アメリカ大統領選挙は超デッドヒート
前回の投稿に引き続いて、アメリカ大統領選挙の状況を報告する。
バイデンが撤退し、ハリスが民主党の候補になったのをきっかけに、米マスコミは一斉にハリスを絶賛。これによってハリス人気が急上昇し、8月8日に、トランプ人気を上回った。8月15日のRealClearPolitics Betting Averageでは、トランプに8.8ポイントの差をつけている。
その後、民主党大会での大統領候補者受諾演説などを経て、ハネムーンに陰りが生じたのか、ハリス人気は一服、8月24日時点では、ほとんど拮抗状態となっている。
スイング・ステートの世論調査から見る勝率
スイング・ステートの世論調査は、8月22日時点で以下のようになっている。7つのスイング・ステートの内、5州がトランプ支持優位、2州がハリス支持優位である。しかし、差が僅差であることや、州の選挙人数などを考慮して計算した勝率は、トランプ42.9、ハリス57.1と、ハリス優位となっている。
世論調査の最新データは8月22日時点のものであるが、7月中旬ごろから実施された調査との平均であるため、Betting Averageよりは古い情報となっている。今後、トランプとハリスの差は縮まると予想する。
前回の大統領選挙と比較する
前回の大統領選挙は、大接戦となり、結果的にバイデンが勝利した。
このときのBetting Averageは下のようになっている。9月時点で一時、トランプとバイデンが50-50となったが、その後、バイデンがリードを広げ、投票直前では、バイデン63.8、トランプ35.4と、大差でバイデンがリードしていた。
それに比べると、今回は完全に拮抗状態である。Betting Averageにもバイアスがかかっているのかもしれないが、それにしても現状では、結果は全く予想できない。
9月10日に行われる討論会と、その後の動向に注目したい。
これからどうなる?
アメリカは世界で最も豊かな国であると同時に、貧富の格差が最も激しい国でもある。
アメリカでは一時、「我々は99%」という政治スローガンが叫ばれた。富の大部分を1%の金持ちが独占していると告発したものであるが、その後も格差が広がり、いまや0・1%ないし0・01%の富豪が富を独占している。
豊かさから取り残され「忘れられた」人々の代表が、ラストベルトに代表される中西部、あるいは南部の白人労働者である。
トランプは、これらの人々の思いを汲み取り、2016年に大統領になった。
今回の大統領選では、副大統領候補として、ラストベルトの貧しい地域出身のJ・D・ヴァンス氏を選んだ。
トランプのMAGA(Make America Great Again)は、まさにラストベルトが輝いていたアメリカを取り戻すというメッセージである。
そんなトランプが大統領になった場合、アメリカの国益を最優先することになり、外国との関係についても、損得をベースとするディールがメインになっていくであろう。なんといってもトランプはビジネスマンである。
結構気まぐれでもあるので、トランプと向き合うには、明確なポリシーを持ち、自立したリーダーが不可欠である。今の岸田政権のようなアメリカのいいなりリーダーでは、今以上に振り回されることになる。
それではハリスはどうか。
少なくとも、これまでの副大統領としての行動を見る限り、彼女には戦略もなければ、実行能力もない。「非白人であり女性である」というシンボルだけが取り柄のマスコットである。難しいことや痛いところを聞かれると笑ってごまかすだけ。それだけに、民主党の長老たちにとっては、使い勝手が良い。バイデン政権と同様の傀儡政治、あるいはもっと左翼化した政治が続くことになるであろう。
※アメリカにも日本同様派閥がある。民主党の二大派閥は、クリントン派とオバマ派である。ハリスはクリントン派が推薦したと言われている。
これまでと同様の政治というのは、戦争が長引き、パンデミックが発生し、環境という締め付けが続くということ。これによって日本の富は、今まで以上に奪い取られることになる。
そんなハリスに対抗するためにも、明確なポリシーを持ち、自立したリーダーが不可欠である。
果たして、今の日本の総裁選候補者に、そんなリーダーがいるのだろうか。
日本はトランプやハリスと張り合えるリーダーを据えることができるのだろうか。
ないものねだりはやめて、自分だけでも逃げることを考えるべきなのだろうか。
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