【就活する前に読んで】うまくいかないのはやり方が悪いから~あなたのせいではない
就職活動がうまくいかないと「自信を失った」と感じるかもしれませんが、心配する必要はありません。なぜなら就活生にとって就活は初めての経験だからです。
就活は、ほとんどの人がうまくいきません。しかしうまくいっている人もいて、それはきちんと対策を講じているからです。
書類選考と採用面接を通過するコツを紹介しながら、就活対策を解説します。
就活が上手くいかないと感じる理由
まずは、「就活がうまくいかない」と感じる理由をみていきます。
初めての経験なので、本来は就活はうまくいかなくて当たり前です。第1志望の会社だけを受けて内定をもらって就活を終えた、という人を聞いたことがないと思います。そのような人がいないということは、誰もが必ず一度は失敗(落選)しているということです。
したがって内定が出ないというだけで自信を失う必要はなく、選考に落ちたら次の会社を受ければよいだけです。
それでも「就活がうまくいかない」と落ち込むのはなぜでしょうか。
【第一志望の企業で内定がもらえなかった】
第1志望にしていた企業から「ご縁がありませんでした」という通知をもらうと、相当落ち込むはずです。なぜなら、その企業で働く自分の姿をイメージしていたからです。
しかし想像してみてください。自分がその企業を第1志望にしたのは、その会社にステータスがあって、そこでの仕事にやりがいがあって、社会貢献につながって、給料がよくて、福利厚生が充実していて、勤務地が魅力的だったからではないでしょうか。
そのような企業は、多くの就活生が第1志望にします。したがって競争率が高くなり、落ちる確率が高くなります。
第1志望の企業に入れるのはほんの一握りの人たちです。就活では志望先を増やし、どんどん応募しましょう。
【周りの友人が内定を貰っている】
就活が中盤をすぎると、周りの友人のなかに内定を獲得する人が現れはじめます。そうなると、友人の就活はうまくいっているのに自分の就活はうまくいっていない、と感じてしまうでしょう。
その印象は比較によって生まれるものですが、就活では他人と比べる必要はありません。就活は自分との闘いであり、他人をうらやむ必要はないのです。
【面接を苦手と感じている】
履歴書などを送ると、企業は書類選考を行い、それを通過した就活生を採用面接に呼びます。「ようやく書類選考を通過できるようになった」と思っても、面接で落とされることが続くと「面接のほうがもっと苦手だ」と感じてしまうでしょう。
しかし面接を苦手にするのは当然で、なぜなら初めて会う人と真剣に深い話し合いをしなければならないからです。面接を得意としている人がいないからこそ、面接対策が重要になるのです。
【何がしたいのかわからない】
就活に行き詰まると「そもそも自分は何をしたいのか」と考えてしまうことがあります。複数社に落ちると、自分はその業界に向いていないのではないか、と思うようになるからです。
就活中に「自分は何をしたいのか」と思い始めたら、それを気にせず同じ業界の他社を受け続けてもいいですし、まった異なる業界の企業を受けてもよいでしょう。なぜなら、就活生は企業や業界のことをすべて知っているわけではないからです。採用担当者や面接担当者たちと出会って話を聴くことで、本当の企業の姿や業界の真実がみえてきます。そのなかで「したいこと」をみつけてもよいのです。
書類通過するためにすべきこと
就活の第1関門は書類選考です。就活で最も重要な書類は履歴書です。書類選考を通過した人だけが採用面接に進むので、就活生は、採用担当者に「面接に呼びたい」と思わせる履歴書を書かなければなりません。
書類選考を通過するためにすべきことを紹介します。
【読みやすさを意識する】
意外に感じるかもしれませんが、履歴書で重要になるのは1)正しく書くことと、2)キレイに書くことと、3)結論を先に書くこと、です。単純なことのように感じるかもしれませんが、この3つをクリアしていないと採用担当者はその履歴書を最後まで読まないかもしれません。
採用担当者は誤字脱字を発見しただけで「大丈夫かな、この人」と感じます。字が汚いと「本気でうちの会社に入りたいと思っているのか」と疑われるかもしれません。そして結論を先に伝えないと「読むのが疲れる」と思われてしまいます。
そして履歴書は、採用面接が進んでも読まれ続けます。最終的には社長も目をとおすはずです。履歴書は、読む人(採用担当者や社長)のことを考えて書いていきましょう。
【自己分析をする】
企業が採用選考のときに書類を重視するのは、履歴書などにその人の多くが映し出されるからです。採用担当者は、採用する人のことを知りたがっています。そのため履歴書には「自分」をしっかり書き込んでください。
それには自己分析が必要です。履歴書には「自分はこのような人間です、だからこういう仕事がしたくて、それで御社を志望しました」といったことが書かれてあることが理想です。自己分析せず「自分はこのような人間です」とは書けません。
【企業・業界研究を徹底する】
企業研究や業界研究は十分行っているでしょうか。企業の採用担当者は、自社のことを好きな就活生や、自社が属す業界に高い関心を持っている人を採りたいと考えます。したがって、企業・業界研究をおろそかにしている就活生は、内定が出にくくなります。
