえる。

日本の、国の価値が下がっているのに経済は上がっている謎

もちろん、アメリカ経済と日本経済がともに上昇しているのなら、日本経済が強いからアメリカ経済も強くなる、といえる。
しかしそうではないのだ。
その証拠がこれだ。

青線は日経平均で、赤線が日本国債。
青線は上昇しているが、赤線は下降している。
国債は、その国の信用の価格だから、その国の価値といえる。
普通は、国の経済が高まれば、国の価値が高まりそうだが、日経平均と日本国債の関係はそうはなっていない。
つまり、日本の価値(日本国債)が下がっているのに日本経済(日経平均)が上がっているのだ。
だから、日本の価値が低下しても「日本経済はアメリカ経済に引っ張ってもらっているから」日本経済は上昇している、といえるのである。
「」内は推測だが。

普通は国の価値と経済は同時に上がる

ちなみにだが、下記のチャートのとおり、アメリカでは、ダウとアメリカ国債は両方とも上昇している。
やはり普通は国の経済が高まれば(株価が上がれば)、国の価値も高まる(国債も上がる)のである。

サボって貧乏を我慢しても、アメリカには従った

さて、ここからが本題になるのだが、ではなぜ日本は、国の価値が低下してもアメリカ経済に引っ張ってもらって日本経済を高めることができているのか。

日本の価値低下は、サボりにサボってきたツケであろう。
日本人はこの30年間、受験戦争から逃げて、怒鳴られながら仕事を覚えることを避けて、過労死するほど働くことをやめた。
その代わり日本人は、中国人がつくった安物で我慢することを覚えた。

アメリカ経済に引っ張ってもらえたのは、日本人が、受験勉強を必要とせず、仕事を覚えることを必要とせず、長時間労働すら必要としない仕事ならなんでも引き受けたからであろう。
アメリカ人のために、日本人はよく働いてきた。
それでアメリカは「そこまでうちの国に尽くしてくれるのなら」という気持ちで、日本にカネを渡してくれたのである。
日本人は貧乏に慣れたので、アメリカからそれほど多くのカネをもらわなくても満足できる体質になった。

つまり日本は、貧乏臭くなることで本当の貧乏になることを回避できたのである。

どちらも正しく、どちらも足りない

柳井が日本はもう駄目だといい、前沢が日本には良いところがあるといったのは、実はどちらも正解なのである。
つまり、どちらも間違っている、ともいえる。
日本人はこれからもしばらくはサボり続け、国の価値を落とし続け、しかしアメリカからのお恵みを受け続けて少しばかり成長するのである。
失われた40年のはじまりはじまり。

参考






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