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ナカモトサトシ白書解説(7)

以下は2016年12月28日に私が以下のホームページに掲載した記事です。
https://officemoorea.wordpress.com/
最近、web3という文脈でブロックチェーンが注目されていることや、上記ホームページの更新ができていないことから、古い記事ですが、noteに転載します。

お疲れ様でした。ナカモトサトシ白書解説の最終回です。

■ナカモトサトシ白書解説 結論


本論文では、信用に依存しない電子取引のシステムを提案した。電子署名で作られるコインという従来通りのフレームワークは所有権を強くコントロールできるが、二重支払い防止対策なしには不完全である。

その解決策として、良心的なノードがCPUパワーの過半数をコントロールする限り、プルーフ・オブ・ワークを使って記録された公開型の取引履歴を攻撃者が変えようとすることが、コンピュータ的に加速度的に実質上実行不可能になっていくP2Pネットワークを提案した。

ネットワークは非構造の単純性により堅固になっている。各ノードは同時に動作するが協調性は低い。メッセージは最善努力原則で送信すればよく、また特定の場所に転送されるわけではないのでノードが特定される必要性はない。ノードは自由にネットワークに接続、離脱でき、離脱していた間のプルーフ・オブ・ワーク・チェーンをその間の取引の証明として承認する。

ノードはCPUパワーを用いて受信したチェーンへの承認・拒絶を表明し、受信したチェーンが有効であると受け入れた場合にはそれに含まれるブロックを延長することで承認を表明し、無効なブロックであればそれらの処理を拒否することで拒絶を表明する。必要なルールやインセンティブはこの合意メカニズムに従って実行できる。

解説


採掘者は、ブロックを作成して初めて報酬を得ることができる。ブロック作成にはハッシュ値がある条件を満たすようなNonceを見つけるという「採掘作業」を行う必要があり、速度競争となる。

最初に答えを見つけた採掘者が新しいブロックをチェーンの最後尾に連結する。他の採掘者はそれが正しいことを確認したら、今の作業を中止して、最後尾の後ろにつなげる新たなブロックの作成に取り掛かる。それが「承認」である。無効なブロックと判断されればそのチェーンは枝分かれして、無効ブロックの後ろには次のブロックがつながらない。

このような仕組みによって「二重支払い」を完全に防止することが可能となる。

各ノードは協調する必要はなく、自由に接続し、自らの利益のために動くだけでよい。それによって全体として取引の承認が行われる。

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