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[職場IT啓発]スタッフのITスキルはどの程度まで求めるか


事務業務に求められるスキル

かつてはワープロの入力がパソコンを使用する代表的な業務でしたが、現代はIT化が進む中で、一般的な事務業務であっても以下のようなITスキル・知識が求められています。

  1. 一般的なアプリケーション操作やITの概念の理解をもつ

  2. 情報漏洩のリスクへの意識をもつ

  3. マルウェアの脅威を理解する

  4. セキュリティについての知識を身に着ける

  5. 効果的なコミュニケーションを意識する

ITスキル・知識不足は業務の進行に影響を及ぼします。
簡単にそれぞれの項目についてみていきましょう。

  1. 一般的なアプリケーション操作やITの概念の理解
    基本的な用語についての理解、フォルダやファイルの移動、プリンタの選択など。一般的に使用されるPDFの扱い等。操作や言葉がわからなければ業務は進みません。

  2. 情報漏洩のリスクへの意識をもつ
    外出先で使用するパソコンやUSBメモリの紛失をしないための心構えやメールの宛先間違い等、様々な例が考えられます。情報漏洩は職場の信用失墜や法的責任に発展する可能性があり、その対応時には職場内のスタッフの人員が取られ業務が麻痺することを理解しましょう。

  3. マルウェアの脅威を理解する
    マルウェアは悪意があるプログラムのことで、データの破壊や改竄をし業務妨害します。その被害の拡大、損害を生む流れを理解する必要があります。
    マルウェア自体に注意をしていても、請求書の確認などの名目で送られてくるメールなどもあり、不審なURLをクリックさせる手口を見抜かなければなりません。

  4. セキュリティについての知識を身に着ける
    パスワードの適切な設定と管理、紙書類の廃棄時の徹底、むやみに職場や仕事環境の情報を他言しないなどの対応が必要です。
    権限がないスタッフが重要なファイルを操作することなど、内部にもリスクがある危機感を持つようにしなければなりません。

  5. 効果的なコミュニケーションを意識する
    メールやリモート会議など、そのシステムに合わせたコミュニケーションができるよう慣れておく必要があります。そして相手がそのツールを普段から使用していないなど、利用を妨げる状況を作らないようにしておきましょう。
    また業務に必要な情報や連絡事項を一部のスタッフだけが知っているような状況を作らないなどの確認もしましょう。

エンドユーザーであってもこれらの知識は必要です。

職場のITスキルの水準を決めておく

さて各スタッフのITのスキルについて、次のような図の状態にあるべきだと考えています。

職場で必要なITスキルの水準(イメージ)

円滑な業務の進行やリスクの低減などの観点から、全員が共通認識を持ち、また一定のスキルを持つことが必要です。
ITについての専門的な知識は不要ですが、時代に合わせた知識は必須といえます。

情報システム管理部門だけで取り組めばよいのでは?という誤解

ITは自分には関係がない、をなくす

時々 部下やスタッフを指導する立場の方と雑談の中で話が出ますが、業務において「ITは自分には関係がない」というスタッフがいて、啓発に苦慮しているとのことで、この記事のような話をさせていだたいています。
一般社員・職員であれば入口(就職時)の段階から、重要なスキルであると位置づけて意識を持ってもらうことが必要で、就職後 職場サイドからはスキルアップを支援したり、習得具合の確認などをされていくとよいと思います。

現代は、業務の効率化や生産性の向上を支えている重要な部分は、ITによって回っています。この観点から、特定の部門、特定のスタッフだけで完結するものではありません。
また情報漏洩はエンドユーザーの行動によって発生することが多く、自分自身でリスクを身近なものとして捉える必要があります
一般的な問題解決はエンドユーザーによる自助努力によって解決することも必要です。

基礎的なITスキルが欠如している場合のリスク

新しい業務体系に速やかに移行できない

たとえば突発的に発生したコロナ禍の時期、普段からリモートの仕組みを使用してコミュニケーションをとるスタイルが確立していた企業では、この部分について業務を中断せずに済んだようです。(当然コロナ禍なりの業務の停滞はあったものと想像できます。)
ほかの多くの職場では必要に迫られ、リモート会議システムのノウハウを手短に学び、実践していたと思います。

またAIやクラウドを使用したアプリケーション、またDXといった新しい考え方など、業務を変えるような新しいテクノロジーやルールをスムーズに受け入れられるかなど、職場のスキルの習得具合によって大きな違いが発生します。
※コンピュータを使用したAI自体は1950年代からありました。民間で利用できるような形になったのはごく最近のことです。

ここでITから少し離れたところの話を記します。
企業などでは、たとえば有志を集めて勤務時間の終了後などに英会話講座を開き、英語力を高める取り組みをしているところがあるのはご存知だと思います。様々な背景があると思いますが、事業のグローバルな展開、外国人スタッフの雇用などが挙げられます。企業によっては職場内の公用語が英語の、というところもあります。

英語だけでなく、業務に必要な資格取得のための対策も社内の有資格者が講師となり、学習の場が用意している企業もあります。
このように現在、または将来に向けての各スキルの準備を自分たちで意識されている様子がうかがえます。骨太な体制を整える意識を持つことは重要で、ITでも同じであると言えます。

教育のためのコストや時間が増大する

一般に新しいツールや方法論を習得する際にコストがかかります。
従業員に新しい技術を習得し使用できるようになるまで、多くの時間とコストがかかります。ある程度一般的な水準に達しているじょぅきょうから始めることができればスムーズです。

教育や啓発が遅れると業務の効率が低下し、結果として競争力が損なわれる可能性があります。
また従業員によっては、新しい技術に対してストレスを感じることから、さらに停滞につながる要因が生まれ、職場全体の成長に影響を与えることもありますので、普段からケアが必要であるものと思います。

現代に必要なスキルとして認識する

職場にとってのITスキルは「選択」ではなく「必須条件」となっています。
面倒なルールなどがあり、煩わしいと感じることがあるかもしれませんが、業務上の様々な変化に対応していくため、基礎的なITスキルを一定の水準に保つことが不可欠です。

現在もこのようなことに意識を持たれて取り組まれておられると思いますが、当記事が再度 職場のスキルを見渡す機会となれば幸いです。

当方の事業範囲で協力できることがありましたらお声がけください。
(終)

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