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ハリス氏が支持率リード拡大

日本にも大きな影響があるアメリカ大統領選挙、トランプとハリスがデッドヒートを続けている。

これまではトランプがバイデンに対して優勢を保っていたが、バイデンが選挙戦から撤退し、副大統領のハリスが民主党の正式な候補者となってから、ハリスの支持率が高まり、支持率調査でトランプを5ポイント上回ったとの報道がなされている。

RealClearPoliticsのBetting Averageでも、8月8日時点、ハリスが50.7で、トランプの48.0を2.7ポイント上回った。

RealClearPolitics Betting Average

これらの報道がどの程度、実情を反映しているのかについて、前回に引き続き、大統領選挙の結果を予想してみた。

大統領選挙の仕組み

結果を予想するに当たって、今一度、米大統領選挙の仕組みについて、おさらいする。

大統領選挙は州単位で行われる。50の州とワシントンDCには、それぞれ人口に応じた代議員が割り当てられており、州での勝者は、その州に割当てられたすべての代議員を獲得する。代議員の総数は528人で、この過半数である270人を獲得した候補者が大統領に選出される。

代議員数が最大の州はカリフォルニアで、代議員数は54人。そしてカリフォルニアはブルーステートと呼ばれる民主党優位の州なので、ハリスがこの54人を確実に獲得する見通しである。

カリフォルニアに次いで代議員数が多いのがテキサス州で40人。この州は共和党優位のレッドステートなので、トランプが40人を獲得する見通し。

ワシントンDCを含めた51の州の内、民主党優位のブルーステートは20州で、代議員数は226人、そして共和党優位のレッドステートは24州あり、代議員数は219人である。つまり、ハリスの226人、トランプの219人はほぼ確定である。

残りの7つの州は、民主党と共和党の支持率が拮抗しており、選挙毎に結果が揺らぐので、スイング・ステートと呼ばれる。スイング・ステートの代議員数は93人であり、この93人の内、何人を獲得するかが結果を左右する。

ハリスが勝つため条件は、スイング・ステートで44人以上を獲得すること、トランプが勝つための条件は、51人以上を獲得することである。

スイング・ステートでの世論調査

このような状況から、主としてスイング・ステートを対象にした、世論調査が行われている。
8月8日時点でのスイング・ステートでの世論調査結果は以下のようになっている。

realclearpolling.comより

7つのスイング・ステートの内、5つの州でトランプ優位である。
ただし、世論調査の結果は今後も変わる上に、世論調査と選挙結果は異なるので、差がプラスマイナス10ポイント程度揺れ動くとして、各州の勝率を計算した。(標準偏差を10ポイントとして正規分布で計算)

トランプの勝率

7つの州での勝率を元に、トランプがスイング・ステートで51人以上を獲得し、レッドステートの219人と合わせて270人を獲得できる確率を計算した。

その結果は

トランプの勝率:52.3%
ハリスの勝率 :47.7%

となった。

これらアンケートは7月に行われたものがほとんどなので、その後のハリス人気の高まりを考慮すると、RealClearPolitics Betting Averageの結果のように、ハリスがトランプを上回っている可能性もありそうだ。

ハネムーンの後は?

民主党は、バイデンでは勝てそうにないと見るや、党員による予備選挙の結果を無視してバイデンを降ろし、代議員のオンライン投票だけで、候補者をハリスにすげ替えた。
顔が変わったことで、お祭り気分となり、メディアもこぞってハリス人気を煽っている。いわゆるハネムーン期間(ご祝儀相場)である。

ハネムーンが終わった頃、みんなの目が、ハリスの実績や、政策に向かうことになる。ハリスはこれまで副大統領として、何一つ実績がなく、政策についても、これまでほとんど何も語っていない。これからどのような政策を語るかが注目される。

いずれにせよ、トランプ暗殺未遂を切っ掛けにした「もしトラ」から「ほぼトラ・確トラ」へという流れは変わった。今後、大激戦が繰り広げられることは間違いないだろう。

そんな間に、イランの首都テヘランでハマス運動指導者イスマイル・ハニヤ氏が爆殺された。イスラエルによるものと見られており、アメリカが支援したという情報もある。
イラン新大統領の就任式に招かれて滞在していたという経緯からも、イランによるイスラエルへの報復は不可避。そして報復にはイスラエルによる倍返し。。。
まさに第三次世界大戦の切っ掛けになりうる危機である。

どちらが大統領になるにせよ、次期大統領は、この戦いを止めることができるのであろうか。あるいは戦いを加速するのであろうか。

米大統領選挙は他人事ではない。

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