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対話をコントロールする言葉  ビジネス対話~欺かす、争わず、誠心誠意向き合う力 第5章 話すことで聴く①

割引あり

これまでとこれから

 ここまで、ビジネス対話の眼目である『安心・安全な場』の創生という視点から、あるべき対話、そしてそれを実現する具体的スキルとしての「聴く姿勢」についてご説明してきました。当たり前のこととしていたスキルの持つ意味合いについて、何らかの気づきを得ていただけたのではないかと思います。
 さて、第5章では、聴く姿勢を保持するために、自らが積極的にかかわっていくスキルについて解説していきたいと思います。
 これまでのご説明により、スキルには意味があり、その意味を踏まえて活用することが重要であること、しかし、そのスキルが決して難しいものではないことがご理解されたことと思います。ですから、コミュニケーションに苦手意識を持っている方も、これまでと同様に本章のスキルも、焦らず、1つひとつ獲得していってください。

練習も実践も同じ

 スキルを獲得するためには、練習が必要です。しかし練習と言っても、それ自体が、すでに『安心・安全な場』創りに貢献していきます。
 つまり、スキルが使えた瞬間、少しですが『安心・安全な場』を創ったことになるのです。これが相手にもたらす効果には、とても大きいものがあります。そして、相手があなたを見る目も変わってきます。この小さな繰り返しが、大きな成果へと繋がるのです。
 例えば、今まで俯き加減に相手の話を聴いていた人が、今日、アイコンタクトをとってきたというだけで、相手は「オヤッ?!」となります。
 しかし、それ1回だけでは、あなたの変化が特別なものになってしまいます。しかし、3日続ければ、それが“あなた”になり、特別なことではなくなります。
 そうなると、相手はあなたに1歩近づいてくるようになります。それは、あなたと相手との間にできる場が、少しだけ『安心・安全な場』になったということです。
 さて、本章でも、できるだけ具体例を使いながら説明させていただきます。上手くできなくても、これまでのスキルと同様に、その姿勢を見せるだけで、確実に組織を『安心・安全な場』にしていきますので、是非、実践してみてください。

本章と全体像

 それでは、本稿の全体像をお示しします。
  第1章      安心・安全な場の提供(公開済み)」
   すべては『安心・安全な場』から始まる 第1章①
   組織に潜むコミュニケーション断絶の陰 第1章②
  第2章      対話とは何か(公開済み)
   新たな発見に向かう 第2章①
   感情を大切にする  第2章②
  第3章      言葉を超えて(公開済み)
   ビジネス対話に臨む態勢 第3章①
   相手理解の第一歩となるビジネス対話 第3章②
  第4章    視覚から聴く(公開済み)
   相手視点のビジネス対話  第4章①
   観て、観られるビジネス対話  第4章②
  第5章 話すことで聴く
   ・対話をコントロールする言葉
   ・理解を深める言葉(近日公開)
  第6章      訊くことで聴く(近日公開)
  第7章      相手に合わせて聴く(近日公開)
  第8章      対話論(近日公開)
 本章からご参加の方は、できれば本章の読了後、第1章から順に読み返していただければ、より理解が深まるものと考えますので、是非、公開済の章もよろしくお願いします。
 それでは、以下、有料となりますが、続けて読み進めていただければ幸いです。

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