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【キングオブコント2024】ロンコが圧倒的も、ラブレの論功行賞は当然

いつものように録画でみた

今年もキングオブコントは録画でみた。
キンコは、知らない人たちがダルいネタを出すことが多いので、しんどくてオンタイムではみれない。
でもまれに良いネタがあるから、録画ではぜひみたい番組である。

何回みても笑えたが2位やむなしか

ロングコートダディの面白さは圧倒的で、2回のネタを、すでに3回ずつみたほど。
最後の6回目の視聴でも笑った。
視聴者を一番笑わせた者が勝ち、というルールなら、間違いなくロンコが優勝だったろう。
しかしロンコの2位はやむをえなかったのかもしれない。
ラブレターズの出来が、そこそこよかったからである。

「それなりの仕上がり+これまでの功績=ちょっとプラス」は人情

ラブレはこれまで2011、2014、2016、2023年に決勝進出を果たし、今回の2024年大会で5回目。
これだけの実績があり、なおかつ10年以上にわたって劣化していない実力を考慮すると、さすがに今年あたりに優勝させないと、噛ませ犬として出場させてきたような感じになってしまう。
したがって審査員に「優勝させてあげないとかわいそう」という人情が働くのは当然だ。
だから、ラブレがそれなりに仕上げてくれば、審査員が「じゃああと1点プラスしてあげよう」と思うのも当然である。

キンコの審査員は5人だから、全員が1点ずつ人情票を加点してもプラス5点にしかならない。
だからラブレに履かせた下駄は5点しかなかったわけで、それで優勝できたのだから本物といえる。
「それなりの実力+人情=論功行賞」による優勝は、別にズルくない。

それにしてもロンコの良さよ

あらためてロンコについて語りたい。
それくらい面白かった。

1本目のネタは、嫌味な男性会社員が花屋に花を買いに来て、女性店員をいじめる、というストーリー。
会社員は店員に、自分は花に詳しくないのでいい感じで花束をつくって欲しいというのだが、店員がつくる花束にことごとくダメ出しする。
ストーリーはこれだけなのに、それでも笑えるのは、巧みな心理戦を描きながら、笑わせることを忘れなかったからだ。
ポイントは、笑わせることを忘れなかったこと。

キンコの出場者の多くは、つまりコントをやる笑い芸人の多くは、巧みな心理戦を描くことや、凝ったストーリーをつくること、意外な展開、俳優を意識したかのような演技、大声といったことは得意だが、笑わせることを忘れている。
うまいけど笑えない、という構成はダルさを生む。
ちなみに今回のラブレにも、この、うまいけど笑えない要素があったが、それでも今回のラブレには笑わせる要素もあった。

このダルい傾向を生んだのは、東京03やロバート、シソンヌなどの才能たちだろう。
この3組はいずれも、うまいうえに笑えるネタをつくるが、後輩たちはなぜか、この3組のうまさだけを真似ようとしてしまうのだ。
そのほうが簡単だからだろう。
そのなかにあってロンコは、うまさと面白さの両方を追求するという難題に挑み成功した。

2本目のネタは、呪われた者が、救いを求めて賢者の壁にやってくる、という内容。
賢者の壁は魔界の言語しか話せず、日本語しか話せない呪われた者とうまくコミュニケーションが取れない。
賢者の壁が話す魔界語と、その日本語訳は、大きなモニターで視聴者にみせるが、呪われた者にはそれがみえていない設定になっている。
呪いの設定にも、会話のズレが生む誤解を笑いにする発想にも新味はないが、ズラし方が見事だった。
素直に笑える。
この笑わせ方は見事で、ロンコは、堂前も兎も、おかしみを持つ。

第2のチョコプラか

ロンコはすでに多くのテレビ番組に出演していて、実力派コンビと呼ばれつつある。
ネタだけでなく、大喜利や、平場のトークも上手だ。
この器用さは、無冠のチョコレートプラネットと似ている。
だから私は、ラブレよりもロンコの今後に期待してしまうのである。

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