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米大統領選はトランプ優位に

前回は大統領選挙が大接戦になっていると伝えた。
その後も、ハリス優位のデッドヒートが続いたが、10月6日にトランプが逆転、その差を着実に広げている。
10月16日時点のRealClearPolitics Betting Averageでは、トランプ58.5、ハリス40.4と、トランプが18.1ポイントリードである。
この数字は世論調査ではなく、「賭け」の数字であり、賭けに参加する人が真剣に考えたものなので、信頼度は高い。

https://www.realclearpolling.com/betting-odds/2024/president

これらの状況に危機感を覚えたハリス陣営は、これまで抑えていたメディアへの露出を高めているが、それが裏目に出ている。
10月16日には、FOXニュースのインタビューに応じた。FOXニュースはどちらかというと保守系メディアであるが、司会のブレット・バイアーは反トランプで有名である。にもかかわらず、会話は全くかみ合わず、ハリスは質問には応えず、「トランプが悪い」と繰り返すだけ、彼女得意の「ワードサラダ」を繰り出す場面もあった。これではとうてい大統領はつとまらない。
※ワードサラダ:なにか喋っているけど、支離滅裂で全く意味不明であること

スイング・ステートの世論調査から見る勝率

スイング・ステートの世論調査は、10月16日時点で、7つのスイング・ステートすべてがトランプ優位となった。

世論調査からみた勝率

スイング・ステート全体の選挙人数は93人であり、トランプおよびハリスの勝利ラインは以下のようになる。
 トランプ:51/93
 ハリス :44/93
トランプがより多くの選挙人を獲得する必要があること、また差がわずかであることを考慮すると、現時点でトランプ確定とは言えない。
スイング・ステート各州の世論調査結果と選挙人数などを考慮して計算した勝率は、トランプ54.7、ハリス45.3となっている。

前回の大統領選挙と比較する

前回の大統領選挙は、大接戦となり、結果的にバイデンが勝利した。
このときのBetting Averageは下のようになっている。9月時点で一時、トランプとバイデンが50-50となったが、その後、バイデンがリードを広げ、投票直前では、バイデン63.8、トランプ35.4と、大差でバイデンがリードしていた。しかし結果はバイデンが勝ったものの、大接戦であり、圧勝とはならなかった。
その背景には「かくれトランプ支持者」の存在があったと見られている。

今回は、逆にトランプがリードしている。

「かくれトランプ支持者」が前回同様に存在しているなら、トランプの地滑り的圧勝の可能性も考えられる。

これからどうなる?


アメリカは世界で最も豊かな国であると同時に、貧富の格差が最も激しい国でもある。
アメリカでは一時、「我々は99%」という政治スローガンが叫ばれた。富の大部分を1%の金持ちが独占していると告発したものであるが、その後も格差が広がり、いまや0・1%ないし0・01%の富豪が富を独占している。

豊かさから取り残され「忘れられた」人々の代表が、ラストベルトに代表される中西部、あるいは南部の白人労働者である。

トランプは、これらの人々の思いを汲み取り、2016年に大統領になった。
今回の大統領選では、副大統領候補として、ラストベルトの貧しい地域出身のJ・D・ヴァンス氏を選んだ。
トランプのMAGA(Make America Great Again)は、まさにラストベルトが輝いていたアメリカを取り戻すというメッセージである。

そんなトランプが再び大統領になった場合、どうなるのかを予想し、それに備えることが重要である。

前回のトランプ政権では、側近の解雇が相次いだ。これと思って任命した人物が、ことごとく大統領の指示に従わない人物であったから。

今回、トランプが大統領になったら、反トランプの人間を任命することはないであろう。そして暗殺未遂を乗り越えたことで、実行力は限りなく高まっている。

MAGAのスローガンのもと、アメリカの国益を最優先した政策を次々と実行していく。パリ協定からの離脱、WHOからの脱退、ウクライナ戦争への関与を停止、NATOの見直し。。。。

日本に対しては、
 アメリカを守らない日本のためにアメリカが血を流すことはない
 自分の国は自分で守れ
 守って欲しいなら、それ相応の金を出せ
などと言ってくるであろう。

また日本からアメリカへの輸出に対しては、関税をかけてくるであろう。

そんなトランプに日本の首相は対抗できるのか?
石破は、トランプのもっとも嫌いなタイプの人物である。相手にしてもらえないだろう。
再登板の噂が絶えない岸田はどうか。エマニュエルの言うがままだった岸田だから、トランプには歓迎してもらえるかもしれないが、それは日本にとっての地獄である。

米大統領選挙がどうなるか、そして衆議院選挙後の日本の首相がどうなるか、注視していきたい。


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