死の直前、楽にしている人と、苦しんでいる人と、少し苦しんでいる人がいる。
この差は何か。
楽にしている人は、何もみえていないから。
苦しんでいる人は、可能性の亡霊と発覚しなかった悪事の亡霊をみているから。
できるのにやらなかったこと。
努力しなかったこと。
投資すれば得られたのに投資しなかったこと。
これらは可能性の亡霊となって、死の直前になって、その者を苦しめにくる。
そして悪事を働いたものの、逮捕もされず、償いもしなければ、発覚しなかった悪事の亡霊となって、やはり死の直前の者を苦しめにくる。
少し苦しんでいる人は、可能性の亡霊と発覚しなかった悪事の亡霊を1匹ずつしかみていないから。
一生懸命働いて家族を支えたが、もっと自分の夢を追いかけるべきだった、といった類の後悔は、誰しも一つは持っているものだ。
不正を働いたが誰にも知られずに終わった罪悪感は、誰しも一つは持っているものだ。
これらをゼロにすることは難しい。
だから死の直前は、少し苦しんでいる人が多いのである。
だから死の直前の少々の苦しみは、仕方がないのである。
死の直前の苦しみをゼロにするために、人生を潔癖に生きることは、それはそれで苦しいことだから。