先ほど履歴書には「自分はこのような人間です、だからこういう仕事がしたくて、それで御社を志望しました」と書きましょう、とアドバイスしました。「だからこういう仕事がしたくて、それで御社を志望しました」と書くには、その企業とその業界のことを知っていなければなりません。
面接通過するためにすべきこと
書類選考に通過したらいよいよ採用面接です。
面接担当者は、実際に就活生と会って「この人と一緒に働きたい」と感じたら内定を出し、「この人はうちの会社にそぐわない」と感じたら不採用の通知を出します。
面接を通過するためにすべきことを紹介します。
【身だしなみを整える】
面接にはスーツを着ていってください。Yシャツはクリーニングしたてのものを着用してください。身だしなみを整えることはビジネスパーソンの第1歩であり、面接こそその第1歩を踏み出す場所です。
想像してみてください。実力や意欲や学歴が同程度の2人の就活生がいて、片方の身だしなみが完璧で、他方の身だしなみが崩れていたら、採用担当者はどちらに好印象を抱くでしょうか。
身だしなみを整えることは、就活を「有利に進める対策」ではなく「不利にしないための対策」です。
【入室時の所作や挨拶などの基本マナーを身につける】
面接に呼ばれた就活生は、まずは控室に通されます。そして「次の人」と呼ばれてから、面接担当者が待つ部屋に入ります。このとき求められるのが、入室時の所作や挨拶といった基本マナーです。
面接時の基本マナーは何回も模擬面接をして体に覚え込ませてください。
【簡潔にハキハキと話す】
採用担当者は就活生のコミュニケーション能力をみています。コミュニケーションの優劣が出やすいのが話し方です。面接担当者から質問されたら、簡潔にハキハキ答えましょう。
もちろんこの、簡潔にハキハキと話すことは、OBOG訪問や会社説明会、リクルーターとのコンタクトでも実行してください。
【面接で聞かれやすい質問を把握し回答をある程度準備しておく】
面接を受ける前に面接は始まっています。なぜなら、面接担当者が就活生に尋ねることはある程度予測できるからです。「なぜ当社を志望したのか」「なぜこの業界に入りたいと思ったのか」「学生時代に頑張ったことは何か」「これまでに成し遂げたと感じられたことは何か」といったことは、どの会社の面接でも聞かれる可能性があります。
面接で聞かれやすい質問については、ある程度回答を用意しておきましょう。これも模擬面接で練習しておくことをおすすめします。
就活Q&A
就活に関する悩みの解決法をQ&A方式で解説します。
今すぐにできる対策はありますか
なかなか内定がもらえていない人は、今すぐにできる対策を知りたいと思います。ここでは即効性のある4つ対策を紹介します。
「付け焼き刃でうまくいくのか」と心配するかもしれませんが、何もしないよりは内定を獲得できる確率は確実に上昇するはずです。
企業研究のみならず業界研究を行う
企業研究は必死になれば一夜漬けでもなんとかなるかもしれません(もちろん、じっくり研究したほうがよいのですが)。しかし業界研究は、ライバル会社のことも調べなければなりませんし、政府(経済産業省)やシンクタンクの資料や経済紙のニュースも読み込む必要があるので時間がかかります。
それでも業界研究は「やるしかない」でしょう。就活中は移動が多くなるので、隙間時間もフル活用して業界について把握するようにしてください。
業界についての理解が深まると、面接担当者の質問の意図がみえてくるので的確に答えられるようになります。
応募する企業の幅を広げる
大企業ばかりを狙ってきた人は、中堅企業や中小企業にも応募するようにしてみてください。特定の業界の企業のみを狙ってきた人は、その業界に近い業界の企業にも応募してみてください。
応募する企業の幅を広げることで、自分と企業がマッチする確率が高くなるでしょう。
自己分析を再度行う
自己分析をもう一度行うことも大切です。すでに一度自己分析を終えていても、今あらためて自分を振り返ると違った面がみえてくることがあるからです。
過去の自分は就活を経験したことがない自分で、今の自分は就活を経験している自分です。社会の荒波に少しもまれたことでビジネスの厳しさを知り「このままでは駄目だ」と感じている人もいるでしょう。
その目で2度目の自己分析を行い、履歴書を書き直してみてはいかがでしょうか。
第一印象を意識する
企業や業界の知識やこれまでに身につけたスキルだけでは就活は乗り切ることはできません。コミュニケーションやプレゼンテーションのスキルを身につけて、自分の持ち味をきちんと伝えることが重要です。
第一印象を意識してみてください。
採用担当者や面接担当者も「人」なので、どうしても第一印象で好き・嫌いを判断してしまうことがあるからです。
採用担当者に好かれたうえで能力が認められたら、内定が出やすくなります。その一方で、能力は認められたのに「なんか気に入らない」と思われたら内定が遠のきます。
コミュニケーション力やプレゼンテーション力を身につければ、第一印象をよくすることができます。
