好奇心でキャリアを切り拓く
第108号(2023年5月24日)、営業やリーダーシップを中心に研修講師をされている大岩俊之さんからバトンを引き継ぎました! 組織活性化コンサルタントで研修講師の繁村早百合(しげむら・さゆり)と申します。Myサードプレイスでは、シナリオプランニング部会を山田さよりさんと一緒に主催しています。よろしくお願いいたします。
今日は私の会社員時代のキャリア転機について書いてみます。
半導体の技術者として20年以上仕事をしていた2008年、部門内にワークライフバランス推進室が設立され、室長になったことです。周りからは「よく技術から人事に異動したね」と言われた(今でもよく言われます)のですが、好奇心が強くて、目新しいもの、珍しいものにとっても惹かれる私。突然でしたが、「新しいことができる」と迷うことなく引き受けました。「社員全員がやりがいを持って楽しく働ける職場づくり」のミッションはまさに私がしたいことでした。
ところが、当時、「ワークライフバランス」は、女性が仕事と家庭 (家事育児)をどう両立させるかということに焦点が当たりすぎ、「女性のためだけのもの」と捉えられていました。男性の同僚からは「女性活躍は逆差別じゃないか」 と面と向かって言われたこともあり、とても悲しく悔しい気持ちになったのを今でも覚えています。何とか「自分事」にしてもらおうと、技術職時代に習得したファシリテーションスキルを活用し、社員を集めてワークショップを開催。自分たちで課題を出し合い、そこからさまざまな改善策が生まれました。とてもやりがいを感じた一瞬でした。リモートワークには他企業がまだ実施していない頃から取り組み始め、当初は「そんなことできるか」「むずかしい」と言ってた人も、自分たちにメリットがあるとわかると徐々に理解してくれるようになっていきました。例えば、ベテランの人が腰痛になって動けないからリモートワークしたいと相談に来たり・・・もう後ろでガッツポーズ(ご本人には悪いのですが、笑)。早い時期にリモートワークを進めたためコロナ禍ではスムーズに移行できたようでした。
次第にキャリアに関わっていく業務も多くなり、キャリアカウンセラーの資格をとる勉強をしていた時、クランボルツの「計画的偶発性理論」に出会いました。「『キャリアの8割は偶然によって決まる、偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる』そしてキャリアを切り拓いていくには、『好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心』の5つが必要」。この理論を知って、まさに私に「偶然」おとずれた転機は、自分自身の「好奇心」がもたらしたもので、「楽観性」、「冒険心」で乗り切り、ものにできたのではないかと思いました。
6年前に「会社の枠を超えて、もっと多くの働く人のやる気を守り、会社も人も元気にしたい」の思いで退職しました。友人たちから「やめる時にまったく後ろ髪引っ張られる感じとかがない」と言われたのは、「今やめる」という決断が、自分が次に輝いていくことだと信じていたからです。
私の夢は「生涯現役」。90歳まで生きると確信しています。それまで自分の足で歩き、社会にお役に立つことをして社会に関わっていきたいと考えています。
これから先も自分らしく生きていくため、「偶然」を引き寄せていけるように好奇心を忘れず、積極的に人に会い、いろんなことにチャレンジしていきます♪
次回は、コンサルティングファームでHRを担当されている上條さんです。