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札幌・円山登山日記、2024.1.2

午前4時、円山に向けて出発。
今年一発目。
天気予報ではマイナス3度ほど。
雪が鳴いているので、もっと冷えていると思う。
気温がマイナス5度くらいより下がると、雪が締まって歩くとキュッキュッ鳴く。
登山口の手前の公園の手前の草野球場の手前の美容院は、店の前の大きな木の枝に「ここに雪を置いていくな」と書いた札を立てている。
これは除雪車の運転手へのメッセージである。
除雪は、雪を持ち去る排雪と異なり、雪を除けるだけである。
道路の雪を道路脇に除けることで、自動車が走れるようになる。
その代わり、道路脇には雪が高く積み上がることになり、道路沿いの家や店は、自分たちでその雪を別の場所にどかさなければならない。
「ここに雪を置いていくな」というのは、「道路の雪を道路脇に寄せるにしても、うちの店の前にだけは置くな」と言っているのである。
除雪車の運転手は公道の雪を道路脇に寄せる仕事を、夜を徹してやってくれる。
だから、家の前や店の前に雪を置かれた人たちは、黙って自分たちで除雪している。
私はこの美容院の前以外の場所で「ここに雪を置くな」の看板をみたことがない。
高齢者宅の前にもこんな看板は立たない。
ところがこの美容院の店主は、毎年この時期になると「ここに雪を置くな」の札を立てる。
私はこの美容院の店主を雪国の仲間と認めない。
円山はどれだけ大雪が降ろうと、1月1日は大勢の人が登るから、2日の今日は登山道がしっかりできている。
でも念のためクランポンを装着した。
登山靴は下界の道では滑るので、登山口まで長靴で来て、そこで登山靴に履き替えてクランポンをつけた。
地蔵道から登る。
昇り始めて10分で疲れる感じがした。
ところが2区を終えても疲れは増えない。
3区を終えても、つらいことはつらいが疲れは増えていない。
そしてとうとう山頂。
25回だけ深い呼吸をして、動物園フェンス道から下りる。
ほぼ下りきったところで登ってくる人がいた。
真っ暗なので、向こうを恐がらせないために大きな声で「こんにちは」と言う。
すると向こうも「こんにちは」と。
いつもの丁寧なおじさんだった。
「今年もよろしくお願いします」と言うと、同じ言葉を返した。
クランポンのお陰で転ばないどころか、転びそうにもならない。

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