また先ほど、身だしなみを整えましょう、入室時の所作や挨拶などの基本マナーを身につけましょう、簡潔にハキハキと話しましょう、とアドバイスしましたが、これらはすべて第1印象をよくします。
就活においてすべきでないことを教えてください
内定を獲得するには、すべきことをして、すべきでないことをしないこと、です。ここまで、すべきことを紹介したので、ここでは就活ですべきでないことを解説します。
すべきでないことは次の3つです。
嘘をつく
面接担当者は長年のビジネス経験から、就活生が嘘をつけばすぐに見抜くでしょう。就活生が履歴書に事実と異なる「いいこと」を書けば、面接で必ずそこを突いてきます。そして2、3の質問に答えただけで事実でないことがバレてしまいます。ビジネスでは嘘はご法度なので「嘘をつく人だ」と思われたら落選します。
履歴書の内容を使い回す
履歴書の内容は1社1社変えてください。同じ業界内で複数の企業に応募するときも、学歴以外の内容は変えましょう。なぜなら履歴書には「御社で働きたいんです」と書く必要があるからです。
どの会社にもいえることやどの業界にも共通した内容を書けば、その履歴書をどの企業にも使い回すことができますが、それでは採用担当者は「一般的なことが書かれてあるだけだな」と感じるだけで、到底「この人を面接に呼びたい」と思わせることはできません。
失敗の原因を究明しない
不採用の通知が来たら落ち込むと思いますが、その気持ちのまま次の企業の面接に臨んでも同じ失敗を繰り返すだけです。なぜなら失敗を繰り返さない対策ができていないからです。
すぐに気持ちを切り替えて失敗の原因を究明しましょう。就活をサポートしてくれる人がいたら、その人に落選した企業に対して行った自分のアプローチを事細かに説明して、何がいけなかったのか分析してもらってください。面接の様子を再現すれば「その一言が余計だった」といったことがわかるかもしれません。
就活対策はしているのに内定がもらえない原因はなんですか
ここまで紹介した対策をすべてこなせば必ず内定をもらえるのかというと、残念ながらそうではありません。
また、すべての対策に取り組んだことでようやく内定を得ることができても、どうしても別の会社に入りたいこともあると思います。
就活対策をしているのに意中の企業から内定が出ないのはなぜでしょうか。
受けている企業の数が少ない
受けている企業が少ないとおのずと内定が出る数も少なくなります。就活は、意中の企業1社から内定が出れば成功して終了します。したがって内定は、率よりも確実さが重要になります。
企業研究、業界研究を進めると、「入りたい」と思える企業が増えるはずです。多くの企業にチャレンジすれば、「入りたい」1社から内定が出る率が高くなるのは当然です。
大手ばかり受けている
大手企業は人気です。人気企業には応募者が殺到するので、入社できる確率は下がります。
中堅企業や中小企業、または、知名度が低いものの事業内容や業績に優れている会社を探して応募していきましょう。
就活の軸が定まっていない
就活の軸は人それぞれです。自分がやりたいことや価値観、譲れない条件、入りたい業界、やりたい仕事、やりがいを感じる事業、社会貢献の仕方などが就活の軸になりえます。軸を持ちましょう。
軸が定まっていないまま就活に臨むと、採用担当者は「この人は社会に出て何をしたいのか」と疑問に感じるでしょう。それでは「内定を出したい」と思ってもらえません。
特に就活の軸が重要になるのは、異なる業界に属す複数の企業に挑戦するときです。例えば、海外に出て国際感覚を身につけたい、という軸なら、商社を受けても、運輸業界を受けても、メーカーを受けても軸を貫くことができます。
企業説明会、OBOG訪問、インターンなどへの参加が不十分
活動量を増やしましょう。活動量が少ないと、いくら就活対策に取り組んでいても成果につながりません。
企業説明会、インターン、OBOG訪問の参加を増やしてください。周りの友人に忙しくしている人がいたら、企業説明会やインターンに参加した回数や、訪問したOBOGの人数を聞いてみてください。最低でもその人と同じ回数をこなしましょう。
就活がうまくいかないときの考え方
就活がうまくいかないことに悲観的になる必要はなく、落ち込む必要もありません。なぜなら就活は、「入りたい」と思える1社から内定を得るだけで成功して、終了するからです。
就活を始めたもののなかなか軌道にのらなかったら、すべきこととすべきでないことを、メモ帳に書き出していきましょう。すべきことをしていなくて、すべきでないことをしていたら、すぐにその逆のことをしてください。それだけで面接に呼ばれる確率が高まったり、次の面接に進む回数が増えたりするはずです。
そして「入りたい」と思える企業を増やすことも大切です。それには企業研究と業界研究を広げて深めることが欠かせません。企業と業界を知ることで「こんな仕事があるのか」「こんなことをしている会社があるのか」という気づきが得られ、その会社やその業界に入りたいと思えるようになります。
就活は、就活対策を講じることで確実に成功の確率を高めることができます。
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