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鏡筆のショートショート「北海道からみた東京」

寝ずに働いて、あるいは、人をだまして働いて、はたまた、クソ野郎といわれながら働いて、ときに、リスクを取って働いて、カネ持ちになって、幼稚園児が登る藻岩山の山頂よりはるかに低いのにタワーって呼ばれている港区のマンションに住んで、根室漁港に水揚げされてから半日経ったウニを銀座で食べて、旭岳の自然より劣る自然しかない軽井沢で別荘を買って、川湯温泉より薄い温泉しかない箱根の温泉につかって、稚内の国道の1億倍混んでいる首都高をフェラーリで走って笑っている。
北海道民には東京の勝者の気持ちが理解できない。

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